ものづくりへの想い

安心・安全への取り組み

建設物のライフサイクルの各段階において、お客さまはもとより、広く社会にとって有用な技術とソリューションの開発、提供に努めています。

地震災害への備え

地震災害は、人々の生命を脅かすだけでなく、広範囲の建設物に多くの損害を与え、生活基盤に大きな影響を与えます。当社はさまざまな技術を活かし、建設物の安心・安全の向上に取り組んでいます。

在来工法天井の脱落防止対策用「天井耐震クリップ工法」の開発

天井耐震クリップ工法の構成

東日本大震災では、体育館、ショッピングセンター、生産工場などの大規模な空間において、建物本体への被害は少なかったものの天井など非構造部材に被害が集中しました。
建物を避難施設として利用する大規模空間建築物、生産施設の継続使用などでは天井の耐震対策は非常に重要なものとなります。現時点では、非構造部材について建築基準法には具体的な規定はなく、整備が急がれています。
そこで当社は、天井耐震対策として、「天井耐震クリップ工法」を開発いたしました。
同工法は、地震による天井落下被害を詳細に分析し、そこから得られた知見をもとに開発された工法で、簡易施工、低コストで天井の耐震対策が可能です。
東日本大震災においても東北地方で「天井耐震クリップ工法」を適用した天井に被害はなく、その効果が実証されています。
現在、当社では、天井の耐震対策として、「天井耐震クリップ工法」を学校体育館や集会場などの公共建築物をはじめ、さまざまな用途の建物に積極的に展開しています。

振動台実験による耐震性能の検証

狭い敷地内での「免震レトロフィット」

2011年2月、工事中もテナントが営業を続けたまま「免震レトロフィット」を設計・施工した徳海屋ビル(東京都千代田区)が竣工しました。地上11階・地下1階建ての建物で、地下1階のみの補強工事を行い「完全居たまま施工」を可能としました。
また、一般の免震建物では免震効果を発揮するために60cm程度確保している隣地境界との空き寸法は20cmしかないという難条件を解決した「都市型20cm免震」です。
東日本大震災においても、揺れを感じず、エレベーターも停止しないという効果を発揮しました。都心部に多い同条件のテナントビルの耐震補強・新築技術として積極的に展開する計画です。

徳海屋ビル全景

免震装置設置状況(地下1階)

「鋼管コッター工法」と制震補強デバイス(装置)を組み合わせた補強工法

2011年3月、当社が開発した「鋼管コッター工法」と制震補強デバイス「アドバンス制震システム※1」を組み合わせた補強工法で設計・施工した埼玉県庁第二庁舎(埼玉県さいたま市)が竣工しました。
建物を使用しながら低騒音・低振動・少粉塵で接合部の施工が可能で、かつ工期短縮も図れる優れた工法であることを実証しました。
今後も靭性が高い4階建て以上の建物については、鋼管コッターを用いたアドバンス制震システムによる耐震補強工法を積極的に提案しています。

※1 アドバンス制震システム:(株)川金テクノソリューションが開発した技術。

埼玉県庁第二庁舎全景

制震ブレース施工状況

現場緊急地震速報システム「ユレキテル」

「ユレキテル」は、建設作業員の安全を確保する目的で開発したシステムです。気象庁から受信した「緊急地震速報」を、全国各地の作業所へイントラネットを通じて即時に配信します。
一般の緊急地震速報とは異なり、登録された現場の緯度・経度から被害の予想される作業所に対してピンポイントに、より精度の高い揺れの強さや到達予測時間を計算し、配信する点が特徴です。東日本大震災において揺れの2〜3秒前に作動し「身構えることができた」など、有効性が認められました。

ユレキテル端末

作業所設置の様子

災害復旧支援システム「TIP-DR」、「DR-Map」

「TIP-DR」は、被災の可能性のある範囲の施工実績データをリストアップすることができ、被災状況・対応状況などを入力することでリアルタイムに情報を共有できるシステムです。「DR-Map」は、作業所や協力会社など拠点となる場所・人員・資機材などの情報を地図上で把握することができます。
東日本大震災にて有効活用されたシステムですが、システム相互の連携など、さらなる改良を検討しています。

TIP-DR画面

DR-Map画面