上部工構築技術 立体高架橋の急速構築技術「すいすいMOP工法」
概要
すいすいMOP(Module On Pier)工法は、都市部の交差点や踏切部などで発生している慢性的な交通渋滞を解消するため、短期間で立体高架橋をつくる技術です。
さらに、工事中の施工ヤードをコンパクト化することにより、工事中に発生する渋滞(二次渋滞)も大幅に緩和することができます。
- ※すいすいMOP工法は、エム・エムブリッジ株式会社との共同開発です。
メリット
- モジュール桁や上部工と下部工の同時施工技術の活用により、工期を短縮します。
- 工事中も滞留長の長い右折車線を確保できるため、二次渋滞を緩和します。
- 現有道路の一部を組立ヤードとして利用するため、組立用地を別途確保する必要がありません。
特徴
モジュール桁工法
モジュール桁工法は、橋桁(上部工)のコンパクト化技術であり、工場で製作した橋桁の張出しブラケットを折りたたんだ状態で組立・架設した後、張出しブラケットを所定の形状に展開し完成させるものです。この工法を活用することで、組立時の施工ヤードを大幅に縮小することができるため、現道の一部を利用することで橋桁の組立が可能となり、組立用地を別途確保する必要がなくなります。特に、交差点部においては、滞留長の長い右折車線の確保が可能となり、工事中の二次渋滞を緩和することができます。
また、移動多軸台車等による一括架設と組合わせることにより、橋桁架設の効率化が図れるため、工期も短縮することができます。
モジュール桁工法による張出しブラケットの展開
組立時
架設後(展開前)
展開後
張出しブラケット展開
橋脚柱先行建て込み工法
橋脚柱先行建て込み工法は、橋脚柱を直接接合する治具を各種基礎杭の頭部にセットすることで、「基礎杭の施工誤差の補正」と「橋脚柱の早期建て込み」を可能にする技術です。この工法を活用することで、フーチングコンクリートの後施工が可能となり、上部工と下部工を同時に施工することができるため、工期を短縮することができます。
STEP1
橋脚柱直下の基礎杭頭部に接合治具(PICO治具)を設置する。
STEP2
PICO治具に橋脚柱を接合し、架設時荷重を支持する。
STEP3
フーチングコンクリートの打込は、橋桁架設との同時施工が可能となる。
関連する実績
リリース
立体交差整備に新たな視点(2002年10月15日)
論文
- 立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」の開発、戸田建設技術研究報告第29号(2003年)
- 立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」の開発(その2)、戸田建設技術研究報告第31号(2005年)
- 立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」の開発、第25回日本道路会議(2003年)
- 立体交差急速施工技術「すいすいMOP工法」上部工施工試験、土木学会第59回年次学術講演、第6部門(2004年)
受賞・技術登録
平成20年度エンジニアリング功労者賞受賞
平成19年度土木学会技術開発賞受賞