新着情報 ロボットとヒトのエレベーター同乗連携等に関する実証実験を実施 「ロボットフレンドリービルディングデザイン」構築を推進

2023/04/07

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、(株)ZMP(本社:東京都文京区、社長:谷口 恒、以下「ZMP」)、(株)日立ビルシステム(本社:東京都千代田区、社長:光冨 眞哉、以下「日立ビルシステム」)と、(一社)ロボットフレンドリー施設推進機構(Robot Friendly Asset Promotion Association 以下、RFA)※1が推進するロボットフレンドリーな環境(以下「ロボフレ環境」)の実現※2に貢献するために、当社が開発した無線LAN環境構築技術である「ウェーブガイドLANシステム」※3を活用し、当社筑波技術研究所にて、サービスロボットとヒトの同乗連携及び屋外から建物内への配達に関する複合実証実験を行い、一定の成果を確認しました。

  • ※1 あらゆるタイプの施設においてロボットの導入を実現するため、ロボットフレンドリーな環境の構築を支援する 団体。

    https://robot-friendly.org/

  • ※2ロボットの導入にあたり、ユーザー側の業務プロセスや施設環境をロボット導入しやすい環境へと変革するこ と。
  • ※3超高層ビル建設現場に安定した通信ネットワークを構築

    https://www.toda.co.jp/news/2020/20200731_002763.html

当社開発技術

当社が開発した技術である「ウェーブガイドLANシステム」は、エレベーター筐内に安定したWi-Fi電波環境を構築することが可能です。これによりサービスロボットは、エレベーター内においても、Wi-Fi電波を通じて制御されるため、ヒトと安全に同乗することが可能です。建物全体でシームレスなWi-Fi電波環境を整えることで、場所や時間を問わずロボットとヒトの共存が可能となり、ロボフレ環境の様々な可能性が広がります。

実験概要

本実験では、ZMP社製の宅配ロボット「DeliRo®(デリロ®)」を用いて、屋外から建物内へ配達を行いました。当社筑波研究所本館棟前で荷物を預かった「デリロ」は、敷地内道路を走り、別棟に入り、日立ビルシステム社製のエレベーターにヒトと同乗し、Wi-Fi電波環境を通じた遠隔監視のもと、3階へ安全に移動し、同階オフィスへ荷物を配達しました。また、災害時対応の実験として、地震・火災・停電・ロボット故障時での「デリロ」とエレベーターとの連携も確認しました。

「ウェーブガイドLANシステム」を活用して構築したシームレスなWi-Fi電波環境の元、ロボットが屋外から建物内の3Fオフィスに、ヒトとエレベーターに同乗して、荷物を配達することが確認できたことは、この技術が建物内のロボフレ環境構築に大きく貢献できると考えています。また、今回は既設の汎用エレベーターにおける実験成果であり、ロボフレ環境構築では新築のみならず改修工事需要にも対応できることも確認されました。

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写真1 「デリロ」とヒトのエレベーター同乗の様子
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写真2 屋外から3Fオフィスに直接配達に向かう「デリロ」

今後の展望

当社は、近い将来におけるロボット社会の到来に備え、ロボットとヒトの最適な共生空間を創造する「ロボットフレンドリービルディングデザイン」の構築を推進していきます。

【当社が考える「ロボットフレンドリービルディングデザイン」】
  1. 1建物垂直方向のロボットとヒトの共生
  2. 2水平方向のロボットとヒトの共生
  3. 3エレベーター会社とのロボット連携ネットワーク構築
  4. 4複数のロボットをコントロールする群管理システム構築
  5. 5ロボット会社とのネットワーク構築

当社ではすでにすべての項目についての基本的なビジネスデザインを完成させ、実証実験のフェーズにきています。今回は①の深化を進めるものになります。

本実証実験を通じて得た知見を活かし、「ロボットフレンドリービルディングデザイン」構築に向けて更なる努力を重ねて参ります。

今回の実証実験における各社の役割

当社: 本実証実験の企画立案及び全体のとりまとめ。実験施設の提供。
ZMP社: 宅配ロボット「DeliRo®(デリロ®)」及び『ROBO-HI®(ロボハイ®)』(ロボットマネジメントプラットフォーム)の提供及び開発。
実験施設のマッピング化。
日立ビルシステム社: エレベーターの改修。