新着情報 AIが現場の「安全・品質意識の改革」をアシスト 社内に蓄積された過去の知見をAIが高度に分析、作業内容に応じた安全・品質の教訓を抽出
2026/07/22
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、(株)HACARUS(本社:京都市中京区、代表取締役CEO:染田 貴志)の支援を受け、社内に蓄積された膨大な安全・品質情報を生成AI(大規模言語モデル)を活用して検索・整理し、迅速に提示する安全・品管管理チャットボット(以下、本システム)を開発しました。
本システムは、現場職員が作業内容を入力するだけで、関連する過去の事故事例や対策を対話形式で要約・提示するものです。これにより、現場での安全意識改革と、全職員への実効性ある指導体制の強化を推進します。
開発背景
建設業界では、経験の浅い社員への技術や安全文化として、知識、教訓の継承が重要な課題となっています。当社ではこれまで、過去の災害事例やヒヤリハット情報をデータベース化してきましたが、多忙な現場において、経験の浅い社員が膨大なデータから「自身の担当する現場で何に注意すべきか」を検索・抽出するには手間と時間を要していました。この課題を解決するため、生成AI(RAG:検索拡張生成)を活用し、現場の状況に応じた過去の知見を「必要な時、即座に」提示する仕組みを構築しました。
これにより、社員が実際の現場で的確に安全ポイントを把握し、実務を通じて、知見を早期に蓄積していくことで、効率的な人材育成と安全水準の向上を実現します。
システムの開発概要と特徴
本システムは、社内の複数のシステムに分散して蓄積されていたデータを横断的に活用できるよう設計されています。

連携するシステム
以下に記載する3つのシステムと連携し、データを収集しています。
- 1安全ポータル※1:過去の災害事例や事故情報
- 2ヒヤリポ※2:現場で発生したヒヤリハット事例
- 3環境・品質管理システム:環境や品質に関するトラブル事例
- ※1建設工事現場向け災害情報管理システム(https://www.toda.co.jp/news/2020/20200730_002775.html)
- ※2現場でのヒヤリハット報告および建設業労働災害防止協会にて開発された新たな方式である新ヒヤリハット報告に対応したアプリケーション(https://www.toda.co.jp/news/2021/20211102_002987.html)
チャットボットの主な機能
利用者がその日の「作業内容」を対話形式で入力すると、AIが「安全ポータル」「ヒヤリポ」、「環境・品質管理システム」に登録されている過去事例から関連する事例を即座に特定し、整理された形式で回答を提供します。
具体的な回答項目は以下の通りです。
- 過去事例のタイトルおよび全体概要:該当する過去の災害や事故、不具合事例の要約を提示します。
- 要因の整理:発生した事象の背景を「人的要因」、「管理的要因」、「物・自然的要因」の3つの側面から分析し、整理して出力します。
- 処置・対策:発生時における「緩和処置」や、将来に向けた「再発防止策」を具体的に提示します。
- 参照元資料へのリンク:回答の根拠となる社内資料へのリンクを表示し、PDFファイルや当時の現場写真、図面データなどの詳細情報に直接アクセスできるようにしています。

今後の展開
本システムの開発を通じて、AIの実用化に向けた貴重な知見やノウハウを獲得するとともに、建設業特有の専門用語の検索において、更なる精度向上の必要性があることが分かりました。
今後は、本取り組みを足掛かりとして、課題に対応したより精度の高いシステムを内製化し、自社開発の「Toda-AI-Portal™」と連携して全社的な展開を進めてまいります。また、当社ではAI活用の全社標準化を推進しており、AIと社員の創造性や知見を組み合わせることで、安全・品質管理のさらなる高度化と労働災害の撲滅を目指します。
