建物の安全・安心を支える技術 Me-A工法

概要

中間および先端に拡径部を有する場所打ちコンクリート杭工法

Me-A工法は,杭軸部の中間および先端に節状の拡径部(節)を設けて、建物を支える力を増大させた場所打ちコンクリート杭を造成する工法です。
Me-A(Multi Enlarged-nodes Ace pile)

  • 杭の中間にも拡径部として抵抗要素を設けることで、従来の拡底杭のように建物の自重を支える支持性能を先端だけで増大させず、先端と中間に分散して増大させることができます。
  • この拡径部は地震の時に建物を転倒させようとする力に抵抗するため、杭の引抜き抵抗としても有効に働きます。
Me-A工法の原理と適用メリット

メリット

中間拡径部の形状
  • 従来の杭より短く、杭軸部を細くすることが可能になり、杭の工事費低減が可能です。太い径の杭が必要な超高層建物のような自重の非常に大きい建物でも、中間支持層が存在する地盤であれば、杭の工事費を10-30%低減することが可能になります。
  • 建物沈下リスクが分散され、安全性の向上につながることが期待できます。また、拡径部が引抜き抵抗となっているため、細長い形状や板状の建物で地震時に杭に大きな引抜き力が加わる建物への適用も有効です。

特徴

中間部拡径部の施工機械(大口径杭用)

杭先端と中間の拡径部上側は従来の拡径杭で用いる施工機械を共用して掘削し、その後に拡径部下側だけを新たに製作した専用掘削機を用いて下側を斜めに掘削します。これにより、中間部と先端部を掘削する順番の組み合わせ自由度が増し、地盤条件に応じて確実かつ合理的な施工方法が選択できます。
施工実験により、超高層建物にも対応できる直径4.8mまで確実に掘削可能であること、併せて細い径の杭でも大きな力に耐えられるFc60Nまでの高強度コンクリートの施工が可能であることも確認しています。

Me-A工法の施工手順例

  1. 1軸部用バケットで杭軸部を掘削
  2. 2拡底バケットに付け替え拡径翼を展開しながら拡径部上側を掘削
  3. 3専用掘削機に付け替え拡径部下側を掘削
  4. 4①と同様
  5. 5拡底バケットに付け替え杭底部を掘削
論文
特許・認定・認証

ベターリビング性能証明資料(CBL FP038-13号)