グリーンインフラ
グリーンインフラとは
グリーンインフラは、国土交通省のグリーンインフラ推進戦略2030において、「自然の多様な機能を活用した社会資本であり、将来にわたり持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング向上に貢献するもの」と定義されています。
当社グループは、グリーンインフラ実装の好事例の創出、自然の機能を活かした技術開発を通じて、社会課題解決に貢献し、2050年の自然共生社会の実現を目指しています。
事例紹介
やなせみどりの丘 -第2一般廃棄物最終処分場-(埼玉県所沢市)
当社では、所沢市の新たな最終処分場である「やなせみどりの丘」(発注者:所沢市、竣工:2025年)の整備において、グリーンインフラを活用した施設整備に取り組みました。
「やなせみどりの丘」は、都心近郊で住宅地に隣接する立地条件を踏まえ、周辺環境と調和し、地域に受け入れられる施設とすることを基本方針としています。その一環として、施設内には「生物多様性体験広場」「わんぱく広場」「多目的広場」の3つの緑地を整備しました。
緑地面積は敷地全体の約38%を占めており、そのうち約50%を樹林地とすることで、生物の生息・移動を支える環境を確保しています。地域の生態系に配慮し、植栽にはすべて在来種を採用しました。樹林エリアではシラカシを主とし、イヌシデ、コナラ、クヌギなどを、また草地エリアではススキやチガヤなど、地域本来の植生を踏まえた植栽計画としています。植生の地域性や野生生物の生息環境を重視した緑地整備により、生物多様性の保全・回復に貢献し、ハビタット評価認証制度(JHEP)において「A+」ランクの認証を取得しています。
また、敷地の傾斜を活かした浸透機能を備える雨水調整池を整備し、雨水流出の抑制を図っています。さらに、雨水をごみの安定化を目的とした散水や屋外散水の水源に利用することで、上水使用量を年間約400m³削減しています。
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敷地面積:50,607m²
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全景
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生物多様性体験広場
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多目的広場
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エコスタック(枝や草などを積んだ生き物のすみか)
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遊歩道と自然水路
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JHEP認証
戸田建設 筑波技術研究所(茨城県つくば市)
健康で良好な室内空間の創出 –グリーンオフィス棟–
グリーンオフィス棟は、建物の改修、運用、廃棄に至るまでのライフサイクル全体において、CO2収支のマイナスを目指すとともに、ウェルビーイングの向上をコンセプトとして、健康的で良好な室内空間の構築を行った建物です。建築や設備だけではなく、家具や外構などにも、多くの環境配慮技術や工夫を取り入れました。これらの取り組みにより、WELL認証※において最高ランクである「プラチナ」を取得しています。
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※人の健康とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)に影響を与えるさまざまな機能を測定・評価・認証する評価システム。
採用技術例
- 壁面緑化ユニット
- 室内緑化(バイオフィリックデザイン)
- 雨水利用(緑化の灌水)
- 木質材料(内装・家具)
壁面緑化ユニット
特徴
- 木材粉を配合したルーバーと登攀・下垂型の植物により構成
- 10種類の在来つる植物を使用し、生物多様性へ配慮
- 常緑樹と落葉樹の混植により、季節ごとの緑化面積の変化による室内空調負荷の低減効果が得られる
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構成図
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南面 壁面緑化の状況
壁面緑化の効果
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被験者実験結果
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年間CO₂吸収量
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潅水の上水・雨水使用割合
地域性在来植物のビオトープ –つくば再生の里–
筑波技術研究所の周辺地域は、かつて樹林や畑などの緑地が広がる環境でしたが、都市開発の進展に伴い、緑地の減少や分断化・孤立化が進んでいます。これにより、鳥類や昆虫類などの生息地が減少・劣化し、地域における生物多様性が低下していることが推察されます。周辺地域には、古くから残されてきた屋敷林や雑木林が点在しており、コナラ、クヌギ、ケヤキ、シラカシなどの在来種の樹木が見られます。一方で、外構植栽地には、植栽された種子が鳥類によって散布され分布を拡大しているトウネズミモチなどの外来種や園芸種もみられます。
当社では、つくば地域に自生していた希少種を含む在来種の移植・育成を行い、ビオトープ「つくば再生の里」を造成しました。そして継続的なモニタリングを実施し、植生の保全および生態系の回復に取り組んでいます。2023年には、つくば再生の里を含む筑波技術研究所の敷地全体の緑地が、自然共生サイトに認定されました。
| 敷地面積 | 約510m²(内水域約70m²) |
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| 導入植物種 | 197種(地域制在来植物のみで構成) |
地域在来植物の導入
地域性在来植物とは
緑化植物は在来植物と外来植物に大別され、在来植物のうち緑化する地域に由来する種を地域性在来植物と呼びます。
在来植物であっても、本来分布しない地域に持ち込むと、外来植物と同様にその地域の生態系を脅かす危険性があります。
トレーサビリティの確保
現地の地域で採取されトレーサビリティが確保された種苗を使用することで移入種による遺伝子のかく乱を防ぐことができます。
識別番号による管理
植物を採取する際は、各植物に識別番号を付与して移動経路を管理します。
識別番号には、植物名・採取日・採取地の座標・採取時の写真・採取者・数量などが記録され紐づけられます。導入植物の一部では、独自の植栽プレートを用いてトレーサビリティを視覚的に表現しています。
モニタリング
2か月に1回の頻度で行う管理作業では、外来種を優先的に除草し、在来種は増えすぎた場合に剪定しています。整備初期は外来種の除去量が多くなっていましたが、次第に在来種が優先する傾向に移行しています。
観察された準絶滅危惧種(茨城県)
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ショウリョウバッタモドキ
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タマムシ
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ハラビロトンボ
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コノシメトンボ