山岳トンネル技術 ジュウテンミエルカ®
概要
山岳トンネルの覆工コンクリート天端部はセントルの検査窓を閉じた後に吹上げ打設を行うことから、コンクリートの充填・締固め状況の目視確認が困難でした。このため、天端部背面の空洞発生や締固め不足が懸念されていました。そこで、当社はムネカタインダストリアルマシナリー(株)と共同で、天端部背面の防水シートに貼り付けて使用する超薄型シート状センサ「ジュウテンミエルカ®」を開発しました。大きな特長は、超薄型で可とう性を有し、広範囲の充填・締固め状況をまとめて監視できることにあります。これにより、打設状況の見える化を実現します。

販売店
ムネカタインダストリアルマシナリー株式会社
〒960-8157 福島県福島市蓬莱町一丁目11番1号
メリット
- 超薄型(厚さ1㎜未満)のため、コンクリートの断面欠損がほとんどありません。
- 広範囲のコンクリート充填・締固め状況をリアルタイムに監視できます。
- 1点ずつ貼り付ける従来のセンサに比べて、センサ設置作業を大幅に省力化できます。
- NETIS登録(充填検知用:No.TH-180010-A)された新技術です。
特徴
(1)センサ構造
コンクリートと接する側に充填検知部、接着側に締固め検知部を配置しています。充填検知部では、接触した物質の電気特性で空気、ブリーディング水、またはコンクリートの種別を判定します。締固め検知部では、バイブレータの振動を検知し、締固め程度を判定します。両検知部ともに1枚のシート基材に最大11カ所配置できます。用途に応じて充填検知部のみ配置したモデル、両検知部を配置したモデルの2種類を用意しています。

(2)センサ設置例
覆工コンクリートの打設スパン全長にわたって、天端部背面の防水シートにセンサを貼り付けます。

(3)データレコーダー
充填・締固め状況はデータレコーダーのモニタで確認します。充填中は各検知部番号で青色セルが1つのとき空気、2つのときブリーディング水、3つのときコンクリートが接触していることを表します。締固め中は各検知部番号の3つの青色セルが黄色に変わったとき締固め途中、緑色に変わったとき締固め完了を表します。

(4)データ出力例
監視結果は、USBメモリにCSV形式で出力可能です。

論文
- 超薄型センサを用いた覆工コンクリート天端部の面的な充填・締固め判定手法の開発、土木学会第72回年次学術講演会(2017年9月)
- 覆工コンクリートの打設状況を可視化するセンサ「ジュウテンミエルカ®」の開発、電力土木7月号、No.396、pp.99-101(2018年7月)
- 覆工コンクリート天端用超薄型シート状センサの実用化、土木学会第73回年次学術講演会(2018年8月)
- コンクリートの充填・締固めを検知する超薄型シート状センサの開発(2017年度)(PDF:798KB)