CSRへの取り組み

トップメッセージ

代表取締役社長

今井雅則

技術やサービスの向上に努め、お客さまとの永い信頼による“継続進化”を生み出す、期待を超えるソリューションをご提案することにより、最も役に立つ企業グループ、「価値ある戸田建設」グループの実現を目指してまいります。

近年、地球規模で解決が求められる社会課題が山積する中、持続可能な社会の実現に向けて、国際社会が連携して課題解決に取り組むことが求められています。また一方では、企業のESG※1の取り組みを企業評価の尺度とする動きも拡がっています。
当社グループはこれまでも、環境問題や社会インフラの整備、将来の建設労働者不足懸念への対応など、建設業に関連する社会課題を中心に、業界団体などと連携・協力しながら課題解決に向けて取り組んできました。こうした社会課題の解決に向けた取り組みは、私たち人類が生きていくために必要であり、企業としても積極的に取り組むべき使命となっています。当社は1881年の創業以来、企業活動を通じて社会の発展に貢献することが、私たちのアイデンティティ、存在意義であり、この姿勢に変わりはありません。今後もこうした取り組み姿勢を社会にコミットし、積極的にSDGsやRE100※2に貢献することで、持続可能な社会の発展の一端を担える“喜び”を実現する企業グループへと 成長してまいります。

  • ※1 Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)のこと。
  • ※2 事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブで2014年に発足。Renewable Energy 100%の略。

戸田建設グループの目指す姿

今後も経営環境の変化が予想される中、当社グループ全体で企業理念を共有し諸課題に取り組んでいくことを持続的成長の実現に向けた強い原動力としていきます。

企業理念全体の見直し(2017年1月)

当社は1967年に経営方針を制定し、これに基づいた企業活動を行うことで、株主・お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとの信頼関係の構築に努めてまいりました。一方で、社会情勢や社会的要請、当社グループの事業構成などについては、約50年前の制定当時と大きく状況が変化し、また、中長期的観点においては、建設投資の減少や少子高齢化による社会構造の変化などの経営課題に迅速に対応し、持続的成長を実現すべき状況にあります。
こうした背景から、当社の長い歴史の中で培ってきた価値観や精神を再確認するとともに、未来に向けた指針を改めて明文化していくことが重要と考え、2017年に経営方針を含む「企業理念」全体を見直し、改定を行いました。改定においては、従来の経営方針の内容をベースに、CSR(企業の社会的責任)はもちろん、21世紀のガイドともいえるSDGsの達成に貢献すべくCSV(共通価値の創造)などの観点を踏まえた内容とし、適用範囲については、当社単体から当社グループ全体へと拡大しました。加えて、当社グループの行動理念である「企業行動憲章」の改定とともに、2015年に社会における当社グループの存在価値と目指す姿を表すものとして制定した「グローバルビジョン」を含めた理念体系を整備しました。
社会課題の多様化・複雑化が進む中、これからの時代は、社会にどのような価値を提供できるかといった、企業の存在価値が一層問われる時代になっていくものと考えています。この企業理念を当社グループ全体で共有し、継続進化を実現することで、当社グループの存在価値を高め、社会の持続的な発展に貢献してまいります。

(注) 戸田建設グループ企業行動憲章の改定(2018年4月)。行動理念である企業行動憲章をSDGsを踏まえた内容に改定し、その達成への貢献の必要性をより強く規定するとともに、行動指針であるグループ行動規範の規定の見直しを行いました。

2017年度の概況および2018年度の見通しについて

堅調な受注環境を背景に、国内建設事業が増益を牽引するかたちで着実に収益を伸ばしています。

現在、当社グループは、中期経営計画2019を推進しております。業績目標として、最終年度にあたる2019年度の連結売上高を5,000億円程度、営業利益は250億円(営業利益率5.0%)以上と定めており、前中期経営計画から管理指標として採用している労働生産性については、1,500万円以上を設定しております。
中期経営計画2019の初年度にあたる2017年度の国内景気は、雇用・所得環境が改善し、個人消費や輸出にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかに回復しております。建設業界におきましては、官公庁工事の受注が前期を下回りましたが、民間工事は上回り、全体としては前期並みに推移しております。
このような状況の中、当社グループの連結業績は、連結売上高は、主に国内グループ会社における外部顧客への売上高の増加および在外子会社の手持工事の進捗により前期比1.5%増の4,290億円となりました。営業損益は、生産性向上の継続的な取り組みによる建設事業の利益率向上により、売上総利益率が14.1%と前期比1.6ポイント上昇し、売上総利益は603億円(前期比14.0%増)となりました。一方、販売費及び一般管理費は、298億円と前期比6.9%増加したものの、営業利益は304億円と前期比21.9%増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の負担の増加などにより、254 億円(前期比39.5%減)となりました。この要因は2016年度、当社における繰延税金資産の計上により、税金費用が大幅に減少していたことによります。このように、堅調な受注環境を背景に、生産性向上にともなう完成工事利益率の向上、土木事業における追加工事の獲得など、国内建設事業が増益を牽引するかたちで着実に収益を伸ばしております。また、繰越工事高についても高水準を確保し、次年度以降の収益に貢献しております。
今後の経済情勢については、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが予想されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。建設業界においては、引き続き堅調な市場環境が予想される一方で、民間企業の業況判断における先行きの不透明感、労務逼迫などによる建設コストの上昇などの懸念事項を残しております。
こうした状況を踏まえ、当社グループでは2018年度業績を連結売上高5,140億円(前期比19.8%増)、営業利益310億円(前期比1.8%増)、経常利益333億円(前期比0.8% 増)、親会社株主に帰属する当期純利益223億円(前期比12.4%減)を見込んでおります。

中期経営計画2019の概要と進捗状況

「『Assembly(組み立て)& Collaboration(共創)』による新価値の創造」を新中計の目指す姿として掲げ、社会とともに持続的な成長を目指します。

現在、当社グループが推進している中期経営計画2019は、約30年後の2050年の社会予測(Next Future Map)をベースに、将来の当社グループの社会における存在意義も明確に捉えた上で、想定する未来からバックキャストして作成した成長戦略です。本計画は、戸田建設グループグローバルビジョンの実現に向けたフェーズIIとして位置づけられ、持続的成長に向けた収益基盤を構築するために、リソースシフトと新価値創造に取り組んでおります。
事業環境の改善にともない利益水準は着実に向上していますが、厳しさを増すと予想される2020年以降も持続的に成長し飛躍するためには、将来の環境変化をしっかりと予測し、お客さまのニーズや次代の成長産業などを見据えた戦略立案が重要になります。当社が予測する30年後の社会では、ICTなどのさまざまな技術革新の成果により産業構造が変化し既存のビジネスが崩壊、異業種と一体となった価値提供が主流となります(異業種共創の時代)。このような社会では、自社を超えた幅広いネットワークの中で、多様な情報や技術を付加価値化・高度集積化していく能力が必要となります。そこで、本計画では、「『Assembly(組み立て)& Collaboration(共創)』による新価値の創造」を目指す姿に掲げ、「生産性No.1・安全性No.1の進化」「差別化価値の獲得」「経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上」の3つの事業方針のもと、各施策に取り組んでおります。

生産性No.1・安全性No.1の進化

将来の担い手不足が懸念される中、生産性向上と安全確保への取り組みは、持続的な成長を実現する上で最も重要です。このためには、生産システムや業務プロセスの改革、新たな技術開発を一層強化する必要があり、2017年3月に推進体制を拡充しています。
2018年3月には、「トダ・イノベーション・サイト」構想を公表し、5年後を想定した具体的な施工技術をまとめた上で、これらの技術の実現を目指す新たな取り組みを実施しています。また、近年は設計施工一括受注工事が受注高全体に占める割合が上昇しており、プロジェクトの初期段階から、業務のフロントローディングおよび組織間のコラボレーションを推進し、施工上の課題の早期解決に取り組んでいます。

  • フロントローディング推進課(支店)・ICT推進課・施工革新ユニットの設置およびBIM-CIM室の拡充

差別化価値の獲得

国内建設事業においては、当社グループがこれまで培った強みを活かして、得意分野で独自の価値提供を継続するとともに、将来に向けた重点強化分野を定め、新たな強みの創出に努めています。一方、戦略事業は将来収益の柱のひとつとして位置づけ、これまで着実に進めてきた投資開発や新領域、国内グループ会社、海外へのリソースシフトを強化しています。さらに、当中計期間における投資計画(期間計720億円、2018年度は約275億円を計画)も順調に推移しており、安定収益・差別化価値の獲得に向けた取り組みが進展しています。
2017年度の戦略事業における主な成果をご紹介しますと、2017年12月に「戸田建設グリーンボンド」(自社事業向けとしては国内初)を発行し、従来より取り組んでいる浮体式洋上風力発電の今後の事業展開に向けた資金として100億円を調達いたしました。また、事業の本格化にともない、2018年3月にエネルギー事業部を新設し、同事業部を核に事業のさらなる強化に取り組んでいます。さらに2018年5月には、環境省の低炭素型浮体式洋上風力発電低コスト化・普及促進事業の補助を受けて建造を進めてきました、半潜水型スパッド台船「FLOAT RAISER(フロートレイザー)」の完成披露を行いました。海外事業においては、ブラジル戸田建設(株)にパラグアイ篆€店を新設するなど営業体制の強化を進めております。

経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上

経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上は、当社グループの持続的な成長を確実なものとするための重要な取り組みであり、特に社会への価値提供の最大の源泉である人財にかかる取り組みは、当社グループの成長を左右する重要施策と位置づけています。
社会課題が複雑化し、社会が変化するスピードが早まる中、問題に気づき、解決策を考え、豊かな社会の実現やステークホルダーの喜びのために行動できる自己発働型社員の育成が、今後重要になると考えています。そこで、当社グループでは、人財の流動化(ローテーション) や働き方改革を通じた、社員の多様化・多彩化・ポテンシャルアップを目指しています。この実現のため、作業所を含めた全社員を対象にフレックスタイム制を導入(2018年6月)し、自律的な働き方への挑戦を促すとともに、本社建替え(2023年度完成予定)にともない仮移転先で勤務する約1,200名を対象としたワークスタイル変革などにも取り組んでいます。取り組みのポイントは、いかに生産性の高い働き方を実践し、社員にとって有益な余暇をいかに創出できるかにあると考えています。総労働時間を短縮することで、余暇の有効活用を通じた社員自身のポテンシャルアップや文化的・社会的な感度増進が促進され、それによって、業務効率の向上のみならず、特色ある新たなアウトプットの創造や社員自身の働きがいにもつながる。こうした好循環の流れをいち早く形にすることで、ステークホルダーへの価値提供の最大化を実現したいと考えております。

ステークホルダーの皆さまへ

“喜び”を実現する企業グループへ

戸田建設グループグローバルビジョン「“喜び”を実現する企業グループ」には、お客さま、社員、協力会社、ひいては社会全体の“喜び”をつくり出し、それを自信と誇りに変えて成長を続けていく企業でありたい、という想いが込められています。私たちが目指すのは、グループの成長だけでなく、ステークホルダー全体の豊かさの追求です。
建設産業は今、震災からの復興や減災対策、さらには老朽化するインフラの再生など、果たすべき責任が一段と大きくなっております。また、経済情勢の変化は急激で、グローバルかつダイナミックな行動が必要になっております。お客さまの抱える課題も多様化する中、私たちにはこれまで以上に課題解決のスピードが求められております。
当社グループは、これからも技術やサービスの向上に努め、ステークホルダーの皆さまとの永い信頼による“継続進化”を生み出す、期待を超えるソリューションをご提案することにより、最も役に立つ会社「価値ある戸田建設」の実現を目指してまいります。引き続き、皆さまのご篆€援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

  • 次の世代のために、私たちができること。
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