建物の安全・安心を支える技術 高強度材料を用いた鉄筋コンクリート扁平梁工法

概要

鉄筋コンクリート扁平梁工法の概要

一般に、建物を支える梁は曲げる力に対して強い縦長の断面とするため、意匠上の観点から梁を隠すためには天井を低くする必要がありました。また、梁によって天井裏の設備スペースが分断されてしまう等の設計・施工上の課題もありました。

そこで、高層建築物に用いられる高強度の鉄筋やコンクリートを組み合わせるとともに、梁の断面を横長(扁平梁)とすることで、従来よりも床から梁下までの高さを増すことのできる鉄筋コンクリート扁平梁工法を開発しました。

メリット

  • 建築計画の自由度が向上し、室内空間の有効利用や開放的な空間の実現が可能となります。
  • 天井裏に敷設する設備配管のレイアウトの自由度が向上し、その施工も容易になります。

梁下空間のイメージ比較

通常の梁を使った空間
高強度扁平梁を使った空間

特徴

本工法は梁幅を大きくした横長の断面の梁を採用するとともに、以下の工夫を加えることで必要な構造性能を確保しながら、梁せいを従来に比べて約1/2 に抑えることが可能となりました。

  1. 1扁平梁に高強度鉄筋および高強度コンクリートを用いる。
  2. 2本工法を免震構造や他の耐震要素(耐力壁など)と組み合わせる。
  3. 3構造設計の際に、柱幅からはみ出した部分の梁を介して柱に伝達する力を適切に評価する。

なお、本工法は、構造実験による検証結果をもとに、高強度扁平梁の設計法を取りまとめ、一般財団法人 日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第18-06号)を取得しています。

構造実験状況

本工法は、室内空間を最大限に利用しながらも建物高さを低減したい集合住宅や、天井に設備配管などが多く配置される医療施設などにおいて特に効果を発揮します。当社は今後、これらの用途の物件を中心に本工法を積極的に展開し、お客様に開放的な空間を提供いたします。

関連する実績

論文
特許・認定・認証

建築技術性能証明 (GBRC、2018)