社会
ダイバーシティ&
インクルージョン

基本的な考え方

顧客や社会の多様化したパーソナルなニーズを幅広く的確に把握し、社会で必要な価値やサービスを目利きし提供するためには、多様な価値観を持つ従業員の集合体こそ当社が目指すべき姿と考えます。それには、性別や国籍、人種、宗教、スキルなどが多様な人財の活躍が必要不可欠であり、人権方針の策定やLGBTQ(性的マイノリティ)が働きやすい環境の整備など、各種取り組みを推進しています。

D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進

アンコンシャス・バイアス」はダイバーシティ推進を阻害する要因のひとつとされ、自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方の歪み・偏り」のこと指し、誰にでもあるものです。問題は気づかないうちに、「決めつけ」たり、「押しつけ」たりしてしまうことにより、相手に不快な思いをさせたり、良好な関係が築けなくなることであり、自身に潜む偏見を認識することが改善への第一歩になります。心理的安全性を醸成するためにも必要と捉え、上層部からアンコンシャスバイアス研修を実施しています。

アンコンシャス・バイアス研修に無自覚であることの影響(ポジティブなバイアスも含む)

アンコンシャスバイアス研修の実施(オンライン)

2020年 役員クラス    32名受講
2021年 部長クラス  240名受講
2022年 次長クラス  223名受講

女性の活躍推進

「キャリア形成」と「就業環境」の両面より取り組みを強化してきました。女性が活き活きと活躍して新しい角度・目線から活動しやすい環境・施策の整備を進めています。

キャリア形成

  • 研修の実施
    昭和女子大学キャリアカレッジ派遣研修  累計19名
    女性経営者育成支援研修  累計16名
  • 管理職(上司)の研修
    女性部下を持つ上司に対して「女性社員への過剰な配慮をやめ、キャリアアップへどう導いていくかなどを説き、女性部下育成への積極的な関与を促しています。

女性の活躍推進企業データベースはこちら[PDF:183KB]

女性役職員の状況

キャリア形成~技術職の軌跡~

施工管理職(建築工事) F氏

夢がかなった

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現場で働きたい

父が設計事務所で働いていたため、家でドラフターに向かっている父の背中を見て育ちました。父が「現場を知らないで建築はわからない」と言っていたことが印象的で、「現場で働きたい」と思うようになりました。戸田建設に入社し、一級建築士の資格を取得し、まさに幼いころの夢が叶ったように思います。
現場で働くためには何よりも「現場で働きたい!」という強い意志、熱意が大事。必要な知識は、働きながら学び、身についていくものだと思います。私自身、今も常に勉強で、もっともっと成長していきたいと思っています。

仕事も育児もどん欲にいきたい

夫は技術職、現場勤務です

両立は試行錯誤で、ときにはもどかしいときもありますが、ここ数年で少しずつ働く環境や社員の意識も変わってきており、働きやすくなってきていることを実感しています。三児の母として、仕事も育児も充実するようどん欲にいきたいと思っています。

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生産設計職 M氏

仲間と働くこと、育児との両立

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豊富な専門知識、高いスキル

施工管理職として入社、20階建て事務所ビルの現場に配属された後、生産設計に配属されました。現場配属当時は分からないことがあるときは、納まりを生産設計によく相談していました。現場を見ていなくても何でも答えてくれたことや、図面に無い詳細の納まりの手書きスケッチ図を目の前で描いて、「これで職人さんに指示してきてくれ」といわれたことを、今でも覚えています。当社の生産設計のスキルの高さ、豊富な専門知識が印象的でした。

智恵を集結、育児との両立

生産設計では、設計図から施工図を作成する上であらゆる課題を解決していくことが求められます。仕事を進める上では、それぞれ、専門知識を持った担当者に相談できることが何より安心感につながっています。もちろん、何が課題なのか、相手に分かりやすく説明するスキルも必要ですし、下調べや確認の順番も重要になるため、大変ですがやりがいがあります。3歳の息子は、洗濯物の片付けなどのお手伝いをするようになりました。「家族のことは家族みんなでする」という意識が芽生えているのだと感じています。

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就業環境の支援

育児や介護をする社員が仕事と出産や育児を両立し、安心して働けるような環境を整備することを目的に法定を上回る制度の拡充と利用促進に努めています。またフレックスタイム制・在宅勤務制度の利用で柔軟な働き方を可能とし両立を支援しています。

育児に関する両立支援制度

産前産後休業
出産する社員の産前6週(多胎妊娠の場合は14週)産後8週間を特別休暇としています。
育児休業
開始日を含む5日間を有給としています。
看護休暇
失効有給休暇の利用を可能としています。
育児時短勤務制度
2010年6月より小学校3年生終了まで取得可能とし、いわゆる小1の壁を超えられるようにしました。
ならし保育休暇
2020年4月より預け先の保育園に子供を徐々に慣らすための休暇として失効有給休暇を利用できるようにしています。
また翌年には子供の転園の際にも利用できる様、子が4歳に達するまで利用可能期間を延長しました。
産後パパ特休
2022年10月の育児介護休業法改正に伴い、「産後パパ育休」を有給扱いで新設するとともに、2週間前の申請なく上長の承認で利用できる「産後パパ特休」を新設し、急な場合でも職場の調整で休暇取得しやすい制度としました。

(年度)

  2018 2019 2020 2021 2022
看護休暇 23
(6)
35
(8)
26
(4)
41
(9)
57
(13)
育児時短勤務制度 56
(1)
51
(1)
60
(1)
66
(0)
60
(0)
ならし保育休暇制度     18
(0)
19
(1)
18
(1)

(  )内は男性の利用者数

介護に関する両立支援制度

介護休暇
失効有給休暇を利用可能としています。
介護休業
183日まで取得可能としています。

2019年
40歳以上を対象に介護に関するアンケートを実施し、結果を受けて同年本社ビルにて介護セミナー基本編を開催。
その後基幹支店での介護セミナー基本編を開催。

2020年
管理者向け介護セミナーをオンラインで開催。

2021年
「仕事」と「介護」の両立ハンドブックを作成し展開。
「仕事」と「介護」の両立ハンドブック

男性の育児休業取得推進

女性が長く安心して仕事と育児を両立するには、家庭内のみならず会社も積極的にサポートすべきと当社は考えています。
また、育児は男性女性に共通するライフイベントであるため、男性従業員へのサポート体制も強化しています。男性女性ともに仕事と育児を両立できるよう、当社では出生の届出の都度、人事統轄部から本人とその上長に制度を案内し、正しい理解のもと相互に安心して育児休業を取得できるようサポートしております。その結果として、育児休業の取得者数は増加し、男性の取得率も2020年度より100%を達成しています。

2022年10月より、従来の育児休業制度に加えて、開始2週間前までの申し出により、出生後8週間以内に28日間を有給の扱いで「産後パパ育休」の取得を可能としました。
それに加え、「産後パパ特休」を新設し、産後パパ育休と合計で28日までを有給で取得可能としました。これにより業務の状況と産後の肥立ち・お子様の状況などを鑑みて、急な場合でも育児の為の休暇を取得できるよう支援しています。

男性育児休業取得ガイドブック

(年度)

  2018 2019 2020 2021 2022
育児休業制度
利用者数(人)
93
(68)
96
(74)
142
(120)
143
(122)
161
(141)
男性育児休業
取得実績(%)
57.1 66.7 100 100 100

(  )内は男性の利用者数

男性育児休業取得状況

LGBTQに関する取り組み

当社のLGBTQに関する具体的な取り組みは以下の通りです。

  1. 1社員の多様なあり方・価値観を尊重することを目指し、「性的指向」「性自認」に関する差別の禁止を2020年6月就業規則に明示。関連する一切のハラスメント行為を禁止するべく、全社員へ向け社長声明を発出。
  2. 22020年社員の理解向上を図るため、全社員向けにLGBTQに関するeラーニング研修を実施。
  3. 3戸田建設グループオリジナルのAllyシールを作成し、希望者に配付。
  4. 4階層別研修等の社内研修の際に、管理者から一般社員までを対象にLGBTQ研修を実施。パワハラ防止法の施行を受けて全管理者に対し多様な性のあり方に関するハラスメント研修、経営層には「無意識の偏見」に関する研修を実施。
  5. 5社内・社外に相談窓口を設置し、常時イントラネットに掲載。
  6. 62021年12月「同性パートナーシップ制度」を制定し異性婚と同様の社内制度の利用を可能とし「LGBTQガイドブック」を作成した。
  7. 72022年全役職員を対象とした第2回目LGBTQ研修(eラーニング)実践編を実施。
  • LGBTQなどの性的マイノリティ(以下LGBTQ)に関する取り組みを評価する「PRIDE指標」において、2020年に「ブロンズ」、2021年に「シルバー」を受賞しました。
LGBT ALLY
LGBTQガイドブック

グローバル人財の育成

当社は海外事業のさらなる拡大を目指しており、その担い手となる外国人従業員について、2024年度末までに従業員比率1.5%以上に高めることを中期経営計画で目標としています。そのために、外国人留学生のほか、海外事業の知見の高い優秀な人財を日本以外からも積極的に採用しています。また、国内人財に対する英語教育や海外法人へのローテーション異動と戦略的配置により、グローバル人財の育成・確保に取り組むほか、多様な人財・文化を通じた知と経験の組み合わせによる個と組織の活性化を目指しています。

T氏 ミャンマー出身

共に仕事をする幸せ

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入社1年目は大規模造成工事の現場に赴任し施工管理の手順等を教わり、社員の優しさに感動しました。そして本社土木設計部に異動、現在はケーソン構造物の設計変更業務と、新しい事業計画の検討なども兼務しています。戸田建設に入ってから、私の人生は変わりました。業務は面白く、戸田建設で共に働くことに幸せを感じます。将来は機会があれば、ミャンマーで東京駅のような大きな駅や、橋、高速道路のプロジェクトに挑戦したいと考えています。

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W氏 パキスタン出身

戸田建設の将来のために最善を尽くす

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私は現在、国際支店で営業と契約管理の仕事をしています。多様性を活かすための明確な指針のもとに、我々の意見やアイデアが仲間の間で自由に共有され、会社の将来の戦略や計画に組み込まれていきます。意欲が高く、前向きで、結果に重きを置く仲間と共に、私は会社の将来の発展に向け、最善を尽くしたいと考えています。

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障がい者雇用の促進

当社では障がい者個々が職場に適応・定着できるよう、障がいの状態に配慮した雇用条件、職場環境を用意し、また個々の能力を考慮した仕事・職場の提供に努めるなど、継続的に障がい者雇用の促進に向けて取り組んでいます。また、軽度知的障がいがある子どもの企業就労を目標とした特別支援学校を中心に、職場体験実習の受け入れを開始し、近年では毎年知的障がい者の新たな雇い入れを行い、知的障がいのある従業員が事務作業・清掃等を行うビジネスサポートセンターを設置するなど、職域拡大や雇用定着に努め、真のノーマライゼーション社会の実現を目指しています。

障がい者雇用率の推移(各年6月1日時点):個別

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
障がい者雇用率 1.63% 2.02% 2.16% 2.36% 2.47%
法定雇用率 2.2% 2.2% 2.3% 2.3% 2.3%

特別支援学校の職場体験実習の受け入れ数

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
受け入れ数 16人 22人 4人 10人 15人

除菌清掃システムの導入

2022年4月、障がいのある社員の職域拡大を図ることと、社屋の感染予防対策を強化するために、CHKシステムによる除菌清掃を開始しました。
CHKシステムとは一般社団法人チャレンジドハウスキーピングシステム協会が取り組んでいる除菌清掃システムです。

【特徴】

  1. 1質を意識した清掃
    清掃の質は除菌と捉え、病院の手術室で行われるような感染防止を含めた高いレベルの衛生管理を基準にする。
  2. 2工夫されたカラフルな道具
    高品質、高機能、環境や人体に優しい洗浄剤と使いやすい道具を使用し、誰もが間違いなくまた失敗のない清掃を行えるよう目指す。
  3. 3清掃のイメージを変える
    きつい、きたない、きけんのイメージを払拭し、衛生的なイメージに変える。感染予防等とても重要な仕事をしていることを発信し、やりがいとステイタスをアップさせる。

研修の充実(体験型研修の実施)

2022年10月、日本ブラインドサッカー協会より講師を招き本社をはじめ首都圏の支店に所属する知的障がい者雇用社員がブラインドサッカー研修を体験しました。
今回の研修はコロナ禍で減少した社員間の交流機会として、またチームビルディング(皆で協力することの大切さ)を学ぶ、他の障がいのある人への理解促進という目的で実施しました。研修中は互いに声を掛け合って協力し合う姿、他のチームも一緒になって1人を応援する姿などが度々見られ大いに盛り上がりました。
参加者からは「楽しかった」「目が見えなくて怖かった」という意見のほか、「相手に伝えることの難しさ」や「どうすれば相手に伝えることができるのかを考えながら取り組んだ(声や音に出す)」という意見も出ていました。
参加者それぞれで学んだことは違うと思いますが、この体験が心に響き、今回の研修目的に少しでも繋がっていければと思います。

大学にて講師を務めました

2022年10月、本社に所属する知的障がい者雇用社員が関東学院大学の講義にゲストティーチャーとして招かれ、「学校~社会人生活を通していきいきと過ごし、働いていること」についての発表を行いました。
授業は小学校教諭養成課程における必修科目の1コマであり、受講した学生は発表を真剣に聞き、また質問を行うなどしていました。
講師を務めた社員は2021年12月にも同じ関東学院大学で、また2022年6月には國學院大学で同様の発表を行っており、今回で3度目の登壇となりました。

東京都の「心のバリアフリー」サポート企業に登録

東京都では、誰もが円滑に移動しさまざまな活動を楽しめるまちづくりを進めるため、施設整備だけでなく、全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続ける「心のバリアフリー」を推進しています。

そして心のバリアフリーに対する社会的気運の醸成を図るため、従業員に対する意識啓発等に取り組む企業等を「心のバリアフリーサポート企業」として登録しています。

戸田建設も2021年に東京都の「心のバリアフリー」サポート企業に登録されました。

東京都「心のバリアフリー」サポート企業登録証

イベント

ダイバーシティフォーラム

2015年

全店女性総合職が集合、社員によるパネルディスカッション

2016年 NPO法人ファザーリング・ジャパン代表/安藤哲也氏講演
2017年~2018年 ブラインドサッカーによるダイバーシティマネジメント研修を全店の管理職に実施
2019年 早稲田大学ビジネススクール教授/入山章栄氏講演
2020年 オンラインにて講演/星加良司准教授(東京大(院)教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター,藤原特任研究員(東京大(院)同))
2021年~ 藤原特任研究員によるアンコンシャスバイアスの階層別の講習
女性社員によるパネルディスカッションを開催。経営幹部も参加。
体験型研修(ブラインドサッカー)を実施。「無意識への偏見」への気づきを促した。

受賞歴