新着情報 非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」の適用範囲を拡大 繰り返し荷重を受ける鉄道直下等にも適用が可能に!

2023/03/23

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、建物や施設があることにより地上からの掘削が難しい地域に用いる外殻先行型の非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」※1のJAWS継手について、繰り返し荷重に対する耐疲労性※2を確認することにより、自動車や列車の走行等に伴って繰り返し荷重を受ける場所(鉄道直下等)への本工法の適用を可能としました(図1)。

  • ※1非開削トンネル構築技術「さくさくJAWS工法」を現場へ初適用

    https://www.toda.co.jp/news/2022/20220331_003034.html

  • ※2設計耐用期間中に生じるすべての作用の繰返しに対して、構造物が耐荷能力を保持することができる性能
    (引用:鉄道構造物等設計標準・同解説 鋼・合成構造物)
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図1 本工法の概要図

開発の背景

構造物の耐力は、頻繁に繰り返して荷重を受けることで大きく低下することがあります。このような現象を疲労といい、特に鉄道や道路直下の構造物においては、繰り返し荷重による疲労は自動車や列車が走行する限り必ず生じる現象であるため、耐疲労性は重要な構造性能の1つとされています。
本工法は、地上からの施工が制約される地域における大規模地下空間の構築に優れた工法ですが、上述したような繰り返し荷重を受ける場所へ適用するためには、外殻構造体の連結に用いられるJAWS継手の耐疲労性を確認する必要がありました。

JAWS継手の耐疲労性の確認

JAWS継手の耐疲労性を確認するため、上方向への引張りを繰り返して試験体に荷重を与える引張疲労試験を実施しました(写真1)。
実施工と同じく、写真2のように凹継手と凸継手を嵌合させた状態でモルタルを充填したものを試験体として、繰り返し荷重の大きさを変化させて試験体の破壊状況を確認しました。
この試験でJAWS継手の耐疲労性を確認でき、耐疲労性の照査設計の基準となる結果(疲労設計曲線)を得たことで、安全性の評価ができるようになり、繰り返し荷重を受ける場所への本工法の適用が可能となりました。

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写真1 引張疲労試験状況
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写真2 JAWS継手試験体

今後の展望

当社は、本工法をこれまで適用できなかった鉄道や道路直下にも適用可能としたことで、今後はより多くの物件に積極的に提案して、都心部の地下空間を中心とした国土の有効利用の促進に貢献してまいります。