協力会社とともに 協力会社とのパートナーシップ
当社社員と協力会社職長※1・作業員間のコミュニケーションを軸に、技術、品質、環境、生産性の向上に関する取り組み、技能者不足の解消に向けた取り組みを通じて、ともに成長発展していく関係を目指しています。
- ※1職長:協力会社の社員で、作業所で部下の作業員を直接指揮・監督し、作業の安全を確保するとともに、作業の遂行に責任を持つ、第一線の監督者のこと。
パートナーシップを強化
当社では、本社・各支店で組織される「パートナーシップ委員会」において年度ごとに「パートナーシップ活動計画」を立て、協力会社とともに技術、安全衛生、品質、環境、生産性の向上とコンプライアンス遵守に関する活動を展開しています。その活動内容は、建設産業が直面する課題「労務不足の問題、技術・生産性の向上、技能労働者の処遇改善」に対し実施すべき方策にまでおよんでいます。
2019年度パートナーシップ委員会 活動計画
1.パートナーシップの強化
- 協力会社との懇談会等の実施
- 日建連提言の具現化方策の検討
2.経営状況の把握
- 協力会社訪問・面談
3.自主管理能力・施工能力の向上
-
職長能力の向上
- 職長会活動への指導・助言
- 戸田建設優良技能者研修会の開催支援
4.労務不足問題への対応
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労務状況の把握
- 本社部門による各支店労務山積みの把握・指導
- 協力会社の労務余剰の確認・把握
-
外国人技能実習生、外国人労働者活用の推進
- 受入状況アンケート等による実態調査の実施
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女性技能労働者活用の推進
- 女性が働きやすい設備・制度の整備
- 協力会社のリクルート支援
5.技術及び生産性の向上
-
生産性向上への取組
- フロントローディングの推進
-
環境対策の推進
- エコ活動、CO2削減に向けた取組の展開
6.技能労働者の処遇の改善
-
建設キャリアアップシステム(CCUS)の推進
- 協力会社登録状況確認アンケートの実施
- 社会保険加入の徹底
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優良技能者制度の展開
- T-PARTNERによる優良技能者手当の支給
- 技能労働者の賃金状況の確認
- 技能労働者の休日確保
- 日建連快適職場の推進
7.その他
- リスク管理の徹底
- 主任技術者の適正配置
労務費見積り尊重宣言
当社は、日本建設業連合会(日建連)の「労務費見積り尊重宣言」に基づき、国が定めた公共工事設計労務単価を参考に協力会社と契約金額を定め、技能労働者へ適切な賃金が支払われるよう指導致します。
優良技能者手当支給制度の推進
当社では日本建設業連合会が2009年9月に公表した「建設技能者の人材確保・育成に関する提言※1」を受けて、2010年4月に”優良技能者手当制度”を創設しました。
また、翌2011年4月には「優良技能者就労管理システム(T-PARTNER)」を構築することで、全国の優良技能者の管理及び就労実績の集計を可能としています。
当社は職長会の会合などを通じて、優良技能者手当支給制度への加入を建設技能者へ働きかけています。優良技能者手当の変遷としては2010年6月より500円、2013年10月に1,000円に改定し、2015年10月より優良技能者(TODA-Meister)の手当を1,000円から3,000円にアップ、準優良技能者B:2,000円・準優良技能者C:1,000円を新設しました。2020年3月末現在、全国で845名(A手当:624名、B手当:30名、C手当:191名)の方を、優良技能者・準優良技能者として認定し、手当を支給しています。
今後も優良技能者手当制度の普及・利用を推進し、「優秀な技能者の処遇向上によって、技能者が仕事に誇りや希望を持てるようにする」という制度創設の目的実現に向けて取り組んでいきます。
※1 「建設技能者の人材確保・育成に関する提言」の実施における基本方針について(平成21年5月22日)より
1.賃金
- ①日建連会員企業は、建設技能者全体の賃金を改善することに努めることとする。
- ②日建連会員企業は、基幹技能者の職長の中から、日建連会員企業が特に優秀と認めた者を優良技能者と認定し、優良技能者の標準目標年収が600万円以上となるよう努めることとする。
- ③日建連は、(社)建設産業専門団体連合会と協調し優良技能者の賃金改善に努めることとする。
※2 優良技能者の資格要件
- 1優良技能者(TODA-Meister)
-
- 戸田建設の「職長会」に所属
- 登録基幹技能者※3の資格を保有
- 「優良技能者研修会」を受講(但し、研修会未受講の場合は準優良技能者手当C:1,000円とする。)
- 2準優良技能者B
-
- 戸田建設の「職長会」に所属
- 登録基幹技能者※3として資格認定されていない職種で、各支店にて優良技能者に準ずると認定された職長
- 「優良技能者研修会」を受講
- 3準優良技能者C
-
- 戸田建設の「職長会」に所属
- 登録基幹技能者※3の資格取得が可能な職種で、未取得ではあるが、支店職長会並びに支店作業所における職長活動が顕著と認められた職長
- 「優良技能者研修会」を受講
- ※3登録基幹技能者:熟達した作業能力と豊富な知識を持つとともに、現場をまとめ、効率的に作業を進めるためのマネジメント能力に優れた技能者として各専門工事業団体の資格認定を受けた者
将来の担い手育成に向けて「一般財団法人戸田みらい基金」を設立
当社は、建設産業の未来を支える「担い手」の育成に向けた各種支援事業を通じて、産業全体の発展に貢献することを目的に、2016年10月、「一般財団法人戸田みらい基金」を設立しました。
近年、建設産業においては、就業者に占める若年層の減少が目立ち、他産業と比べても高齢化の傾向が顕著となっています。安全・安心な社会基盤の構築及び保全という、建設産業の社会的役割を持続的に果たしていくためには、担い手の安定的な育成を通じた生産体制の確立が不可欠です。
本財団は、「若手技能者の採用・育成及び資格取得に係る助成」「外国人技能実習生の受入れに係る助成」「女性技能者の継続就労に係る助成」「建設に関する教育振興に係る助成」等を行うとともに、これら助成の対象となった活動事例の普及に努めることで、建設産業で働く人々が自己の資質や能力を最大限に高め、発揮できる環境の実現に向けた取り組みを進めていきます。
なお2019年度に、第6・7回「若手技能者の採用や育成に資する活動に対する助成」、第1回「若手技能者の採用や育成に資する活動に対する助成(ステップアップ助成)」、第1回「建設に関する教育振興に係る助成」、第3回「外国人技能実習生の受入れに係る助成」、第1・2・3回「女性技能者の継続就労に対する助成」、について下表の通り助成しました。
第6回「若手技能者の採用や育成に資する活動に対する助成」 助成対象一覧
会社名・団体名 | 活動テーマ |
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有限会社左官山本組(兵庫県) | 若手技能者の採用や育成に資する活動 |
小林建設工業株式会社(埼玉県) | 若手技能者及び新卒新規採用者の採用・育成・資格取得・定着を目的とする人材育成事業 |
加向建設株式会社(愛知県) | 若手技能者の技術者への育成およびインターンシップ |
株式会社オカモト・コンストラクション・システム(兵庫県) | 建設業界の活性化及び次世代継承のためのインターンシップの通年実施 |
株式会社金堀重機(福島県) | 技能者の能力評価制度(育成モデルプランの提示)、資格取得支援制度の策定と実施 |
株式会社丸石(大阪府) | 若手技能者の確保・3年計画と資格取得による「職人の社会的地位向上」 |
福島県左官業組合連合会(福島県) | 若年労働者確保に向けて左官と云う職業を理解していただくための啓蒙活動 |
順不同
第7回「若手技能者の採用や育成に資する活動に対する助成」 助成対象一覧
会社名・団体名 | 活動テーマ |
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株式会社岩野商会(長野県) | 若手技能者の採用・育成・定着に向けて |
リアル建設株式会社(東京都) | 材育成から人財へとなる教育体制の構築 |
富士自然体験支援機構(千葉県) | 建設業へと繋ぐ為に、多様な体験を通して、学校へ、学生へ、子どもへ、周りを味方に変えて! |
一般社団法人全国基礎工事業団体連合会(東京都) | 2級土木施工管理士受験対策講座 |
全菅工株式会社(岡山県) | 若手技能者の育成に資する活動に対する助成事業 |
順不同
第1回「若手技能者の採用や育成に資する活動に対する助成(ステップアップ助成)」 助成対象一覧
会社名・団体名 | 活動テーマ |
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平岩塗装株式会社(東京都) |
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向井建設株式会社 東京職長会(東京都) | 「技能検定」と「登録基幹技能者講習会」関する支援 |
公益社団法人 日高地域人材開発センター運営協会(北海道) | 土木技術者ステップアップセミナー |
株式会社KMユナイテッド(京都府) | 技ログ(アスリート職人グランプリ)キャンペーンの実施 |
株式会社タッセイ(福井県) |
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一般社団法人 職人育成塾(香川県) | 建設労働者の創出と教育者の教育 |
順不同
第1回「建設に関する教育振興に係る助成」
助成対象一覧(助成A:教育関連団体等の取り組み)
研究会・団体名 | 申請テーマ |
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近畿高等学校土木教育研究会 | 大阪城コンクリートカヌー競技大会(第20回コンクリートカヌー競技記念大会) |
西日本高等学校土木教育研究会 | 西日本高等学校土木教育研究会福岡大会 |
第13回コンクリート甲子園実行委員会 | 土木材料(とりわけ、コンクリート材料)への興味・関心から、将来、土木分野への就業を促す |
順不同
助成対象一覧(助成B:高校・工業高校等の取り組み)
高校・工業高校名 | 申請テーマ |
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北海道立北海道北見工業高等学校 | 「地域創成と技術の伝承」~豊かな自然を活かしたユニバーサルツーリズムを目指して~ |
千葉県立市川工業高等学校 | フィリピン・セブ海外研修(第7期) |
東京都立田無工業高等学校 | 実習地における土木造園の構築と環境の整備 |
山口県立柳井商工高等学校 | 避難場所におけるロケットストーブの設計・製作および設置 |
岡山県立笠岡工業高等学校 | ドローンを利用した測量実習 |
三重県立津工業高等学校 | 土木教育におけるドローンの活用 |
大阪府立西野田工科高等学校 | 地域貢献のためのものづくり |
兵庫県立篠山産業高等学校 | 四阿(あずまや)整備プロジェクト |
和歌山県立和歌山工業高等学校 | コンクリートカヌーの製作 |
大阪市立都島工業高等学校 | 橋梁模型製作 |
山口県立岩国工業高等学校 | 高校生ものづくりコンテスト(測量部門)全国大会出場をめざす |
兵庫県立東播工業高等学校 | 課題研究 コンクリートカヌー・甲子園大会参加 |
兵庫県立豊岡総合高等学校 | RTK(リアルタイムキネマティック)-GNSS測量にチャレンジ! |
兵庫県立龍野北高等学校 | ドローンを用いた測量(課題研究) |
岡山県立津山工業高等学校 | 第6回日本大学全国高等学校土木設計競技 |
兵庫県立兵庫工業高等学校 | わが国における砂防ダム(堰堤)の使命と現状および防災・治水事業のとりくみ |
広島県立広島工業高等学校 | ドローンを用いた写真測量による3次元点群データとオルソ画像の作成及びTSを使用した測量との比較 |
愛媛県立東予高等学校 | 粒度による強度への影響 |
順不同
第3回「外国人技能実習生受け入れに対する助成」 助成対象者一覧
会社名 | 人数 |
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株式会社J.I.N(千葉県) | 2名 |
株式会社哲組(東京都) | 1名 |
大田建設工業株式会社(東京都) | 2名 |
株式会社ミツヤ(北海道) | 2名 |
有限会社山清総建(愛媛県) | 2名 |
東京建材工業株式会社(東京都) | 2名 |
合計 | 11名 |
順不同
「女性技能者の継続就労に対する助成」 助成対象者一覧
業種 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
造園工 | 5名 | 6名 | 5名 |
塗装工 | 1名 | 2名 | 1名 |
型枠大工 | 1名 | 1名 | 0名 |
左官工 | 3名 | 3名 | 1名 |
シール工 | 1名 | 1名 | 1名 |
内装工 | 1名 | 1名 | 0名 |
ALC工 | 1名 | 1名 | 1名 |
合計 | 13名 | 15名 | 9名 |
順不同
協力会社改善提案活動
協力会社改善提案活動は、当社の業務に従事する協力会社およびその従業員から、品質向上、業務改善・合理化、安全性の向上等に関する改善事例を提案する制度です。優秀な提案については、表彰するとともに、全国連合利友会総会での事例発表を実施しています。創意工夫を奨励し、有益な提案を水平展開することで業務の効率化や施工水準の向上を図っています。

職長会活動
建設工事は、さまざまな職種が共同して行う作業です。円滑に作業を進めるためには、職長間のコミュニケーションを通じた相互理解と一体感の創出が不可欠です。
当社では、作業所単位で活動している職長同士の繋がりを進化させ、支店単位での「職長会」を設置し、会員相互の情報・意見交換等を行うことで活動の幅を拡げています。2008年5月に東京支店管轄の「東京職長会」が発足したのを契機に、翌年全支店に展開し、2020年3月末現在では国内12支店で総勢1,097人の会員数となりました。
「職長会」では、定時総会、役員会・ミニ役員会、意見交換会、新規・既会員・優良技能者研修会、職長交流会、会報誌発行等を実施しています。活動を通じて発見された課題は、当社支店幹部や協力会社組織である利友会の幹部との意見交換を行い、対策については作業所の運営に反映しています。
今後も当社では、戸田建設のものづくり、戸田ブランドを支える原動力となる「職長会」の活動を支援していきます。
