CSRへの取り組み

トップメッセージ

不断の事業改革により持続的に成長する企業へ

代表取締役社長

今井雅則

2015年度の概況と経営計画の進捗状況

2015年度の業績は大幅に改善

2015年度の国内景気は、新興国経済の成長鈍化などの下振れ懸念が高まりつつも、雇用情勢や企業収益が底堅い動きを見せ、緩やかな回復基調が続きました。建設業界においては、官公庁工事が減少に転じた一方で、製造業を中心に民間工事の受注が堅調に推移したことにより、全体としては前年度並みの水準となりました。
このような状況の中、当社グループの連結業績は以下の通りとなりました。売上高は、主に当社における完成工事高が増加したことにより4,926億円(前期比17.2%増)。営業損益は、主要事業の建設事業において採算重視の受注方針の徹底などにより完成工事総利益率が向上した結果、売上総利益率が9.7%と前期比1.1ポイント上昇し、売上総利益は478億円(前期比32.4%増)となりました。一方、販売費および一般管理費については、261億円と前期比13.2%増加したことにより、営業利益は216億円(前期比66.7%増)となりました。経常損益につきましては、受取利息および保有する投資有価証券の受取配当金により、237億円の経常利益(前期比60.1%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、特別損失において減損損失12億円などを計上した結果、200億円(前期比42.9%増)となりました。
なお、当社グループの2016年度の業績については、連結売上高4,450億円(前期比9.7%減)、営業利益185億円(前期比14.5%減)、経常利益203億円(前期比14.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益173億円(前期比13.7%減)を見込んでいます。

経営計画の進捗状況〜持続的な成長に向けて2017年度業績目標を再設定

今後の建設市場は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての建設投資の増加が見込まれる一方、民間企業の先行き不透明感、労務逼迫などの再燃による建設コストの上昇など懸念事項も存在します。
こうした状況に対処すべく、当社グループでは、『戸田建設グループグローバルビジョン』に掲げる「“喜び”を実現する企業グループ」を目指し、グループ一丸となって取り組んでおります。
われわれが目指すのは、グループの成長と同時に、お客さまや株主・投資家、協力会社、地域社会、地球環境、そして当社社員などのステークホルダー全体の豊かさの追求です。当社は、現在進行中の「中期経営計画 2017」を、グローバルビジョンの実現に向けたフェーズⅠに位置付け、「生産性 No.1」と「成長への基盤」の実現を基軸に据え、施策に取り組んでいます。この初年度にあたる2015年度におきましては、建設事業の収益改善にともない、当初、業績目標(2017年度)として掲げた各指標を前倒しで達成することができました。また、2015年7月に設置した「生産性No.1推進委員会」による部門横断的な取り組みが進展し、労働生産性(一人当たりの付加価値額)が1,455万円(前期1,154万円)となりました。一方、遂行し得る業務量やスピード面では改善の余地が残っており、生産システムや業務プロセスの改革、新たな技術開発などの取り組みを継続して進めていかなくてはならないと認識しています。
成長への基盤の整備におきましては、投資開発、海外、国内グループ会社を戦略事業として位置付けて、体制の整備、強化を進めております。しかしながら、2015年度は投資開発事業で保有資産の整理を進めた結果、不動産評価損を計上し減益となりました。また、海外事業につきましては、ブラジルなどの新興国経済の成長が鈍化しており、今後の見通しも非常に不透明な状況にあります。
今般、こうした状況を考慮し、2017年度業績目標の再設定を通じて取り組みのさらなる強化を図ることといたしました。

2016年度の重点施策

これからの当社グループにおける経営のキーワードは「持続的成長」です。事業環境の改善にともない利益水準は向上していますが、厳しさを増すと予想される2020年以降も持続的に成長し飛躍するためには、絶えず現状を見直し、改革を実行し続ける必要があります。
そこで2016年度は、中期経営計画の2年目として「強固な収益体制を確立し、新たな成長のステージに向けた足固めに取り組む年」と位置付けています。まず、生産システム改革につきましては、BIM※1(Building Information Modeling)などを活用し、フロントローディング※2を推進いたします。また、業務改革におきましては、2015年度の活動の結果、総労働時間の25%削減に結び付く改善提案が掲出されています。本年度は、こうした成果を全社に水平展開し、標準化に取り組んでまいります。研究開発につきましても、生産性の向上に努め、無人化・自動化施工システムなどの開発を進めていきます。実績としては、既に鉄骨柱自動建入れシステムなどの省力化技術を確立しておりますが、こうした技術を開発、ブラッシュアップさせ、より安全で効率的な生産管理体制を構築いたします。なお、2016年度より筑波技術研究所(茨城県つくば市)の施設整備に着手し、研究開発体制の強化に取り組んでおります。戦略事業におきましては、2024年に完了予定の京橋一丁目東地区開発事業(本社ビル建替え)に加え、浮体式洋上風力発電事業の取り組みの進展に注力いたします。2016年4月には、当社100%子会社(五島フローティングウインドパワー)を通じて発電設備を実用化いたしました。発電データの収集とともに運転維持管理の知見を蓄積し、将来収益を担う事業へと育ててまいります。
このような施策をグループ全体で推進し、生産性の持続的向上を実現することにより、人財の再配置・最適化を行い、それを原資として、競合他社との差別化価値の獲得や戦略事業の一層の収益化を行い、その結果得られた利益をステークホルダー全体で共有し“喜び”を実現してまいります。

※1 BIM:コンピューターで作成した建物の三次元モデルをもとに、設計・施工においてさまざまな情報を統合、管理する手法のこと。

※2 フロントローディング:業務を前倒しで進めることを意味し、その目的は、課題解決の先行により、後工程で問題・不具合が発生した場合のコストやマンパワーを低減すること。

ステークホルダーの皆さまへ

当社は1881年の創業以来、「建設を通じた社会福祉の増進への貢献」「社会の信用を基とした社業の発展」「堅実な経営による適正利益確保を基とした社業の安定」を経営方針に掲げ、お客さまに対する幅広いサービスの提供と長年の実績に裏打ちされたステークホルダーの皆さまとの信頼関係の構築により、高い評価をいただいてまいりました。
当社グループの企業価値の主な源泉は、技術力とノウハウに培われた品質の高い建設物の提供や、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係、そしてこれら当社グループの企業文化を支える社員、さらには長年ともに歩んできた協力会社との良好なパートナーシップなどにあると考えています。
そして、これらの価値の源泉を継続・発展させることこそが当社グループの企業価値を最大限に引き出すことにつながっていくものと考えています。
当社は、東京オリンピック・パラリンピックの翌年、2021年に創業140周年を迎えます。それまでには建設会社の中で、最も高い生産性と強靭な財務体質を兼ね備え、永続的に社会に貢献していくことを目指してまいります。

2016年7月

  • 次の世代のために、私たちができること。
  • イクボスアワード
  • ECO FIRST
  • CDP_A LIST_CLIMATE2016