新着情報 凍結杭頭処理工法が国土交通省発注工事の指定工法として採用されました 静的破砕による凍結杭頭処理工法「しずかちゃん®」
2023/09/25
このたび、戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と(株)精研(本社:大阪府大阪市、社長:辻 武寿)で共同開発した、静的破砕による凍結杭頭処理工法「しずかちゃん®※1 ※2」(以下、本工法)が、国土交通省が提示する新技術活用工事となっている橋台工事(以下、本工事)の、指定工法として採用されました。
本工法は、水が凍結するときの膨張力を利用してコンクリ-トを破砕することで、騒音や粉じんの課題を解決するため「場所打ち杭工の杭頭処理における環境対策向上に資する技術」として採用されたものです。
- ※1静的破砕による凍結杭頭処理工法「しずかちゃん®」の外販事業を開始:https://www.toda.co.jp/news/2022/20220215_003015.html
- ※2工法紹介ホームページ:https://www.shizukachan.com/
採用の背景
場所打ち杭余盛り部は、ハンドブレーカーにより解体することが一般的に行われているため、作業時の騒音や粉じんにより、工事現場周辺にご迷惑をおかけする要因となっています。本工事も、周辺に住宅や教育施設が立ち並び、環境への配慮が必要であったために、騒音や粉じんの発生源となる作業を約9割削減できる本工法が、橋梁構造物の基礎となる場所打ち杭の杭頭処理工法として採用されました。
工法の特長
本工法は、水が氷になる際に膨張する力を利用して、コンクリート構造物に亀裂を発生させ解体する技術です。技術開発した凍結管を、杭のコンクリート打設前にあらかじめ設置しておき、所定のコンクリート養生期間後に、凍結管内に封入してある水を液化窒素により凍結させることで、凍結管の設置面に亀裂を発生させ余盛り部と杭本体の縁を切り、最後に揚重機で引き抜くことで杭頭処理を行います。
- 杭頭部においての斫り作業が、従来工法の1割程度で済むため、騒音・粉じんの発生が少ない
- 適用実績は、最大杭径2,600mm
- 破壊実績は、コンクリート強度90N/mm2で、高強度コンクリートにも適用可能
- NETIS登録済み(QS-210033-A)
当工事への適用結果
今回は、杭10本(直径1,200mm)の余盛りコンクリ-トの揚重撤去を約5時間で完了しました(写真1)。斫り作業は、破砕面の仕上げ斫り程度で済み、周辺環境への配慮だけでなく、作業員の労働環境改善にも大きく貢献しています。
今後の展開
本工法は、東京都建設局が実施している「新技術情報データベース NeTIDa※3」にも、2023年3月に登録されました。都心部の工事はもとより、周辺環境への配慮が必要な工事、生産性の向上が必要な工事などへ、社外展開すべく情報発信してまいります。ご採用や工法については、「しずかちゃん®ホームページ」よりお問合せ下さい。
- ※3「新技術情報データベース NeTIDa」ホームページ:https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/tech/shingijutsu/index.html