山岳トンネル技術 TDEM探査法 - トンネル地質調査
概要
- トンネル掘進断面に存在する軟弱な粘土化帯、水分を多く含む湧水帯、破砕帯などを地表から判別する探査法です。
- 弾性波探査で判別しにくいブラインドレイヤー(硬い岩盤の下に軟岩など弾性波速度の低い層が存在する地層)も探査できます。
- 送信ループの大きさや電流値、データ解析手法の工夫などを行い、精度を向上させています。
- 従来の探査法では地下100m程度迄ですが、TDEMでは地下700mまで探査できます。

メリット
弾性波探査では捉えられない地質状況が探査できます。

- 地質急変箇所(断層破砕帯、熱水変質帯)の位置・規模
- 地層境界
- 地下水の状況
- 上層が硬岩、下層が軟岩である地質構造(ブラインド・レイヤー)の探査
- 地下700mまで探査可能
特徴
探査方法
地表に設置した数m~100mの送信ループに断続電流を流すことによって生じる磁場の変化を、センサとレシーバーでとらえ、地下の比抵抗値を測定します。


比抵抗値と地山の関連性
地下に帯水層や断層破砕帯等などの脆弱層があれば、比抵抗値が低くなります。
地山比抵抗の影響因子 | 比抵抗値 | 予想される地山状況 | |
---|---|---|---|
粘土鉱物の含有量 | 大 | 小 | 変質帯、断層 |
飽和度 | 大 | 小 | 地下水、湧水 |
水分含有量 | 大 | 小 | 破砕帯、湧水 |
温度 | 高 | 小 | 高温岩盤 |
間隙水の比抵抗 | 小 | 小 | 塩水、海水 |

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