開削・造成技術 さくさくSLIT工法

概要

さくさくSLIT工法(Structuring of Lower Under-ground by Industrial Technologies)は、プレキャスト部材を用いた逆巻き工法を基本とし、仮設土留機能を兼ねる側壁部材を構築後に、プレキャスト頂版を架設し、早期に地上部を完成させた後、内部を掘削・構築する開削地下構造物の急速構築技術です。
仮設土留工の省略などによる工期短縮・コスト削減や頂版部材の先行構築により、地上部を早期に開放できます。

  • さくさくSLIT工法は、ジオスター株式会社との共同開発です。
「さくさくSLIT 工法」の構造イメージ

メリット

  • プレキャスト部材の使用や仮設土留工の省略等により、従来技術の約2/3に工期を短縮できます。
  • 頂版部材を内部の掘削・構築前に先行架設することにより、上部用地の開放を従来技術の約1/3に短縮できるため、周辺環境への影響を最小限に抑制できます。
  • 仮設土留工が省略できるため、仮設土留めに要する用地が不要で、施工に必要な上部用地幅を縮小できます。
  • プレキャスト部材の使用により、高品質の躯体を提供できます。
  • 仮設土留工が省略できるので、仮設工事費を大幅に削減できるため、コスト削減が図れます。

特徴

施工の合理化
本体部材が施工時の土留め部材(側壁部材)や支保部材(頂版部材)を兼用しているため、施工の合理化が図れます。
構造の合理化
プレキャスト部材である必要がない側壁部材の根入れ部は、側壁プレキャスト部材とボルトで一体化するH鋼を使用することで、運搬性や経済性を追求できます。
各部材間の鉄筋は、機械式継手により、剛結接合とし、従来の現場打ちRC躯体と同様の躯体剛性を確保することで、部材断面の経済性を実現します。
周辺環境への影響抑制
プレキャスト部材を使用する他、仮設の土留工を省略することで、工期短縮や上部用地幅の縮小が可能です。
また、頂版部材を内部構築より先に、先行架設することで、上部の用地を早期に開放でき、周辺環境への影響を最小限に抑制できます。

施工手順

  1. 1側壁部材の建込
    TRD工法等により地山掘削を行った後、土留め機能を有した側壁部材(上部:プレキャスト部材、下部:H形鋼)を建込みます。
  2. 2頂版部材の先行架設
    内部掘削・構築を施工する前に、建込んだ側壁部材の上部に、支保機能を有した頂版部材を先行架設し、接合します。
  3. 3上部埋戻・内部掘削
    上部を埋戻すことで、工事期間中でも、上部を開放でき、周辺環境への影響を最小限に抑制できます。
  4. 4底版構築・完成
    内部掘削・床付け、配筋後、底版コンクリートを打設し、トンネルを完成させます。
関連する実績
  • さくさくSLIT工法施工性確認試験(2008年5月)
論文
受賞・技術登録

NETIS登録(2009年、登録番号:KT-090014)