開削・造成技術 盛土速度の見える化システム

概要

軟弱地盤上に盛土を急速に施工すると、盛土および基礎地盤のすべりや変形による崩壊のリスクが懸念されます。その対策として緩速載荷工法が用いられ、あらかじめ定めた盛土速度(盛土厚/経過日数)を超えないように、1層の盛土完了後、所定の放置期間をとって次段階の盛土を開始する必要があります。
本システムは、ICT土工の「GNSS盛土転圧管理システム」で得られる転圧機械の3次元走行記録を活用し、所定の盛土の放置期間が終了して次段階盛土の施工が可能となる範囲について盛り立て状況の3次元モデルとグラフを自動で作成するシステムです。

盛土速度の見える化システム

メリット

  • 盛土の施工可能箇所を自動で判別できます。
  • 適正な放置期間の見える化で施工ミスが回避できます。
  • 大規模な施工範囲の盛土データを現場職員が入力する手間が省けるため、施工管理の省力化・効率化が可能です。

特徴

3次元走行記録を自動計測し、管理データを作成

盛土の締固め管理に採用しているGNSS盛土転圧管理システムから得られる転圧機械の3次元走行記録から、盛土の施工日、施工範囲、盛土厚の情報を取得します。そして、各管理ブロック(下図のNo.1、No.2…)の盛土速度を自動演算し、あらかじめ規定した設計盛土速度と比較して次段階盛土の可・不可を判断します。判断した結果を色別表示し、盛土が可能な管理ブロックと不可能な管理ブロックを見える化します。

【ICTの活用によりグラフを自動で作成】

緩速載荷工法の管理グラフ
(次段階盛土の可・不可を判断)
システムモニター画面
(盛土施工可能箇所を色別表示で見える化)