安全を確保する補強技術 鋼管コッター+アドバンス制震システム
概要
地震エネルギーを効率良く吸収する制震ブレースを用いる制震工法です。特殊形状ブレースの変位・速度増幅機構がダンパーの性能を最大限に引き出します。
ブレースの設置数を少なく出来るため、短工期での施工が可能です。接合部には従来のあと施工アンカーに替わって鋼管コッター工法を使用する低騒音・低振動・少粉塵の環境配慮型工法であり、建物を使用しながら耐震補強工事をすることが可能です。
メリット
- 建物を使用しながら低騒音・低振動・少粉塵で接合部の施工が可能です。
- 地震エネルギーを効率良く吸収し、建物の減衰性能を向上します。
- 靭性のある中高層の建物においては、補強構面数が減り、工期・コストを低減することが可能です。
- 大地震後も取り替える必要が無く、余震にも安全に対応できます。
特徴
アドバンス制震システムは、建物の揺れを抑えるために設置するオイルダンパーと、その変形を増幅する特殊形状のブレースから構成されます。建物が地震などにより変形すると、特殊形状ブレースの増幅機構によって建物の層間変形・速度よりも大きな変位・速度をオイルダンパーに作用させ、地震などのエネルギーを効率よく吸収して建物の減衰性能※2を向上させます。
制震ブレースと既存建物との接合部には鋼管コッター工法を採用し、低騒音・低振動・少粉塵での施工が可能です。接合部には高靭性※3モルタルを充填することで、接合部の補強筋を省略し、施工性を向上します。
- ※2建物の減衰性能:地震時のエネルギーを吸収して、地震終了時には振動を速やかに停止させる性能。
- ※3靱性:ねばり強さがあり、外力によって一気に破壊されにくい性質。
検討例
建物概要:SRC造7階建て事務所ビル
耐震性能目標:層間変形角1/150以下
ブレースの設置数を50%減らし、工期を20%短くすることができます。
- ※各建物により、設置量や工期などは異なります。
関連する実績
- 埼玉県第二庁舎(鋼管コッター+アドバンス制震システムは南北面の74面に採用)
特許・認定・認証
本工法は2009年1月17日に財団法人ベターリビングから鋼管コッターによる接合方法の追加として、「アドバンス制震システム(接合方法の追加)」の一般評定(CBL ID002-08 号)を取得しています。