地球環境のために 温室効果ガスの発生抑制

地球温暖化防止に向け、建設物のライフサイクル全般にわたって、温室効果ガスの発生抑制に取り組んでいます。

温室効果ガス発生を抑制する技術や設計

わが国では、2009年に経済産業省が「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)※1の実現と展開に関する研究会」を設置し、「2030年までに新築建物全体でZEB化を実現する」というビジョンを提言しています。
当社はこのビジョンを受けて、オフィスビルのZEB化を目指して、技術開発に取り組んでいます。

  • ※1ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):建物で使うエネルギーを限りなくゼロにする考え方のこと。

ZEB化対応技術等の実証実験を開始

当社は、筑波技術研究所(茨城県つくば市)にて、ZEB化対応技術等の実証実験を行うため環境技術実証棟を建設しました。
当環境技術実証棟は、ZEBに代表される環境負荷の少ない建物の実現を目指して、省エネルギー化やCO2排出量削減に関する様々な要素技術の効果・有効性を検証しています。その成果は、当社が建設する環境配慮建物や現在、取り組んでいる2024年に竣工予定の(仮称)新TODAビルに反映されています。
さらに、環境技術実証棟は、2年間の技術検証の終了後に新たな技術を取り入れたカーボンマイナス棟(仮)としてリニューアルし、居住性と環境負荷の低減を追求した次世代型オフィスとして利用する計画です。

環境技術実証棟概要
環境技術実証棟
構造
鉄筋コンクリート造
階数
地上2階
建築面積
379.61m2
延床面積
724.72m2

ライフサイクルコストの試算

ライフサイクルコストとは

ライフサイクルコスト(LCC)とは建物の企画設計から、施工、運用、解体されるまでの全生涯(ライフサイクル)における費用です。LCCで最も大きな割合を占めるのは建設費ではなく、運用費(修繕・更新費や点検・保守・清掃・警備費、電気代・ガス代などエネルギーコストの合計費用)です。特に修繕・更新費は年度により大きく異なることから、事前にその費用を把握することが、計画的な修繕・更新の実施につながり、建物の長寿命化や建物の資産価値の維持・向上に役立ちます。

LCCイメージ

戸田建設の取り組み

戸田建設ではLCCを作成するシステムにより建物が竣工した際などに、長期修繕計画書を作成しています。お客様が将来的に必要となる費用を算出し、建物の適切な修繕・更新時期を把握することに役立てることができます。

長期修繕計画書例
LCC算出例

「アーリークリート®」を用いた施工時CO2排出量の縮減

従来、山岳トンネルやシールドトンネルの覆工コンクリートなど、短時間で型枠を脱型する構造物の場合、寒冷地などの施工条件によっては所要の時間で必要強度が得られないことも少なくなかった。このため現場では、使用セメント量を上げる、ジェットヒーター等を多数配置して養生温度を上げるなどの対策が取られてきた。本開発では、現場条件に応じた混和材料を添加することでジェットヒーター等によるCO2排出量を上げることなく、必要な初期強度を確保する工法(「アーリークリート®」)を開発した。本開発により、施工時におけるセメントや養生設備に起因する過剰なCO2排出量の縮減が可能となった。

現場状況
硬化促進剤

環境軽油(K-S1)の積極的な採用

現場で使用する重機の軽油に添加することにより燃費が改善され、結果としてCO2の排出量の削減効果につながる環境軽油(K-S1)を使用しています。重機や建設系車両の軽油に添加(0.1%添加:1000ℓに対して1ℓ)することにより、燃費が10%ちかく改善されます。CO2排出量削減のほかに、PM・NOx等大気汚染の原因とされる排出ガスの削減により、トンネルなどの厳しい作業環境の改善や作業員の健康への負荷軽減および工事のイメージアップにも寄与することが期待されます。建設現場におけるCO2排出量の約60%を占める軽油の使用量を削減することで、エコ・ファースト推進企業としての環境改善活動を積極的に展開しています。

バイオディーゼル燃料(BDF100)の利用

CO2排出量をカウントしない燃料(力ーボンニュートラル)として、植物性の食用油を精製した再生燃料であるバイオディーゼル燃料の現場での利用拡大を図っています。バイオディーゼル燃料の品質のばらつきによる車両への影響、安定的な供給の確保、法規制・届出・税法等への対応等の課題をクリアしながら導入しています。さらに、BDF100特有の臭気が作業環境に与える影響を最小限とするためにK-S1との混合実験を実施し、排気ガス中のCO2が低減できることを実証しました。現在トンネル工事において重ダンプ、ミキサー車、ユニック車等でBDF100を本格的に使用しています。

写真 BDF100で動く重ダンプ
写真 BDF100

環境配慮型燃料(GTL)の使用開始

2020年3月より自社の旧本社ビル解体工事作業所で環境負荷の少ないクリーンな天然ガス由来の軽油代替燃料であるGTL燃料の使用を開始しました。
この燃料は軽油と比較してCO2排出量を約8.5%削減することができることや、煤が少なく無毒性で、貯蔵の安定性にも優れている等、様々な利点を有する次世代の環境配慮型燃料であり、オフロード車両において使用することができます。

再生可能エネルギーの活用

当社が初めて発電事業者として取り組んだ「長崎田手原メガソーラー発電所プロジェクト」は、2015年4月に竣工し、発電を開始しています。この発電所はモジュール容量が13.2MWという大規模なものです。
また、太陽光発電以外にも、洋上風力発電、バイオマス発電についても取り組んでいます。

子会社で浮体式洋上風力発電の事業化を推進

当社は、2007 年から浮体式洋上風力発電の実験と検証を重ね、2013 年に環境省浮体式洋上風力発電実証事業の受託者グループ代表として、長崎県五島市椛島周辺海域において、2MW 風車を搭載したハイブリッドスパー型(浮体部の下部をコンクリート、上部を鋼で構成した風車)浮体式洋上風力発電設備において発電を開始し、運用に向けて知見を深めてきました。2014 年からは、浮体式洋上風力発電による電力を活用した水素の製造・貯蔵・運搬の実証と、燃料電池船の開発事業も受託し、離島におけるエネルギーの利活用や漁業との協調など、地域の発展に資する再生可能エネルギーの実現にも取り組んできました。
これらの環境省実証事業は2015 年度末に終了しましたが、今後も、当社はより積極的に、浮体式洋上風力発電の普及促進を目指してまいります。この第一歩として、当社は五島フローティングウィンドパワー合同会社(当社100%子会社)を設立し、五島市と共同で崎山漁港沖にて2MW浮体式洋上風力発電所の運転を継続しています。また、「五島市沖洋上風力発電事業 計画段階環境配慮書」の縦覧手続きをすすめ、同事業の実現に向け取り組んでいます。

燃料電池船

太陽光発電事業を展開

当社は、太陽光発電事業に発電事業者として参加しています。2015年4月に竣工した「長崎田手原メガソーラー発電所(13.2MW)」を皮切りに、「長崎さくらの里メガパワー発電所(2.1MW)」、「宮崎国富メガソーラー発電所(4.2MW)」の3件が九州地方に、「川俣町山木屋地区復興メガソーラー発電所(2.2MW)」が福島県川俣町に完成し、発電事業を展開中です。九州地方の3件に関して、当社はEPC※2業者としての役割も担い、建設工事にもかかわりました。

  • ※2EPC:設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を請け負う業務のこと。
長崎田手原メガソーラー発電所(13.2MW)
宮崎国富メガソーラー発電所(4.2MW)
長崎さくらの里メガパワー発電所(2.1MW)
福島県川俣町山木屋地区復興メガソーラー発電所(2.2MW)

気候変動対策で最高評価
-“気候変動への対応に関する調査”で最高評価のAリストに認定-

当社は、環境評価を行う国際的な非営利団体CDP(本部:ロンドン)から、最高のランクである「The Climate A List 2019」(以下:Aリスト)として2年連続認定されました。
CDPは、世界の上場企業約7,000社(内日本企業約600社)を対象に、温室効果ガス排出量削減などの気候変動問題への取り組みを調査し、その情報を開示・評価しています。
その結果は、世界の機関投資家が、環境対応に積極的な企業を選んで投資するための根拠として使われます。
2019年度は、世界では138社、日本では38社と世界一多く、排出削減活動などの気候変動緩和対策が特に優秀な企業として、Aリストに認定されました。当社はその1社です。
今回の評価は、われわれが日々取り組んでいるCO2排出量削減活動や、環境保全活動が高く評価されたものと考えています。今後も当社の独自性のある環境技術、ノウハウを生かし、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

環境情報の独立第三者の保証

当社は、コーポレートレポートに掲載する2019年度のCO2排出量データに対する公平性、確実性、および透明性を確保するために、(株)サステナビリティ会計事務所による第三者検証を受けました。検証はISAE3000ならびにISAE3410に基づいて実施されました。
第三者による検証を受けることにより、課題を洗い出し、今後さらなるCO2排出量削減に向けた取り組みを進めてまいります。
検証の対象:スコープ1、2(エネルギー起源の二酸化炭素排出量)、スコープ3(サプライチェーンで発生する二酸化炭素排出量)、および施工中のCO2排出原単位、再生可能エネルギー発電量、建設廃棄物排出量、廃プラスチック類排出量、水使用

  • SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • ECO FIRST
  • BOSS IKUBOSS AWARD 2016