シールド・推進技術 ハイグリップアンカーセグメント

概要

ハイグリップアンカーセグメントは、アンカー材と受け入れ部材から構成される単頭式アンカー継手(ハイグリップアンカー継手)をリング間に配置することで、シールドジャッキの押し込み力によってリング間の締結を可能としたシールドセグメントです。
ハイグリップアンカー継手は、受け入れ側の継手部材にあらかじめテーパーをつけて穿孔した孔の中に、スリットを入れた軸部材を挿入し、コーン部の楔作用によって先端部(短冊部)が拡張することで高い締結力が得られる継手です。

ハイグリップアンカーセグメント概要図

メリット

  • ワンタッチ継手構造であり、セグメント組立時間を短縮できます。
  • 強固な引抜き耐力を持つため、高い締結力が得られます。
  • 二次覆工省略型セグメントでありボルトボックスの充填が不要で内面の平滑性が高まります。
  • 継手金物がセグメント内面に露出しないので、防錆処理が不要です。
  • ボルトボックスの充填作業の省略による工期短縮、設備費等の低減により、コストの低減が期待できます。

特徴

アンカー継手の構成

  1. 1F側定着筋
  2. 2コーン
  3. 3軸部材(短冊部、ねじ切り部)
  4. 4M側定着筋
アンカー継手構造図

継手の特徴

  • 受け入れ側定着筋(F側定着筋)の先端はテーパー状に加工された受け入れ部を有しており、挿入時にコーンにより拡げられた軸部材の短冊部と噛み合うホールインアンカーと同様の原理となっています。
  • F側およびM側定着筋は、それぞれセグメント内に埋設した状態で、組立直前に軸部材とコーン部を設置するため、運搬中の破損・変形の恐れがありません。
  • 各種性能確認試験を実施し、高い強度性能と施工性を確認し、品質に万全を期しています。
  • 掘削土量やコンクリート量の低減が図られる二次覆工省略型に対応可能な継手です。

施工の手順

(1)セグメントに埋設されたM側定着筋に軸部材を接合し、短冊部にコーンを当てます。

継手嵌合イメージ図(嵌合前)

(2)セグメントをジャッキで押し込むことにより、F側定着筋内の受け入れ部にコーンと軸部材(短冊部)が挿入されます。

継手嵌合イメージ図(挿入時)

(3)コーンにより、短冊部の先端が開くことによって嵌合します。

継手嵌合イメージ図(嵌合時)
写真資料
関連する実績
  • 雨水幹線工事(双頭アンカーセグメント)