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タワークレーン3次元自動誘導システムの操作性が向上!
5G活用を視野に新たな現場内無線通信環境を構築

2021/03/11

戸田建設株式会社(代表取締役社長:今井 雅則)は、建設業界で初めて、株式会社NTTドコモ(代表取締役社長:井伊 基之)(以下、ドコモ)と協同し、建設現場内で稼働中のタワークレーン(運転席)に携帯電話の音声通話とデータ通信が可能なネットワーク環境を構築しました。
本技術により、タワークレーンの膨大な稼働データの集約と解析時間の短縮が可能となり、当社が開発を進めるタワークレーン3次元自動誘導システム※1の操作性が大幅に向上します。将来的に第5世代移動通信システム(以下、5G)を活用することで、さらに操作性の良いシステムへの発展が期待できます。

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写真1 建設現場で稼働するタワークレーン

背景

タワークレーンの3次元自動誘導システムは、従来、手動で行っていたブームの起伏や旋回等の様々な操作を自動で行うもので、オペレータの負担軽減はもちろん、経験の少ないオペレータでも効率良くタワークレーンを操作することが可能となります。また、余分な電力の消費を抑え、作業所の省エネルギー化にも繋がります。
本システムを実現するためには、建設現場の遥か上空にある運転席に安定した通信環境を構築する必要がありますが、工事の進捗に伴いクライミングする(高さを変える)等の理由から、従来はタワークレーンに運転席専用の基地局が設けられることはありませんでした。

概要

本技術は、タワークレーンの下部フレームにドコモの電波照射用の無線機等およびアンテナを設置することで、運転席に携帯電話の音声通話とデータ通信が可能なネットワーク環境を構築するものです。クレーン稼働時の旋回を考慮し、下部フレームと運転席を無線接続とする一方、下部フレームまでを光回線(有線接続)としました。運転席で常に安定した通信環境が得られるため、クラウドにアップロードされた膨大な稼働データをリアルタイムに解析することで、タワークレーン3次元自動誘導システムの操作性が大幅に向上します。
また、下部フレームに設置したアンテナから建設中の建物内へ電波を供給することも可能です。実際に、超高層ビルの最上部(3フロア)において、携帯電話で安定した通話が可能となることを確認しました。当社の開発技術のひとつであるウェーブガイドLANシステムTM※2,3と併用することで、地上・地下にかかわらず、建設中の建物内に無線通信環境を構築することが可能となります。

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図1 構成図
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写真2 下部フレーム無線機等設置状況

今後の展開

当社は、本技術を用いて建設現場全体に安定した無線通信環境を構築し、タワークレーン3次元自動誘導システムを含めた様々な施工管理・自動化技術の現場適用・操作性向上を図ります。また、5Gを活用した「ドコモオープンイノベーションクラウド®」の導入により、建設現場の自動化・省力化をより一層進めます。

*「ドコモオープンイノベーションクラウド」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。