INTERVIEW 01 技術研究所
社会基盤再生部
K.M

INTERVIEW 01 技術研究所社会基盤再生部 K.M

01 多様なコンクリート技術を開発。
建設業界の生産性向上を目指す

私が所属している社会基盤再生部では、土木工事の生産性や安全性の向上につながる技術開発、環境負荷を低減する材料開発などを行っています。

現在私が取り組んでいるのは、研究開発テーマやトンネルの覆工コンクリートの自動打設プロジェクト、国土強靱化プロジェクトなどがあります。現場を支援する業務も含め、土木工事の生産性や安全性を高め、コスト低減につながる材料や工法の開発などを行っています。

主要な研究の1つが、山岳トンネルで地山を安定させるために直接コンクリートを吹付けて施工する材料「吹付けコンクリート」の改良です。閉鎖されたトンネル内での作業は安全確保が特に重要です。

そこで、粉じんやリバウンドの発生を抑制するだけでなく、吹付けコンクリートの配合や急結剤添加率を調整し、吹付け直後の強度(初期強度)と、長期強度の向上などの技術開発に取り組み、トンネル施工現場の安全性や作業効率の向上を目指しています。

もう1つの主要な研究テーマが「環境配慮型コンクリート」の開発です。コンクリートの主要材料であるセメントの製造過程では、大量のCO₂が排出されるという環境課題があります。そこで、セメントの使用量を減らしつつ産業廃棄物を有効活用することで、CO₂排出量を大幅に低減する技術の現場適用を進めています。

さらに、CO₂を吸収・固定した材料を使用し、計算上CO₂排出量がゼロ以下となる「カーボンネガティブコンクリート」の開発にも挑戦しています。

構造物として求められる強度や品質は確保しながら、高い環境性能も実現する。この両立を目指して、日々研究を重ねています。

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02 材料メーカーでの経験を糧に、
広い視野で価値ある技術を追究

私は戸田建設に入社する前はコンクリート混和剤のメーカーで製品開発および現場支援業務に携わっていました。

土木分野におけるコンクリート開発の醍醐味は、現場の状況や施工方法に応じて多様な性能を求められる点にあります。流動性が高いもの、固まるまでの時間を調整、強度が高いものなど現場のニーズに合わせてさまざまなコンクリート開発に携われることに面白さを感じています。

メーカー時代は現場支援を通して材料を提案することがゴールでしたが、実際にそれを使う立場である戸田建設に移ってからは視野が大きく広がりました。開発したコンクリートや技術が現場でどのように役立つのか。工期短縮、コスト削減、安全性向上、完成した構造物の品質や美観といった「プロジェクト全体の価値にいかに貢献できるか」といった視点で考えるようになりました。

たとえば、ある大規模プロジェクトで工期短縮を求められた際には、特殊なコンクリートと工法を検討しました。その結果、作業の効率化とコンクリート構造物として求められる品質確保を図るとともに、躯体構築の工程を大幅に短縮することができました。これは、ゼネコンで研究開発に関わる立場だからこそできた挑戦でした。

もちろん、研究開発は平坦な道のりではありません。「こうすればうまくいくはず」と仮説を立てて実験しても、いざ試すとスケールや環境の違いから思い描いた通りにいかないこともあります。

だからこそ、失敗しても諦めず、「どうしたらできるか」を考え抜かなければなりません。また、研究は決して1人ではできません。社内外のさまざまな分野の専門家や現場で施工を担当する方と対話を重ね、知恵を借り、協力し合ってはじめて、新しい技術が生まれるのだと思います。

試行錯誤した研究開発の成果が実際の現場で採用され、お客様や社会の課題解決に貢献できたときは、研究者としての大きな喜びとやりがいを感じます。

03 「この技術があって良かった」と
言われる技術を開発したい

戸田建設はキャリア入社の社員であっても、大きなプロジェクトに挑戦するチャンスを与えてくれる会社です。意欲さえあれば、若手でもベテランでも、新しいことにどんどんチャレンジできます。

また、部署間の垣根が低く、専門分野を追究しながら、材料開発だけでなく施工方法の検討にまで深く関わることができる点も魅力です。こうした環境が多角的な視点と幅広い知識・経験の習得につながり、研究者としての成長を促してくれていると感じます。

入社前に抱いていた「独自の視点で新しいことに挑戦している会社」という戸田建設のイメージは、実際に中で働いてみて確信に変わりました。

これからの目標は、自分一人の満足にとどまらず、現場や社会のニーズに応え、さらに現場で当た前に使われる技術を開発することです。多くの人に必要とされ、認められる技術を生み出すために、これからも日々の研究開発に真摯に取り組んでいきたいです。

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