山岳トンネル技術 山岳トンネルの新しい脚部補強工「NT-Support」

概要

山岳トンネルの脚部補強工として、従来技術の安全性や運用性を改善し、汎用性が高く、さらに経済的な脚部補強技術です。

従来技術においては、トンネル脚部の左右の地山を拡幅するために施工の安全性が問題となるばかりでなく、あらかじめ工場で補強支保工を製作しておく必要があり、緊急時の対応が間に合わないなどの運用面も課題となっていました。

メリット

山岳トンネルの地質不良箇所で問題となる支保工脚部沈下を、従来方式に比べて安全性(余掘りが不要)や作業性を含めた施工上の制約も少なく、地表面沈下等の最大の原因となる施工初期段階の支保工沈下を抑制します。

特徴

「NT-Support」は、トンネル軸方向に接地面積を確保した脚部ベースプレートと、鋼製支保工に取り付けたウィングプレートで構成され、鋼製支保工の軸力を分散させて支保工の初期の沈下を防止します。その際、必要に応じて、支保工下部を鉛直方向にジャッキアップして地山にプレロードを作用させたり、ウィングプレートと一体化したサイドパネル(ボルト)を打設して、沈下防止効果を高めます。 本工法の特徴を列記すると以下のとおりです。

  1. 1従来のウィングリブ方式やインナーリブ方式に比べて安全性(余掘りが不要)や作業性(接地が容易、掘削の邪魔にならない)が向上する。
  2. 2地表面沈下等の最大の原因となる施工初期段階の支保工沈下を確実に抑制でき、脚部補強技術としての実効性に優れる。
  3. 3治具類を別途準備しておけば、予期せぬ地山不良部の遭遇に対しても遅延無く沈下対策を実施できる。
  4. 4脚部ベースプレートによる接地圧の分散、プレロード、サイドパイルの複合技術のため、地山状況に応じた段階的な対応が可能である。
  5. 51脚当たりの材料費は従来の脚部補強技術に比べて60~80%となり、脚部ベースプレート等、転用できる部材が多く、経済性に優れる。