開削・造成技術 ハイグリップグラウト工法

概要

ハイグリップグラウト工法は、地山パッカ方式の薬液注入工法の課題であった「地山パッカ周りからの薬液の漏れ出し」と「薬液の浸透源である孔壁崩壊による薬液の注入阻害」を防止するために、「地山との密着性の高い地山パッカ(ハイグリップパッカ)」と「孔壁保護と薬液浸透面確保を両立する特殊シール材」を開発することで、施工時の注入ロスを低減し、注入効率を高めた新たな工法です。

  • ハイグリップグラウト工法は、岐阜大学監修のもと太洋基礎工業株式会社、富士化学株式会社との共同開発です。

メリット

  • 孔壁崩壊を防止しながら、薬液注入時に十分な浸透面積の確保が可能となりました。
  • 袋体パッカと地山との密着性を高め、孔穴からの薬液の漏れ出しを防止します。
  • 袋体パッカの耐圧性能が従来の2倍程度まで向上し、高水圧での注入が可能となりました。
  • 薬液吐出口の増設により、広範囲で均一な薬液注入が可能となりました。

特徴

地山との密着性の高い地山パッカ(ハイグリップパッカ)

ハイグリップパッカは、布製パッカの内側に高い伸縮性のゴム製パッカを装着した二重構造となっており、充填材の漏洩による地山パッカの収縮を抑制し、削孔後の孔壁と地山パッカの密着性の向上を図っています。また、地山パッカの拡大を確実に行うことができます。

ハイグリップパッカ模型

孔壁保護と薬液浸透面確保を両立する特殊シール材

特殊シール材は、削孔時は孔壁崩壊を防止しつつ薬液(特殊シリカ液)と反応することで流動化します。これにより、削孔時は特殊シール材により上下の地山パッカで仕切られた浸透空間の孔壁を保護し、薬液注入時には特殊シール材が流動化することで大きな浸透面積を確保することができ、地山へ作用する注入圧力が低減します。

特殊シール材の流動化 ※薬液は蛍光塗料により着色
関連する実績
  • 現場実証試験済み
リリース
論文
受賞・技術登録

NETIS登録(平成30年、登録番号:CB-180028-A)