山岳トンネル技術 WALKミスト工法

概要

山岳トンネルの覆工コンクリートは、供用後の補修が困難なため高い耐久性が求められますが、脱型後はコンクリート露出面から水分が逸散しひび割れが生じやすい構造物です。これを防ぐには湿潤養生が必要ですが、設備が巨大化し高コストとなることが問題になっていました。そこで当社は、(株)マシノと共同で簡易な設備で湿潤効果の高い「WALKミスト工法(自動走行型全周ミスト噴霧工法)」を開発しました。本工法は、(株)マシノ製の「トンネルミスト(NETIS No.CG-080012-VE)」を基本構造として、任意に設定した区間のレール上を、ミスト噴霧ノズル等を装備した可動装置が自動で反復走行しながら覆工コンクリート全周に長期間ミストを噴霧する、コスト面でも優れた工法です。

WALKミスト工法のイメージ

メリット

  • 簡易な低コストの設備で覆工コンクリート全周を長期間湿潤状態に維持できます。
  • 任意区間を何回でも自動往復させられるため、養生作業を省人化できます。
  • 可動装置に緊急ストップ装置を装備しているため、無人で安全に走行させることができます。
  • NETIS登録(No.CG-180006-A)された新技術です。

特徴

(1)湿潤性

トンネル形状に合わせて、アーチ状フレームに一定間隔で取り付けられたミスト噴霧ノズル(噴霧広角約90°)により、覆工コンクリート全周をむらなく湿潤化します。ミスト用の水は可動装置に装備した水タンクから供給します。

(2)走行性

レール端部にリミットスイッチを設置し、可動装置が走行中にリミットスイッチに接触すると、走行方向を反転する仕組みになっています。これにより、任意に設定した一定区間(最長12スパン、約130m)を何回でも自動往復させられます。可動装置の走行速度は調整可能ですが、約5m/分を推奨しています。

(3)安全性

物体や人が走行中の可動装置に一定距離まで近づいた場合は、可動装置の前後に装備した緊急ストップ装置が感知し、本体を自動停止させます。

WALKミスト工法の装置のしくみ
関連する実績
  • 熊本県 国道445号27年発生道路災害復旧(瀬目トンネル)工事