INTERVIEW 03 技術研究所
施工革新部
H.Y

INTERVIEW 01 技術研究所社会基盤再生部 K.M

01 安全性向上と省力化を目指し、
「鉄骨工事の自動化技術」を開発

施工革新部のミッションは、建設現場が直面する人手不足などの課題解決に向けて、安全性と生産性の向上を実現することです。施工の自動化や機械化につながる技術開発や、BIMのようなデジタルデータを活用した施工管理技術の開発など、その領域は多岐にわたっています。

私が主に取り組んでいる研究が「鉄骨工事の自動化」です。鉄骨建方作業はクレーンで吊り上げた鉄骨の柱や梁といった重量物を専門の作業員が高所で誘導し、組み上げていくため、常に危険がともないます。

現在開発中の「タワークレーン自動化技術」は、タワークレーンの遠隔操作を可能にする「タワークレーン3次元自動誘導システム」や、鉄骨部材の向き・姿勢を自動制御する「吊荷旋回制御装置」などを組み合わせた技術です。これにより、鉄骨建方作業を自動化することで、作業員の安全性を飛躍的に高めることができ、省力化にも大きく貢献できます。

完全な無人化への道のりはまだ長いものの、すでに一部の自動化技術は現場に導入され始めています。たとえば、2024年9月に竣工した戸田建設の本社ビル建て替えプロジェクトでは、施工革新部が開発したさまざまな技術が実際に活用されました。

自分が「こんな技術があれば現場で使えるのではないか」と考えたアイデアが、試行錯誤を経て形になり、実際に建設現場の課題解決に貢献している姿を見ると、大きな達成感を得られます。

INTERVIEW 01 技術研究所社会基盤再生部 K.M

02 現場と開発を結ぶ「つなぎ役」となり、
価値ある技術を生み出す

研究開発の道に進むきっかけとなったのは、大学4年で初めて査読付きの論文を書き上げた経験です。自ら課題を見つけて仮説を立て、実験を行って検証し、考察する。こうした論文執筆の流れを通して、自分の考えを形にして伝えるプロセスの面白さを感じ、研究開発職を志望するようになりました。

戸田建設への入社は、大学の研究室の先生に紹介してもらったのが縁です。大学での専門分野とは異なりましたが、「建設現場の無人化」という未知の領域への挑戦に魅力を感じ、飛び込むことを決めました。

研究開発の醍醐味は、やはり最先端の技術に常に触れられることです。日々進化する最先端の技術に触れ、それをどう建設現場に応用できるか考えるのは純粋にワクワクします。

もちろん、研究は試行錯誤の連続です。建設現場は屋外で天候に左右され、一つとして同じ条件の建物はありません。実験でうまくいった技術が、現場では想定どおりに動作しないこともあります。だからこそ、うまくいかなくても諦めず、「どうすれば実現できるか」を粘り強く考え抜くことが大切です。また、次々と新しい技術が出てくるので、常にアンテナを張って最新情報を手に入れ、学び続けなければなりません。

研究開発を進めるうえで常に意識しているのは、「技術を開発する側の視点」と「実際に使う現場の視点」の両方を理解し、「つなぎ役」として橋渡しをすることです。どんなに優れた技術でも現場のニーズに合っていなければ使われません。逆に、現場の要望だけを聞いていても、技術的な実現可能性を見極めなければ絵に描いた餅になってしまいます。双方の考えを理解し、対話を重ねてこそ、本当に価値のある技術が生まれると信じています。

03 挑戦を後押しする環境で、
建設現場の未来をつくっていく

現在開発している技術はいずれもすでに実用化が始まっていて、これからより多くの現場へ展開していく段階です。今後はさらに改良を重ね、より多くの現場で、より安全かつ効率的に活用できる技術へと進化させていきたいと考えています。個人的にはまず、「この技術は自分が形にした」と言えるような成果を出したいです。

こうした挑戦ができるのは、戸田建設ならではの環境があるからだと感じています。戸田建設は真面目で堅実な社風でありながら、新しい技術や異分野にも積極的に挑戦する柔軟性を持った会社です。大学などの研究機関や専門技術を持つスタートアップをはじめとした社外との連携も活発で、日々多くの刺激を受けながら研究開発に取り組むことができます。

建設業界の未来を見据えたとき、施工の自動化・機械化は避けては通れない道です。これは一朝一夕では実現できませんが、粘り強く研究開発を続け、自分の手で「建設現場の無人化」を実現したいと考えています。

建設現場の多くの作業が自動化され、人々がより安全で創造的な仕事に集中できる未来を、この手でつくっていきたいです。

挑戦を後押しする環境で、建設現場の未来をつくっていく