新着情報 AIカメラを用いたシールド掘削土砂の土質自動判別技術を実証 近赤外水分計との連携により掘削土量計測の高精度化を実現
2026/09/29
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、泥土圧シールド工法における掘削土砂の土量計測の精度向上を目的に、オールインワンAIカメラ「AIMERA®」※1(以下、AIMERA®)を活用した土質自動判別技術(以下、本技術)を開発しました。
本技術は、搬送される掘削土砂をAI画像解析し、その土質判別を自動化するものです。これを、既に開発した土量計測システム※2に組み込むことで(図-1)、土質変化に応じた近赤外水分計の計測設定の自動切り替えを可能にしました。これにより、土量計測精度のさらなる向上を実現し、将来的な施工自動化や建設DXの推進に大きく貢献します。
- ※1AIMERA®((株)Ristの登録商標):https://www.rist.co.jp/service/aimera/
- ※2掘削土量計測管理システム:https://www.toda.co.jp/news/2026/20260319_006219.html

従来の土量計測システムの概要
土量計測システムは、泥土圧シールド工法のベルトコンベア式土砂搬送を対象に、高精度かつリアルタイムな掘削土量の計測管理を可能とするシステムです。
重量・体積・含水比の3つの計測値と、土質調査結果などから得られた実地盤の値を用いて、泥土圧シールド工事の掘削土量を即時に高精度で算出します。さらに、累積土量を可視化して管理値との比較がリアルタイムで可能です。
土量計測システムにおける含水比の計測は、近赤外水分計を採用しています。計測対象の含水比を計測する場合、事前に検量線を作成することが不可欠です。この検量線は、計測対象の含水比と近赤外光の反射量との相関を示すものであるため、計測対象ごとに異なる検量線を作成し、対象に合わせて切り替える必要があります。
開発の背景とAIMERA®の特徴
シールドトンネル工事への近赤外水分計の導入課題となっていたのは、ベルトコンベア上の掘削土砂の土質変化に応じて、事前に作成した複数の検量線※3を自動的かつ適切に切り替える手法を確立することでした。従来、土質変化の判断は、熟練技能者が目視や触感といった感覚に頼って行っていました。そのため、これに代わる機能として、土量計測システムには土質の変化をリアルタイムで自動判別する機能が不可欠でした。この課題を解決する鍵として着目したのが、以下に示すAI実行用エッジデバイスを搭載した「AIMERA®」の機能的特徴です。
- ※3検量線:計測対象の含水比と近赤外光の反射量との相関を示すもの
- 自動判別機能 :リアルタイムで土質(砂質土、粘性土、砂礫など)を推定し、データ連携
- 高精度な自動撮影 :カメラに人が張り付いている必要がなく、現場の負担を軽減
- AI実行用のPC一体型 :粉じんや振動の多い現場環境に、デリケートな専用PCを設置するリスクや手間を排除
- スタンドアローン動作 :地下深奥などの「ネットワークがない、または電波が弱い」シールド坑内特有の環境でも安定して稼働
- 機体のコンパクト化 :照明とカメラ、AIが一体化しており、機体がコンパクトなためトンネル断面の大きさに影響を受けにくく、坑内の計測箇所への迅速な設置および稼働開始が可能
(本体寸法:高さ140mm×横140mm×奥行き158mm)
土質判別精度の検証
AIMERA®を用いた事前検証により実用可能性を確認し、実際のシールドトンネル坑内での導入適性と土質判別精度の検証を実施しました。
本検証では、(株)Ristが撮像設計から画像解析AIの開発までを担い、当社はシールド現場の坑内ベルトコンベア上にAIMERA®を設置して、搬送される掘削土砂の撮像を実施しました(図-2)。
結果、毎分60mの速さで移動する掘削土砂を対象とした撮像においても、AIによる土質の判別精度は92%を超える正答率であり、坑内環境の中でもリアルタイムに高精度な自動判別が可能であることを確認しました。

今後の展望
当社は、AIMERA®を活用した本技術を土量計測システムに組み込むことでシールド機の掘削制御の高度化を図り、シールドトンネル工事の自動化に向けた要素技術の一つとして確立するとともに、今後も建設現場のDXを推進します。
