シールド・推進技術 多分岐シールド工法

概要

多分岐シールド工法は、一本の本線シールド坑内から立坑を設置せず、複数のシールドトンネルを地中分岐して築造する工法です。
地上も津中も過密化する都市部において、これまで立坑が設置できないためにシールド工事を適用できなかったものが、本線シールド坑内から分岐することで、新たなシールドトンネルの構築が可能となります。
上・下水道、ガス、電力、通信、熱供給等のライフラインの整備や、地下河川、鉄道、道路トンネルにおける連絡通路の構築が、地上部を占有することなく実施することができます。

メリット

  • 分岐のための立坑が不要です。
  • 一本の本線シールドから複数のトンネルの分岐が可能で、多様な用途のトンネルを同時に計画できます。
  • 本線シールド工事と分岐シールド工事を並行して施工可能で、工事期間を短縮することができます。
  • 中間立坑を設置する場合に比べて工事費用を低減することができます。
  • 泥水式、泥土圧式のいずれの工法にも適用可能で、地盤に制約されません。

特徴

技術のポイント

  • 分岐シールドは、必要な数だけ施工することがでできます。
  • 本線シールド機のテール部鋼殻を二重にして、分岐箇所で内胴を残して本線を掘進します。
  • 分岐箇所のセグメントの外側に内胴が残っているのがポイントです。内胴で土水圧を支え、遮水しているため、分岐箇所に発進用開口付きのセグメントを組立てることができます。
  • 分岐シールド機を組立て、内胴を本線シー ルド機に収納して分岐シールドを発進させますが、この間は分岐シールドの切羽に充填材を注入しておきます。