山岳トンネル技術 TD-Green

概要

トンネル坑内の粉じん濃度やメタンガス等の有害ガス濃度、坑内の風速や温度等の各種坑内環境に関するデータを坑内に設置したセンサーによって自動計測し、あらかじめ設定した基準値の範囲内に換気設備類を自動制御する技術です。本技術により、坑内作業員の労働環境の常時改善や管理作業の効率化さらには消費電力の最小化を行うことができます。

システム全体図

メリット

  • 坑内環境項目の任意設定:環境管理項目として、粉じん濃度、坑内風速、坑内温度、メタン等の有害ガス、坑外へ漏出する浮遊粒子状物質など、坑内環境の管理として必要な項目を任意に設定することが可能です。
  • 坑内環境項目の計測と制御の自動化:環境管理項目に対応した計測機器を坑内各所(切羽付近や坑口付近など)に設置し、自動計測を行います。計測した値があらかじめ設定した基準値の範囲内になるように、送風機や集塵機等を設定した数段階のレベルに自動稼働させることで坑内環境を制御します。
  • 坑内環境の一元管理:環境管理項目の計測や換気装置等の運転はすべて一元化された自動制御により、迅速な対応とすることで坑内環境悪化を回避し、日常管理業務の効率化を図ることができます。
  • 坑内環境のリアルタイムモニタリング:坑内環境の状況は、現場事務所や本支店およびシステムメーカーでモニタリング可能なため、情報を共有することができます。
  • 本システムの適用によって、坑内作業員の労働環境の常時改善や職員の管理業務の効率化、消費電力の低減や健康リスク軽減も行うことができます。

特徴

計測機器・換気機器配置計画と稼働状況

当社適用現場における計測機器と換気機器の配置図ならびに稼働状況を示します。

測定機器・換気機器配置図
集塵機自動稼働状況
送風機自動稼働状況(夏期)
送風機自動稼働状況(冬期)
自動計測状況(計測機器全景)
一元管理PC操作状況
PC画面

適用現場における環境管理項目測定結果とシステム機器稼働状況

適用現場にて得られた1サイクルの管理データの代表例を管理項目別に以下に示します。

集塵機・送風機運転状態経時変化図
粉じん濃度経時変化図(切羽・切羽後方)
一酸化炭素(CO)濃度経時変化図
坑内風速経時変化図
坑内温度・外気温経時変化図
坑外粉じん濃度経時変化図

以上より、坑内環境管理項目をはじめ、国立公園特別保護地区内での坑外漏出粉じんを抑制することができました。また、換気設備を従来どおりの手動切替え運転と比較して換気設備の消費電力量(CO2排出量)を2/3に抑制することができました。