社会 労働安全衛生管理

安全性ナンバーワン企業への取り組み

安全衛生方針

労働災害・事故および公衆災害の防止は、当社の存続と発展にとって絶対条件です。人命尊重の基本理念に基づき、すべての活動において「安全は中心となる価値である」と捉え、安全で働き甲斐のある労働環境の形成に努めています。

  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
休業4日以上 17 10 12 13 12
(うち死亡災害) 0 0 0 0 1
度数率 0.51 0.35 0.40 0.48 0.46

度数率(全産業) 1.95 2.09 2.06 2.14 2.10
度数率(建設業) 1.30 1.39 1.47 1.69 1.91

度数率:100万実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって労働災害の頻度を表す指数
    全産業・(総合)建設業は休業1日以上を暦年で集計(「労働災害動向調査」より引用)、当社は休業4日以上を事業年度で集計

  • 安全に対する基本的な考え方

当社は、「安全第一(SAFETY FIRST)」「安全は全てに優先する」を進化させ、更なる労働災害の防止・撲滅に向けて、「Safety is not just a priority but a CORE VALUE(安全は、単なる優先順位ではなく、中心となる価値である)」、即ち全ての企業活動(行動)において安全を中心に据えるという考え方を基本とすることを、2017年に社長が表明しました。

具体的には、受注活動においては、不適正な工期、不適切な金額での受注を防止する。設計活動においては、安全に施工できる設計、安全に使用できる設計を行なう。施工活動においては、作業内容を把握し、リスクアセスメントにより危険を洗い出し、危険を防止する対策を策定した上で施工する。管理部門においては、健全な身体と精神を維持した上で働くための労働環境を整備する等、全ての部門において各段階で安全を基本に据えて活動していくことを意味します。特に工事では、コスト・工期の逼迫を言い訳にすることなく、必要な安全施設を省かない、近道行為や省略行為といった不安全行動を見逃さないことが重要と捉えています。

この考え方に基づいて全ての社員が行動することにより、安全性ナンバーワン、生産性ナンバーワン の企業として価値を高め、経年優化していくことを目指しています。

  • 安全文化の定着

戸田建設グループは、「Safety is not just a priority but a CORE VALUE (安全は単なる優先順位ではなく中心となる価値である)」という考え方に基づき、コアバリューポスターを9か国語版で製作しました。

川上にあたる営業や設計活動といった初期段階から、安全を中心に据えた取り組みを実践することにより、労働環境整備のフロントローディングを推進し、労働災害の撲滅に取り組んでいます。

安全は中心となる価値である(コアバリューポスター、9か国語)

英語
ベトナム語
タイ語
タミル語
ミャンマー語
アラビア語
ポルトガル語
インドネシア語
シンハラ語

マネジメントシステムの改善と展開

当社は、厚生労働省のOHSMS指針及び建設業労働災害防止協会のCOHSMSガイドラインを参考に、2003年(平成15年)に自社の労働安全衛生マネジメントシステム(TODA-OHSMS)を構築・導入しました。導入以降も改善を重ねてリスクアセスメントの充実を図り、協力会社とともに自主的な安全衛生管理活動を展開しています。

戸田建設労働安全衛生マネジメントシステム解説編(改訂第6版)

戸田建設労働安全衛生マネジメントシステム解説編(改訂第6版)
  • ISO45001認証事業所

2020年12月にタイ戸田建設で、2024年3月に戸田ベトナムでISO45001の認証を取得し、現地スタッフとともに自主的な安全衛生管理活動を展開しています。

ISO45001認定証

タイ戸田建設
(ISO45001認証番号OHS725497)
戸田ベトナム
(ISO45001認証番号24/181747)
  • 取締役会による安全衛生の監督体制

当社では、社長が戸田建設労働安全衛生マネジメントシステムの総責任者であり、全社的な安全衛生管理を総括しています。

  • 全員参加による情報共有と災害防止活動

本社では、役社員及び職員組合本部の代表者から組織される本社中央安全衛生委員会を設置し、全社における労働安全衛生に関する基本的事項を審議・決定しています。

支店においても、職員組合支部の代表者が支店中央安全衛生委員会に出席し、安全衛生管理計画の策定に参画しています。

作業所においては、一つの場所において多くの会社が混在して作業を行うことにより、さまざまな危険が潜在しているため、それらの危険を防止するため、全ての関係請負人で組織する協議組織(災害防止協議会)を設置して災害の未然防止を図っています。

7月1日(国民安全の日)の活動

「国民安全の日」である全国安全週間初日の7月1日は、社長の安全パトロールを毎年実施しています。パトロール当日は安全朝礼から参加し、最先端で働く職員や技能者に直接、社長自らの言葉で労働災害防止を訴えることとしています。また、同日午後に開催する当社の創立記念式典において、前年度の安全衛生活動及び安全成績が特に優れた作業所を表彰し、全職員に対する安全意識の高揚を図っています。

7月1日(国民安全の日)の活動
7月1日(国民安全の日)の活動

再発防止対策の立案と展開

ヒューマンエラー防止三運動/災害撲滅キャンペーンの展開

労働災害等が発生した場合、戸田建設労働安全衛生マネジメントシステム(TODA-OHSMS)規程に基づき、作業所との連携の下で災害調査を行い、その原因を究明するとともに、類似災害防止対策を立案して展開を図っています。包括的かつ統一的な災害防止対策として、「ヒューマンエラー防止三運動(ひと声かけ・指差し確認、対話型現地KY、ヒヤリポ)」を推進しています。また直近3年間における災害件数の4割を占める「はさまれ・巻き込まれ」及び「墜落・転落」については、期間を定めて災害撲滅のためのキャンペーンを全社一斉に展開しています。

Webカメラを活用した作業所観察の実施

作業所にはWebカメラを設置し、工事事務所だけでなく本支店からもリアルタイム及び記録映像で現場を観察できる体制とし、衆人環視による安全衛生管理を実践しています。

Webカメラを活用した作業所遠隔監視システム Safie(セイフィー)
Webカメラを活用した作業所遠隔監視システム Safie(セイフィー)
危険体感教育の実施

建設現場における安全衛生管理の課題として、災害発生の主原因は「不安全な行動」が多いこと、労務不足による労働者の高齢化・多様化が進んでいること、作業環境・設備の進展により危険要因が潜在化することが挙げられ、安全衛生管理水準の更なる向上や労働者一人ひとりの危険感受性・レジリエンス能力の向上が求められます。

危険体感教育とは、危険を具体的に示して、直感的に理解させること、また観念としてではなく、経験として安全衛生を学ぶことであり、労働者の経験不足を補い、個々の安全意識を向上させる教育として広く採用されています。

当社では、2015年9月に「危険体感施設」を開設し、VR機器を含めた専用設備、また専任のスタッフを配して、危険体感教育を安全かつ持続的に実施しています。以降、当社社員や協力会社労働者への教育だけでなく、各種団体、学校教育での地域貢献やリクルート支援活動等、広く施設利用されてきました。また、施設でのノウハウを活用し各地方への出張教育を充実させ、先端の労働者に危険体感教育の受講機会を提供することで、安全意識及び危険感受性の向上に貢献しています。

  • 安全ポータルの運用

当社では、2018年から安全管理の統合システム「安全ポータル」を運用しています。本システムは、作業所で発生した災害に関する情報をWeb画面上で入力してデータベース化することで、速報メールの配信から各種報告書の作成、被災者の治癒状況等、一元に集約して管理しています。また、災害事例検索や労働基準監督署による臨検情報、労働時間数を始めとする労務管理等の機能を組み込むことで、作業所職員の日常管理から店社安全担当者の計画立案まで、効率的・合理的なシステムとして運用しています。

安全ポータルを利用した災害報告
  • ヒヤリポの運用

当社は、現場でのヒヤリハット情報の収集アプリケーション「ヒヤリポ」を開発し、運用しています。従来は専用帳票に記入していたヒヤリハット記録を、個々のスマートフォンからアプリ入力し、自動集計された結果を出力できることで、省力かつタイムリーなリスクアセスメントの実施を可能にし、安全性と生産性の向上を両立させています。

ヒヤリハット報告の例
ヒヤリハット報告の例
管理画面のイメージ
管理画面のイメージ
  • SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • RE100
  • ECO FIRST
  • BOSS IKUBOSS AWARD 2016