山岳トンネル技術 EG-Sliter

概要

割岩工法概要

本工法は、山岳トンネルで発破を用いない、低騒音・低振動のトンネル掘削工法です。切羽岩盤に自由面や単独孔(割岩孔)を削孔し、これらを破砕の開始点あるいはガイド(パイロット孔)として切羽岩盤から岩を順次切り出します。
EG-Slitterは、下記の割岩工法の工程1~4のうち、特に1、2を行う技術です。

  1. 1自由面形成:連続孔により岩を起こす余地を作る。
  2. 2割岩孔削孔:一次破砕を行うための割岩装置を挿入する孔をつくる。
  3. 3一次破砕:油圧くさびや静的破砕剤等で岩を起こす。
  4. 4二次破砕:ブレーカで岩を細砕する。
割岩工法による切羽での施工概要

EG-Slitter概要

本工法は、伸縮自在のガイド管を用いた単一孔連続方式を採用し、トンネル工事用のドリルジャンボに簡易に装備できるアタッチメント方式となっています。

EG-Slitterの構成
ドリルジャンボへのEG-Slitterの装着

メリット

発破工法が使えない以下のような場合に有効です

  • 坑口周辺に民家がある場合
  • 重要構造物との近接工事
  • トンネル坑口周辺の落石対策
  • リニューアルを目的としたトンネル拡大工法

特徴

EG-Slitterの特徴

  • 専用機械を必要としません
    ドリルジャンボに専用装置を装着します。
  • 高剛性ロッドにより直進性を確保します
    パイロット孔への孔曲がりを防止します。
  • ガイド管長が短い
    パイロット孔への挿入時のトラブルを軽減するとともに削孔時のくり粉の排出が容易です。
  • 伸縮機能を備えたガイド管の使用
    パイロット孔・割岩(単独)孔削孔時にガイド管を取り外す必要がなく作業効率が向上します。
  • 部材の損耗率が小さい

自由面形成手順

  1. 1パイロット孔・割岩孔の削孔
  2. 2隣接孔の削孔

単独孔(パイロット孔)にガイド管を挿入し、装置全体を固定させた状態で孔断面の一部がパイロット孔と重複する隣接孔を削孔します。

自由面形成方法
関連する実績
  • 平成18年3月日本建設機械化協会から審査証明を取得