開削・造成技術 AWARD-Sapli工法

概要

AWARD-Sapli(アワード・サプリ)工法は、場所打ち杭工事などの安定液掘削工事において従来のベントナイト系安定液の代わりに、高吸水性ポリマー安定液(サプリ安定液)を用いて掘削地盤の安定性を確保する技術です。サプリ安定液は高吸水性ポリマー材GEOSAP(ジオサップ)を吸水膨張させた粘性を有する安定液です。
従来のベントナイト系安定液を用いた掘削工法と比べて、優れた孔壁安定性、杭体の品質向上と出来形の確保が図れ、産業廃棄物の減量化が期待できる環境配慮型の安定液掘削工法と言えます。

  • AWARD-Sapli工法は、学校法人早稲田大学、有限会社マグマとの産学共同開発です。
孔壁の難透水層形成のイメージ
高吸水性ポリマー材(GEOSAP)
サプリ安定液の配合例
サプリ安定液の性状

メリット

  • 孔壁の崩壊が生じやすい透水性の高い砂質地盤においても孔壁の安定性が図れます。
  • 安定液の劣化が生じやすい細粒分の多い粘性土地盤においてもコンクリート杭の品質への影響を抑制できます。
  • 使用後の安定液は水と泥土に分離することで産廃処分量の減量化を図れます。
  • 少ない材料使用量で掘削性能を確保でき、産廃処分費の低減によりコスト縮減が図れます。

特徴

優れた孔壁安定性

サプリ安定液は透水性の高い地盤でも難透水層を形成し、孔壁安定性を確保します。

遮水性能確認試験結果

杭の出来形・品質の確保

サプリ安定液は安定液中の粘土分が増加しても孔壁面の泥膜厚が厚くならないため、杭径の確保、周面摩擦力の向上が図れます。

泥膜厚の比較

作液の省力化

ベントナイト系安定液では水1m3当り30~50kgのベントナイトを添加するのに対して、サプリ安定液では高吸水性ポリマー材1kg前後の添加でベントナイト系安定液と同等の性能を確保することができます。

産廃処分量の低減

ベントナイトを使用しないため掘削土の処理・再利用が容易となります。また、使用後のサプリ安定液は分離剤を添加することで、水と泥土に分離でき、産廃処分量を減量化することができます。

泥土の沈降イメージ
関連する実績
  • 公共施設整備新川崎側ペデストリアンデッキ工事
  • 阪神本線鳴尾駅付近連続立体交差工事2工区
  • 埼玉県魚市場物流センター新築工事 他
論文
受賞・技術登録

東京都新技術情報データベース(2017年7月、登録番号1701004)

平成30年度エンジニアリング功労者賞受賞