CSRへの取り組み

トップメッセージ

持続的成長に向けた取り組みの進化〜中期経営計画2019を策定

代表取締役社長

今井雅則

戸田建設グループ企業理念の改定

これからの時代は、社会にどのように貢献できるかといった、企業の存在価値が一層問われるようになります。今回改定した企業理念をよりどころに当社グループの存在価値を高め、社会の持続的発展に貢献します。

当社は1967年に経営方針を制定し、これに基づいた企業活動を行うことで、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の構築に努めてまいりました。一方で、社会情勢や社会的要請、当社グループの事業構成等については、約50年前の制定当時と大きく状況が変化しております。今後は、今以上に企業が存在価値を問われ、社会やステークホルダーにいかに貢献できるかどうかがますます重要な時代になってゆくものと考えています。
こうした背景から、当社の長い歴史の中で培ってきた価値観や精神を再確認するとともに、未来に向けた指針を改めて明文化していくことが重要と考え、2017年1月に、持続的成長の実現及び企業理念に基づく経営体制の強化を目的に「企業理念」を改定いたしました。今回の改定においては、従来の条文をベースに、CSR(企業の社会的責任)やCSV(共通価値の創造)等の観点を踏まえ、平易で簡潔な表現としました。また、経営方針の適用範囲について、当社単体から当社グループ全体へと拡大しました。あわせて、行動理念である「企業行動憲章」の改定とともに、2015年に社会における当社グループの存在価値と目指す姿を表すものとして制定した「グローバルビジョン」を含めた理念体系の整備を行いました。
今後、経営環境の変化が予想される中、当社グループ全体で目的意識を共有し諸課題に取り組んでいくことを持続的成長の実現に向けた強い原動力としていきます。今後とも企業理念に基づく活動を推進し、当社グループの存在価値を高め、社会の発展に貢献してまいります。

2016年度の概況及び2017年度の見通しについて

堅調な収益環境の中、中期経営計画2017の業績目標を前倒しで達成しました。

2016年度の国内景気は、雇用、所得環境が改善し、個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。建設業界においては、官公庁、民間工事ともに受注が前期を上回るなど、全体として堅調な収益環境となりました。
このような状況の中、当社グループの連結業績は、連結売上高は主に当社における完成工事高が減少したことにより4,227億円(前期比14.2%減)となりました。営業損益は、主要な事業である建設事業を取り巻く環境が依然として先行き不透明な状況が続く中、採算重視の受注方針の徹底等により、完成工事総利益率が向上した結果、売上総利益率が12.5%と前期比2.8ポイント上昇し、売上総利益は529億円(前期比10.7%増)となりました。一方、販売費及び一般管理費については、279億円と前期比6.8%増加したことにより、営業利益は249億円(前期比15.6%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益については、当社における繰延税金資産の計上に伴う税金費用の影響等により、420億円の親会社株主に帰属する当期純利益(前期比110.0%増)となりました。
今後の経済情勢については、雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復が続くことが予想されます。建設業界においては、住宅や民間設備投資の回復が期待される一方で、民間企業の業況判断における先行きの不透明感や労務逼迫等による建設コストの上昇などが懸念されています。
こうした状況を踏まえ、当社グループでは2017年度業績を連結売上高4,370億円(前期比3.4%増)、営業利益190億円(前期比24.0%減)、経常利益210億円(前期比22.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益140億円(前期比66.7%減)を見込んでおります。

新中期経営計画の策定

2020年以降に予想される建設投資の減少や、少子高齢化による社会構造の変化などの環境変化を見据え、生産性の向上を通じた経営資源のシフトを迅速に進める必要があると考えています。

当社グループでは2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017(以下、前中計)」を2015年度から推進してきました。本計画は、戸田建設グループグローバルビジョン「“喜び”を実現する企業グループ」の実現に向けたフェーズ Iと位置づけ、「生産性No.1」と「成長への基盤」の実現を重点施策に掲げ、グループを挙げて取り組みを進めてきました。
この2年間で「生産性No.1」及び「成長への基盤」に向けた各施策が順調に進み、最終年度の業績目標の営業利益率4.2%以上を計画初年度の2015年度から2期連続で達成し、2017年度においても達成することができる見通しとなりました。
一方、中長期的観点においては、2020年以降に予想される建設投資の減少、少子高齢化による社会構造の変化、また本社ビル建替えに伴う資金・人財の投入などの経営課題が顕在化しつつあり、こうした環境変化に柔軟に対応するべく、生産性の向上を通じた経営資源のシフトを迅速に進めていかなければならないと認識しております。
このような状況を踏まえ、前中計を1年前倒しで終了し、持続的成長に向けた収益基盤の構築を企図した「中期経営計画2019(以下、新中計)」を、戸田建設グループグローバルビジョンの実現に向けたフェーズ IIとして2017年度よりスタートさせることとしました。

中期経営計画2019の目指す姿

「『Assembly( 組み立て)& Collaboration(共創)』による新価値の創造」を新中計の目指す姿として掲げ、社会とともに持続的な成長を目指します。

これからの当社グループにおける経営のキーワードは「持続的成長」です。事業環境の改善にともない利益水準は着実に向上していますが、厳しさを増すと予想される2020年以降も持続的に成長し飛躍するためには、将来の環境変化をしっかりと予測し、お客さまのニーズや次の時代に発達する産業等を見据えた戦略立案が重要になります。そこで、新中計の策定に際しては、約30年後の2050年の社会を予測したNext Future Mapを作成し、改めて当社グループの社会における存在意義も明確にした上で成長戦略を策定しました。新中計における目指す姿は「『Assembly( 組み立て)& Collaboration(共創)』による新価値の創造」です。
当社が予測する30年後の社会では、ICTなどのさまざまな技術革新の成果により産業構造が変化し既存のビジネスが崩壊、異業種と一体となった価値提供が主流となります(異業種共創の時代)。このような社会では、自社を超えた幅広いネットワークの中で、多様な情報や技術を付加価値化・高度集積化していく能力が必要となります。
建設業を生業として発展してきた当社グループは、お客さまの思いやその場所の環境や社会的な意味づけを理解し、協力会社を始めとするさまざまな社外関係者と共創しながら、社内外のさまざまな知見を最適な形で組み立て、社会やお客さまにとって望ましい品質の高い建設物や安心安全なインフラなどを提供してきました。時代の変遷やお客さまのニーズによって提供する価値の形は変容しつつも、価値提供の姿勢は創業以来一貫しております。いわば、この「『Assembly( 組み立て)& Collaboration(共創)』による新たな価値の創造」こそが、当社グループの存在意義であり、社会課題が複雑化する社会にあっては、この観点から強みを活かして社会やお客さまへ新たな価値を提供することが、社会的な使命であると考えております。私たちはこれからも、長い歴史の中で培った技術力とノウハウを最大限に活かし、多様な情報を付加価値化・高度集積化することで、提供価値を最大化し、社会とともに持続的に成長し続けます。

中期経営計画2019の事業方針

「生産性No.1・安全性No.1の進化」「差別化価値の獲得」「経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上」の3つの事業方針のもと、中期経営計画2019の目指す姿を実現します。

◇事業方針① 生産性No.1・安全性No.1の進化

生産性向上と、安全確保への取り組みは、持続的成長を実現する上でもっとも重要です。これまで以上に取り組みを強化し、一人当たりの完成工事高30%向上、残業ゼロ・事故ゼロに挑戦します。

建設業全般の問題として、将来における担い手不足が懸念される中、生産性向上と安全確保に向けた取り組みは、持続的な成長を実現する上で最も重要であると考えております。これまでもさまざまな施策を進めてきたことで一定の成果を上げてきましたが、処理できる業務の量やスピードの面では改善の余地が残っており、生産システムや業務プロセスの改革、新たな技術開発などをさらに継続して行っていく必要があります。このような取り組みを強化するために2017年3月に各推進体制を拡充しました。
今後は、設計・施工段階における業務(基本・実施設計、施工計画、労働環境整備等)のフロントローディングをこれまで以上に推進し、さらに自動化・機械化施工や、新技術・ICT(情報コミュニケーション技術)を積極的に開発・適用することで、一人当たりの完成工事高30%向上と残業ゼロ・事故ゼロの実現を目指します。

◇事業方針② 差別化価値の獲得

これまでに築き上げた強みをさらに強化することで、当社グループの競争力に応じた強みを創出し、収益基盤の多様化の実現を目指します。

二つ目の「差別化価値の獲得」については、当社グループの競争力に応じた強みの創出を目指してまいります。
まず安定成長分野における施策として、病院・学校や再開発、山岳トンネル、区画開発等の当社グループの得意分野において、その強みを強化し、新たな価値や独自の価値を提供することで安定的な成長を目指します。重点強化分野としては、高付加価値オフィスビルや大規模インフラ、継続進化に向けた更新等を継続的に受注し、技術力を向上させ続けることで積み重ねたノウハウを独自の強みへと繋げ、競争力を継続的に磨いていきます。
一方、持続的な成長を果たすためには、将来収益の柱の構築に向けた取り組みも重要です。そこで、これまで着実に進めてきた投資開発や新領域、国内グループ会社、海外へのリソースシフトも推進してまいります。

◇事業方針③ 経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上

自己発働型社員の育成など社員のポテンシャルアップを通じて、ステークホルダーへの提供価値の最大化を目指します。

三つ目の「経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上」については、当社グループの持続的な成長を確実なものとするための重要な取り組みであり、特に社会への価値提供の最大の源泉である人財にかかる取り組みは、当社グループの成長を左右する重要施策と位置づけています。
社会課題が複雑化し、社会が変化するスピードが早まる中、問題に気づき、解決策を考え、豊かな社会の実現やステークホルダーの喜びのために行動できる自己発働型社員の育成が、今後重要になると考えています。そこで、当社グループでは、人財の流動化(ローテーション)や働き方改革を通じた、社員の多様化・多彩化・ポテンシャルアップを目指しています。私は、取り組みのポイントは、社員にとって有益な余暇をいかに創出できるかにあると考えています。総労働時間を短縮し、余暇の有効活用を通じて自身のポテンシャルアップや文化的・社会的な感度増進につなげてもらう。それによって、業務効率の向上のみならず、特色ある新たなアウトプットの創造につながり、それが社員自身の働きがいにもつながる。私はこうした好循環の流れをいち早く形にすることで、ステークホルダーへの価値提供の最大化を実現したいと考えております。

◇業績目標

このような施策を通じ、最終年度にあたる2019年度の業績目標を連結売上高5,000億円程度、営業利益250億円(営業利益率5.0%)以上と定めております。また、中期経営計画2017より管理指標として採用している労働生産性については、1,500万円以上を目指してまいります。

ステークホルダーの皆さまへ

企業活動を通じて社会の発展に貢献すること、これこそが我々のアイデンティティ、存在意義であり、この姿勢は時代がいかに変わろうと変わることはありません。

近年、地球規模で解決が求められる社会課題が山積する中、持続可能な社会の実現に向けて、国際社会が連携して課題解決に取り組むことが求められています。また一方では、企業のESG※1の取り組みを企業評価の尺度とする動きも拡がっています。
当社グループはこれまでも、環境問題や社会インフラの整備、将来の建設労働者不足懸念への対応など、建設業に関連する社会課題を中心に、業界団体などと連携・協力しながら課題解決に向けて取り組んできました。特に建設業の一番の問題にあげられる担い手不足懸念については、2016年10月に「一般財団法人戸田みらい基金」を設立し、将来の担い手育成に向けた活動を始めました。こうした社会課題の解決に向けた取り組みは、私たち人類が生きていくために必要であり、企業としても積極的に取り組むことが使命だと思います。当社は1881年の創業以来、企業活動を通じて社会の発展に貢献するということが、私たちのアイデンティティ、存在意義として刷り込まれており、この姿勢に変わりはありません。今後もこうした取り組み姿勢を社会にコミットし、SDGsやRE100※2へ積極的に貢献することで、持続可能な社会の発展を牽引する役割の一端を担える “喜び” を実現する企業グループへと成長してまいります。

※1 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)のこと。

※2 事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブで2014年に発足。Renewable Energy 100%の略。

代表取締役社長
今井 雅則

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