シールド・推進技術 さくさくJAWS工法

概要

さくさくJAWS工法(Joint All Water Shutting)は、トンネルの外殻構造部に継手付き鋼殻の分割エレメントを順次掘削・連結した後に、鋼殻内にコンクリートを打設してトンネルの外殻構造部材を形成し、内部の地山を掘削除去することで地下構造物を構築する技術です。
周辺地盤への影響が少ない構築法であり、概ね延長100m程度のトンネルに適用できます。大規模な地下空間を構築する場合には、大型の掘削機の製作が不要なためコスト低減が図れます。特に地下水位以下での施工では、止水機能を有した継手構造を採用しているため、補助工法なしで地下水に対応した合理的な施工が可能となります。

外殻部先行構築トンネル

メリット

  • 密閉式掘削機によりスムーズな掘進を可能とし、地盤変状等を抑えることができます。
  • 止水機能を有した継手構造の採用により、地盤改良等の補助工法を必要最小限に抑え、工事費を削減するとともに、周辺環境に与える影響を抑制します。
  • 継手構造は、拘束ボルトの配置により応力伝達性能を高められる構造であるため、発生断面力に応じた鋼殻エレメントの構造を設計でき経済性が確保できるほか、継手部強度の向上により鋼殻エレメントの本体利用が可能となります。
  • JAWS継手による推進時継手抵抗力の低減により、長距離施工への適用性が向上します。
  • 継手内洗浄とモルタル充てんの施工性改善により、継手施工品質の向上が図れます。

特徴

  • さくさくJAWS工法とは、継手付きの鋼殻エレメントを推進工法にて設置し、エレメント内にコンクリートを打設して外殻躯体を先行構築後、内部を掘削してトンネルを構築する外殻先行型の非開削トンネル構築技術です。
非開削トンネル構造イメージ図
本体構造施工ステップ図
  • 鋼殻エレメント間を接続するために、鋼殻エレメントに継手が取り付けてあります。
鋼殻エレメント継手取付イメージ
  • 継手には凹継手と凸継手があり、先行エレメント側に取り付けた凹継手に、後行エレメント側の凸継手が嵌合することで接続されます。
  • JAWS継手は、従来の継手構造と比較して、凹継手内のクリアランスを大きくすることで、推進施工時の施工性が向上し、継手嵌合部へのモルタルの確実な充填により高い施工品質が確保できます。
JAWS継手構造図(凸凹嵌合イメージ)
  • 凹継手の開きを拘束ボルトで抑制し、継手部の応力伝達性能を高めて強度の増加を図っています。
  • 板バネ・シール材により推進施工中の止水性を確保し、推進完了後に継手内に高強度モルタルを充填することでさらに止水性が向上すると共に、凸凹継手間の力を確実に伝達できます。
  • 推進施工完了後に、鋼殻エレメント内および継手間に高流動コンクリートを充填します。これにより、鋼殻エレメントを本体利用し、本体構築施工の工期短縮が可能となります。
外殻覆工部構築イメージ図