社員とともに 健康経営の推進
戸田建設グループ健康経営宣言
近年、「健康」に対する社員の意識は非常に高く、また、当社が持続的に成長し続けていくためには、社員が健康であり続けることが必要不可欠です。
当社では、会社の重要施策として「健康経営の推進」を掲げ、社長からのトップメッセージにより各種取り組みを実施しています。
近年、専門部署である「健康管理課」を新設し、また従来の健康管理に加え、「プレゼンティズム」「アブセンティズム」の観点から、健康経営をより一層促進しています。
戸田建設グループは、「“喜び”を実現する企業グループ」をグローバルビジョンとして掲げています。ビジョンを定めることで、仕事の目的意識を生み、個の力や組織の力を高め、その結果として、お客さまはもちろん、社員にとっても真に価値ある存在へと成長していくことができると考えるからです。
今後、社会の変化が一層激しさを増す中、企業には、より高い付加価値を生み出す能力が求められます。その実現のために、従来以上の想像力の発揮が求められていく中で、戸田建設が持つ最大の財産は「人」であると考えています。お客さまやステークホルダーに、より価値あるものを提供するためには、一人ひとりが仕事にやりがいを感じ、能力を最大限に発揮することができる職場環境を整備する必要があります。そのためには社員が心身ともに「健康」であり続けることが必要不可欠であり、言い換えれば、社員の「健康」なくして、新しい価値の創出や会社の持続的成長はありません。この考えを基に戸田建設は「健康経営」に積極的に取り組み、グローバルビジョンに掲げる“喜び”の実現にもつなげていきます。
戸田建設は、役職員が一丸となり、心身ともに元気に働ける事業所を目指して、健康づくりに取り組む事を宣言します。
戸田建設株式会社
代表取締役社長
今井 雅則
健康経営推進体制
当社においては、以下の体制にて健康経営の推進に取り組んでいます。

経営課題解決につながる具体的な取り組みおよび結果
当社では、健康経営方針を踏まえ、健康課題達成に向けて下記目標などを掲げて取り組んでいます。
当社では、働き方や身体の健康状態に関するデータを活用した組織状態の分析(コホート調査)に取り組んでいます。この分析にて、社員の「体の健康状態」と「生産性損失(プレゼンティーイズム)」の観点を追加することにより、ストレスチェックに加えて現在の組織の状態をより詳細に可視化することが可能となりました。下表の通り、健康増進への積極的な投資を行うと同時に、投資による改善効果も生産性損失推計額として測定しています。
(単位:千円)
2018年度 | 2019年度 | 改善・増加額 | |
---|---|---|---|
生産性損失推計額 | 235,598 | 188,170 | 47,428 |
健康増進投資額 | 58,370 | 84,702 | 26,332 |
その他の取り組み結果として、労働生産性については2018年度1,711万円に対し、2019年度1,707万円と若干減少したものの、高水準で推移しています。またハラスメント課題者割合の低減に対する取り組みとして、全店のハラスメント相談員44人に対し研修を実施しました。同時に、作業所長を含めた課長職以上約1,500人を対象にハラスメント研修を開催中であり、受講者からのアンケートでは、研修内容に対して満足度が高いことを確認しております。
グローバルな健康問題への対応
当グループでは、行動規範において「労働関係法の遵守」を定め、健康管理について法定以上の対応を行っています。社員に対し、肺の病気(肺がん、肺結核、肺炎など)の早期発見のためX線検査を含めた定期健康診断の年2回の受診を義務付けています。 2009年の新型インフルエンザ発症時には、帯同家族を含めた海外勤務者及び現地従業員の人命尊重を第一優先に掲げ、対策基本マニュアルを策定し対応してきました。2009年以降も、グローバルな感染症に対しては、社員に対し注意喚起を促すことで感染予防に努めており、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、対策委員会を設置して迅速に判断、対応する体制を整えるほか、医療機関と提携して抗体検査を実施するなど、感染予防策を徹底しています。
健康経営優良法人2020(ホワイト500)の認定
健康経営優良法人認定制度は、地域の健康課題に即した取り組みや※1日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。
当社は昨年に引き続き二年連続で経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2020(大規模法人部門)」(通称ホワイト500)の認定を受けました。
- ※1国民一人ひとりの健康寿命延伸と適正な医療について、民間組織が連携し行政の全面的な支援のもと実効的な活動を行うために組織された活動体

「からだ(身)」の健康
法定実施回数を超える年2回の定期健康診断を実施し、疾病の早期発見に努めるとともに、外部機関と連携して社内健康教室を開催するなど、会社が社員の健康管理により深く関与し、健康維持と意識向上に努めています。
健康診断受診率 (単位:%)
2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
96.4 | 95.6 | 99.9 | 100 |
「こころ(心)」の健康
「こころ(心)」の健康については、かねてより精神科産業医や保健師によるメンタルヘルス講習会を本社・支店にて定期的に実施し、管理者による「気づき」とラインケア、社員のセルフケアの両方が メンタル不全の早期発見と早期治療に重要であることを指導しています。
さらに希望者に対して精神科産業医や保健師との個別面談を実施し、適切な医療機関の紹介・連携等の体制を整えるなど、社員の心の悩みに対してさまざまな側面からサポートしています。
2016年度より「ストレスチェック制度」を導入、実施していますが、2019年度の受検率は95.4%(前年度比1.3ポイント増)と非常に高水準となりました。


その他、健康増進の取り組み
- 人間ドック費用補助制度の拡充
費用補助の上限の引上げのほか、役職員がより安心して働くことのできる環境を整えることを目的として、配偶者についても制度の対象としました。 - 健康診断再検査費用補助制度の新設
健康管理意識の向上や継続的な治療を推進することを目的として、定期健康診断(人間ドックとも)における再検査・精密検査の費用補助の制度を新設しました。 - 婦人科検診費用補助制度の新設
女性職員の増に伴い、女性特有の乳がん、子宮がん、卵巣がん等の婦人科検診費用の補助制度を新設しました。 - 禁煙外来費用補助制度の新設
喫煙者の減や受動喫煙の防止を目的として、禁煙外来費用の補助制度を新設しました。
健康に関する研修等実施状況
(単位:名)
2018年 | 2019年 | |
---|---|---|
メンタルヘルス及び健康に関する講話(新入社員) | 149 | 146 |
メンタルヘルス及び健康に関する講話(管理職) | 312 | ※73 |
メンタルヘルス及び健康に関する個別面談(長時間労働対象者面談含む) | 延べ143 | 延べ174 |
※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、減少しています。
献血会の実施
2019年5月、11月に当社会議室にて日本赤十字社主催の献血会を実施しました。毎年、春と秋に献血を行い、毎回40名程度の社員が参加しています。
今後も社員の協力を得ながら、安全な血液を安定的に確保する日本赤十字社の献血活動を通して社会貢献に協力していきたいと考えています。

ワーク・ライフ・バランスの充実
当社では、社員一人ひとりが「健全、且つより高いモチベーションのもとで能力を発揮し、安心して健康的に働くことができる職場環境」を整備することを目的として、仕事と家庭の両立に加え、個人生活においても充実感を感じられるよう、メリハリのある働き方を実現するためのしくみづくりを継続的に行うなど、ワーク・ライフ・バランスの充実に向けた取り組みを進めています。
育児・介護休業、休暇取得者数
当社では、仕事と家庭の両立を図り、また多様な働き方を選択できるよう、制度やしくみの整備に努めています。育児や介護に関しては休業制度や短時間勤務制度について法定を上回る内容(例:介護休業の取得可能日数を183日とする)となっています。
また、年末年始や夏期休暇の前後に特別休暇を付与することにより、年次有給休暇の取得と合わせ長期休暇とする取り組みを継続して行っています。
介護・看護休暇取得者数
(単位:名)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
介護・看護休暇取得者数 | 20 | 30 | 35 | 38 | 46 |
育児休業制度・短時間勤務制度・ならし保育休暇制度
子どもを養育する社員が仕事と出産や育児を両立し、安心して働けるような環境を整備することを目的に、育児制度の拡充と利用促進に努めています。育児を行う社員の短時間勤務制度については、2008年度に4歳未満の子を持つ社員を対象として育児短時間勤務制度を導入済みですが、2010年6月からは育児短時間勤務の最長期間について法定を上回る「小学校3年生修了まで」取得可能としました。
2020年4月より、預け先保育園に子供を徐々に慣らすための「ならし保育休暇」を制度化し、失効有給休暇を利用できるようにしました。
また、社内ホームページ上での制度紹介などにより、さらなる制度の周知や利用の促進を進めています。

2016 年より新たな価値の創出や生産性向上へ向けて、男性育児休業取得100%に取り組んでいます。

ボランティア休暇制度
社員が企業の枠を超えてさまざまな価値観と出会い、企業経営と社会とのつながりの重要性を改めて認識することが、当社が地域社会の一員としての責務を果たす一助になるとの考えから、社員のボランティア活動をより積極的に支援するための人事制度として、ボランティア休暇制度(年次有給休暇とは別に年間5日間まで取得可能)を2011年度に制定しました。
また、さらなる取得促進を図るべく、所定休日に会社の推奨するボランティア活動に参加した場合は、平日に代替休暇を振替取得できるよう制度改定を行いました。
今後も、社員の積極的なボランティア活動参加に向けた支援・体制整備に努めていきます。
ボランティア休暇取得者数
(単位:名)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
ボランティア休暇取得者数 | 16 | 20 | 5 | 4 | 5 |
業務改善の取り組み
2014年度より業務の効率化を目的として業務改善活動を継続しています。管理事務部門を中心として全店で延300名超の社員が参画しました。
この活動を通じて、自分が担当する業務を総点検し、関係者とコミュニケーションを取りながら当該業務の真の目的を確認することで、最適な処理手順をマニュアル化(見える化)したものを水平展開しています。
この業務改善活動を通して、人財の活性化と生産性の向上を実現する“全体最適”な組織・システムづくりを目指していきます。

労働時間の適正な管理の徹底と長時間労働の是正に向けた取り組み
労働時間管理の徹底と長時間労働の是正について、当社では喫緊の重要な経営課題と位置付け、社長によるトップメッセージを受けて、支店長等によるトップダウンによる早期是正に向けて取り組んでいます。
また、建設業界を代表する団体である「日本建設業連合会」が設置した「生産性向上推進本部」や「週休二日推進本部」に参加し、建設業の担い手確保と週休二日の推進を図るため生産性向上に向けた方策を検討するとともに、建設業で働くすべての人々の働き方改革を推進するため、建設現場における週休二日実現に向け取り組んでいます。
当社はグローバルビジョンとして「“喜び”を実現する企業グループ」を掲げ、全社を挙げて「労働生産性の向上」、「総労働時間の短縮」、「健康経営」などの「働き方改革」に取り組んでおり、その一環として本制度を導入いたしました。また、2020年6月21日よりフレックスタイム制の「コアタイムを廃止」して、更なる「働き方改革」に向けた取り組みを推進しています。
- 本制度導入の目的
-
- (1)より効率的・効果的な新たな働き方に自律的に挑戦することにより、個人及び組織の成果拡大につなげる
- (2)労働時間管理を「1日」から「1ヶ月」の総実労働時間へと移行することで、より計画的な働き方への意識の醸成を図り、年間の総実労働時間の減少と個々人の自由時間の創出を目指す
- 実施概要
-
- (1)開始時期:2018年6月21日より運用開始
- (2)対象範囲:作業所を含めた全部署、全社員(一部、労使協定に定めた対象外の社員あり)
- (3)勤務時間を選ぶことのできる時間帯(フレキシブルタイム):
6時~12時、13時~19時
※勤務を必須とする時間帯(コアタイム)は、2020年6月21日より廃止
当社は、引き続き働き方改革の推進に向け各種施策に取り組み、「“喜び”を実現する企業グループ」の実現を目指すことで、ステークホルダーに対する社会的責任を果していきます。
年次有給休暇の取得状況の改善
当社においては、プライベートの充実を含めた働き方の見直しや健康増進を目的として、2016年度より、社員一人ひとりが計画的に休暇を取得し、また部門や作業所単位で休暇予定を策定、実行できるよう、一斉有給休暇日や有休取得推進日等の年間休暇予定表を年度初めに公開するなど、より自主的に休暇を取得できる環境づくりを実践しています。
2019年度は、有休5日付与の義務化を背景として、個々の有休取得目標を「8日」(前年度+1日)と定め、より一層の有休取得と意識付けを推進しました。また、計画年休(年次有給休暇の計画的付与)の活用を徹底するほか、定期的な有休取得状況の公表や個別のフォローを徹底した結果、有休取得実績(全社員の平均取得日数)は10.1日(前年度比0.3ポイント増)となりました。
2020年度は、夏期休暇を「一斉取得」から「分散取得」へと見直し、より多くの社員が、柔軟かつ計画的に、また主体的に長期休暇を取得でき、仕事と家庭の両立や心身のリフレッシュ(健康維持)等ができる環境を整えるべく改善を進めています。
(参考)近年の有休取得実績(全社員の平均取得日数・取得率)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
平均取得日数(日) | 7.6 | 8.2 | 9.4 | 9.8 | 10.1 |
増減 | - | 0.6 | 1.2 | 0.4 | 0.3 |
平均取得率(%) | 21.1 | 23.4 | 27.0 | 27.9 | 29.2 |
増減 | - | 2.3 | 3.6 | 0.9 | 1.3 |
※平均取得率=取得日数÷持ち日数(新規付与+繰越)
現場異動時休暇の促進
現場異動時休暇とは、担当工事が終わり次の担当工事へ異動するタイミングで社員に長期休暇を取得させることで、気持ちを新たに次の担当工事へ取り組んでもらうことを目的とした制度です。
制度の内容は、平日5日間とその前後の土日を含めた連続9日間以上の休暇を計画的に取得させるというもので、その休暇取得期間についても、その1ヵ月前には対象者に事前通知をしています。
また、定期的に休暇取得状況の調査を実施し、その結果を取得推進活動に反映させることで、休暇取得率向上に取り組んでいます。
作業所勤務者の有給休暇取得状況の改善
2013年度から、作業所勤務者を対象とした「年次有給休暇の計画的付与」のしくみをつくり、運用を開始しています。対象者が設定した有給休暇予定日を作業所全体で共有し、皆で取得を支援することにより、恒常的に休暇を取得しやすい職場環境づくりを推進しています。
人財の育成
当社の最大の財産であり、誇れるものは社員です。社会に価値あるものを長期的に提供しつづけるために、人事制度において、育成・活用・評価・処遇のサイクルを適切に回し、社員が高度な専門能力の習得と、その能力を発揮できる働きがいのある職場環境をつくっていくことを目指しています。
育成方針・考課制度
人財育成の基本方針に、「多様・多彩な人財を育成・確保し、事業基盤を強化する」と定めています。OJTでの育成を主体とし、若いうちから仕事を任せ、幅広い責任のある業務を担当させ、業務上の課題を自ら解決していくことで、能力向上を図っています。また、建築技術系社員では最も長い場合、入社から10年間で 延べ2年ほどの研修を実施するなど、社員の成長の各段階に合わせて専門 知識や技術を習得する場を設け、且つ、日常業務(現場)から離れた集合研修とすることにより、計画的に、そして効果的にレベルアップを促すプログラムとなっています。
また、人事考課制度は、2020年度より、会社方針と社員の目標についてシステム的に一貫性を持たせ、社員の企業業績への貢献を促すとともに、上司・部下の面談機会を必須とすることで、社員にとって更なる成長機会の場となるよう改定するなど、長期的な人財育成、組織運営力の強化を図っていくことを目指しています。
能力開発体系

階層別研修受講者数
(単位:名(1人当たりの研修時間)、時間)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
部門経営者研修 | 45 (20時間) |
35 (16時間) |
94 (24時間) |
46 (24時間) |
44 (24時間) |
管理者研修 | 63 (26時間) |
66 (16時間) |
145 (16時間) |
80 (16時間) |
82 (16時間) |
基幹社員研修 | 41 (26時間) |
50 (16時間) |
22 (16時間) |
61 (16時間) |
67 (16時間) |
上級社員研修 | 124 (26時間) |
134 (16時間) |
114 (16時間) |
106 (16時間) |
95 (16時間) |
1人当たりの平均研修時間 | 24.3 | 16.0 | 18.0 | 18.0 | 17.2 |


2019年8月から9月にかけて、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)にて、5日間にわたり新入社員実地研修を実施しました。
施工管理についての理解度を深めることを目的とし、全新入社員を対象に2014年度より行っており、今年で6回目になります。
研修では、仮設足場の組み立てや構造鉄筋の組み立てなど、作業所では主に作業員の方々が行っている作業を新入社員自らが行い体感しました。
また、2020年2月から3月には建築施工管理職採用の新入社員を対象に、作業所における基本的な技術・技能を再確認し、より実務的な施工管理能力の向上を図ることを目的に、同じく富士教育訓練センターにて5日間のフォローアップ研修を実施しました。
フォローアップ研修では、実地研修で学んだ内容をよりステップアップした施工管理実習とコンクリート実習を行いました。
研修を通じ、一回り成長した新入社員のさらなる活躍に期待します。

コース変更・登用、自己申告制度
意欲ある人財の活用により、社員のモチベーション向上と組織の活性化を図るため、コース変更制度と自己申告制度を設けています。
- コース変更制度
- 原則毎年1回の選考を実施しています。2015年度に、さらなる人材発掘・モチベーション向上等を目的として制度の見直しを行い、より多くの職員が受験できるよう受験要件を緩和しました。これによって受験者数は増加し、本年度は26名が合格してコース変更をしました。今後はこれら合格者の異動等を含めた人財・能力の有効活用を行うことにより、更なる生産性向上を図っていきます。

- 自己申告制度
- 全職員がイントラネットを利用して、随時異動希望情報等を申告できるようになっており、適正配置と人財の有効活用にその情報を活かしています。
これら制度により、将来管理職となる資質を持つ人財や高度な専門知識を持つ人財の発掘・有効活用、また意欲のある職員への活躍の場の提供など、多様性を持つ強い組織構築の一環として制度を運用しています。
※2020年4月1日 26名(うち女性10名)のコース変更。
多様な人財の活躍
当社は、戸田建設グループ各社および協力会社の社員等、広く関係する人々のゆとりと豊かさを実現し、安全で働きやすい環境を確保するとともに、人格・個性を尊重することで、多様性を理解し、資質・能力を最大限発揮できる職場環境の実現を行動憲章に掲げ、取り組みを進めています。取り組みのひとつとして、人口減少による労働者不足やグローバル化への対応を図るため、「全国型総合職」のほかに勤務地を限定した「エリア総合職」の採用を実施しています。
また「全国型総合職」として働き始めた後であっても、「エリア総合職」への変更も可能な制度となっており、地域と一体となった企業活動の一翼を担うことが可能となるとともに、地域雇用の創出にも貢献しています。
人事関連データ:単体
(単位:名(%))
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
総合職 一般職 地域職 専任職 |
男 | 3,364(88.0) | 3,447(86.9) | 3,479(86.6) | 3,510(86.1) | 3,537(85.6) |
女 | 459(12.0) | 521(13.1) | 537(13.4) | 568(13.9)※ | 595(14.4)※ | |
計 | 3,823 | 3,968 | 4,016 | 4,078 | 4,132 | |
新卒採用 (総合職) |
男 | 173(78.6) | 131(81.9) | 118(78.7) | 110(75.3) | 99(76.2) |
女 | 47(21.4) | 29(18.1) | 32(21.3) | 36(24.7) | 31(23.8) | |
計 | 220 | 160 | 150 | 146 | 130 | |
離職率 | 7.3% | 11.2% | - | - | - |
離職率…新卒総合職で3年目までに退職した比率
- 平均年齢
- 44.35歳(男:45.16歳 女:39.54歳)
※連結ベース女性従業員数733/5,296(名)13.8%(2018年) 786/5,463(名)14.4%(2019年)
- 平均勤続年数
- 19.02年(男:20.08年 女:12.74年)
※平均年齢、平均勤続年数は2020年3月時点
契約社員、派遣社員数について:個別
(単位:名)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
---|---|---|---|
有期雇用契約者数 | 72 | 66 | 64 |
派遣社員数 | 604 | 719 | 685 |
合計 | 676 | 785 | 749 |
女性の登用
社員が性別にかかわらず持てる能力を発揮できるよう、女性総合職の活躍・促進に取り組んでいます。2020年4月には建築技術系で21名、土木技術系で5名、事務系で5名の新入社員が加わりました。作業所での施工管理職など、それぞれの職場での活躍を期待し、教育や配置などの育成にも力を入れています。

女性総合職採用実績:個別
(単位:名)
2015年4月 | 2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | 2020年4月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
技術系 | 7 | 33 | 19 | 22 | 26 | 26 |
事務系 | 3 | 14 | 10 | 10 | 9 | 5 |
2018年5月、土佐女子中学高等学校において、高校1年生約200名を対象に女性活躍特別授業「リケジョ編」と題した授業を行いました。これは、「生徒の進路選択の参考となる機会としたい」という同校からの依頼に沿って、生徒の皆さんが十分な情報を得にくい「建設業」や理系の女性活躍の状況などについて、わかりやすく、伝わりやすい内容となるよう配慮し、当社で働く理系女性社員によるパネルディスカッションを中心に実施したものです。
建設業及び戸田建設における女性活躍の状況について具体的なイメージを実感できるよう、若手の女性社員をパネリストとして、高校在学時の進路選択や当時の夢、建設業(当社)を選んだ理由、現在の夢などについてのディスカッションを行いました。


2019年7月、内閣府・文部科学省・経団連共催の「夏のリコチャレ2019」(リコチャレとは理工チャレンジの略)の一環として、現場見学会が東京都千代田区の東京駅前常盤橋プロジェクトA棟新築工事他作業所で行われました。
この見学会は女子学生に建築の仕事体験を通じて、未来のけんせつ小町を増やしていこうというものです。当日は小学生(4~6年生)、保護者の計18名の参加があり、VRを使用した可搬式作業台での作業体験、クレーン操縦の疑似体験など、さまざまなプログラムを通して、建設業の仕事に理解を深めていただく機会となりました。 当社は、今後もリコチャレ応援団体としての取り組みを進めてまいります。


グローバル人財の育成・確保
当社は、海外事業のさらなる拡大を目指しており、その担い手として外国人留学生の継続採用や、国内人財への語学教育の実施、また、海外法人での異文化経験など、さまざまな施策を通じてグローバル人財の育成、確保に取り組んでいます。
外国人留学生の採用実績
当社は、異文化経験があり、さまざまな拠点で活躍できる人財として、外国人留学生の採用を継続して行っています。2016年4月には4名、2017年4月には2名、2018年4月には4名、2019年4月には2名、2020年には1名を採用しました。
(単位:名)
2015年4月 | 2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | 2020年4月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
外国人留学生 | 3 | 4 | 2 | 4 | 2 | 1 |
障がい者雇用の促進とノーマライゼーション社会の実現
当社では障がい者個々が職場に適応・定着できるよう、障がいの状態に配慮した雇用条件、職場環境を用意し、また個々の能力を考慮した仕事・職場の提供に努めるなど、継続的に障がい者雇用の促進に向けて取り組んでいます。
また法定雇用率の達成に向け、2013年4月より毎年知的障がい者の新たな雇い入れを行っており、就業継続のための教育を重視しています。2015年4月には、知的障がいのある社員が事務作業・清掃等を行うビジネスサポートセンターを設置し、職域拡大や雇用定着に努め、真のノーマライゼーション社会の実現を目指しております。
障がい者の現場実習の実施
2011年度から、軽度知的障がいを持つ子どもの企業就労を目標とした特別支援学校を中心に、職場体験実習の受け入れを開始しました。この実習を通じ生徒が社会のルールや職場のマナーなどを体験することで、働くイメージを具体化する機会を提供しています。実習時には保護者の方も来社見学し、職場理解を深めていただいています。
実習の受け入れに際しては、社員一人ひとりが障がいのあるなしにかかわらず「働きやすい職場づくり」について、あらためて考える機会となり、継続的な取り組みにつながっています。

特別支援学校の職場体験実習の受け入れ数
(単位:名)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
職場体験実習の受け入れ数 | 4 | 5 | 5 | 16 | 22 |
再雇用制度
高い就労意欲と能力を有する定年退職者の再雇用に取り組んでいます。再雇用された社員は、さまざまな部署において、長年にわたり培ってきた豊富な経験、知識をもとに、次代を担う社員に対しての教育や、技術の伝承を確実に行うなど、重要な役割を果たしています。また、再雇用後においても役職の付与を認めるとともに人事考課制度を導入し、成果に基づいた賞与を支給することで業務に対する更なるモチベーションアップを図っています。
定年・再雇用者数
(単位:名)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|
定年退職者数 | 84 | 61 | 98 | 97 | 91 |
再雇用者数 | 68 | 48 | 80 | 85 | 83 |
LGBTQに関する取り組み
当社のLGBTQに関する具体的な取り組みは以下の通りです。
- 1当社はグローバルで持続的成長を図るための経営戦略の一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進。その中で、社員の多様なあり方・価値観を尊重することを目指し、「性的指向」「性自認」に関する差別の禁止を今年6月、職員就業規則に明示。関連する一切のハラスメント行為を禁止するべく、全社員へ向け社長声明を発出。
- 2社員の理解向上を図るため、全社員向けにLGBTQに関するeラーニング研修を実施。
- 3階層別研修等の社内研修の際に、管理職から一般社員までを対象にLGBTQ研修を実施。パワハラ防止法の施行を受けて全管理職に対し、多様な性のあり方に関するハラスメント研修を実施。12月には経営層を対象とした「無意識の偏見」に関する研修を実施予定。
- 4社内・社外に相談窓口を設置し、常時イントラネットに掲載。
またLGBTQなどの性的マイノリティ(以下、LGBTQ)に関する取り組みを評価する「PRIDE指標」において、「ブロンズ」を初めて受賞しました。
- ※「PRIDE指標」とは、「企業・団体等の枠組みを超えてLGBTQが働きやすい職場づくりを日本で実現する」ことを目的とした任意団体「work with Pride」による評価指標で、2016年度から表彰制度がスタートしました。

人権への取り組み
当社は、国連総会において採択された「世界人権宣言」に記載されている原則に賛同し、戸田建設グループ行動規範において、人権・個人の尊重、差別の禁止をかかげ、性別、年齢、国籍、人種、民族、信条、宗教、社会的身分、障がいなどにかかわりなく、社員一人ひとりの持つ資質や個性を尊重し、互いの能力の向上に努めています。その際には、国連人権理事会にて承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」も参考にしています。また、中傷や誇張した言動等の人格を無視する行為を一切行わないことなど、社員の意識啓発に取り組んでいます。新入社員研修において、人権教育を行い、相手の個性を尊重し、お互いを配慮した職場環境づくりに向けた啓発活動を行うとともに、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等についても相談窓口を設置し、課題があれば早期に対応できるしくみづくりに取り組んでいます。
労働問題への取り組み
- 児童労働の防止
- 高校卒業以上を対象とした採用活動をしております。
- 強制労働の防止
- 入社に際しては労働条件を提示し、強制・意思に反する労働の防止に努めています。
- 従業員の代表との対話
- 社員による会社全体の生産性向上などへの提言活動として「改善提案」制度があり、ワークフローにより提案できる仕組みを構築しています。また賃金交渉および各種制度交渉を職員組合と行い、就労環境の改善等について意見交換できる場を毎年設けています。
- 生活賃金の支援
- 最低賃金以上の賃金の支払いを遵守しています。
人権研修受講者数(新入社員)
(単位:名)
2016年4月 | 2017年4月 | 2018年4月 | 2019年4月 | 2020年4月 |
---|---|---|---|---|
228 | 163 | 149 | 147 | 132 |
職員組合との協議
戸田建設では結社の自由および団体交渉の自由は社員の権利であると考え尊重しています。労使間の誠実な対話により、双方が問題をより的確に理解し解決につなげていくことができると考え、賃金交渉および各種制度交渉を職員組合と行っています。また就労環境の改善など、その時々に応じた問題について意見交換できる場を毎年設けることで、さらなる職場環境の改善に取り組んでいます。