ToP-NATM
山岳トンネル主要工種を自動化・遠隔化
概要
「ToP-NATM」は山岳トンネルの主要工種を自動化・遠隔化し、切羽作業の無人化によって施工の安全性向上と省人化、高品質化を同時に実現します。一連の施工の流れは、AIを用いた「最適発破設計システム」により適切な発破パターンと1孔あたりの装薬量を設計し、爆薬自動装填システム「To-RIGGER」が設計された爆薬量を自動装填することで、危険な切羽に作業員が立ち入ることなく安全な装薬を可能にし、余掘りの少ない発破を行います。発破後のずり出しは自律運転システム「L-CROSS」が自動で行います。続く支保工の工程では、吹付けコンクリートには「ヘラクレスNavigator」、鋼製支保工の建込みに「Optiss」、ロックボルト打設には「ロボルト」を使うことにより、切羽に作業員が立ち入ることがなくなり、省人化が可能なだけでなく、安全性も格段に向上します。後方では「NATM-SEA」により防水シートを設置し、コンクリートの打ち込み、締固め、配管切替までの一連の作業を自動で制御する「セントルフューチャーズ」を使って従来の半分の人数で高品質な覆工を構築します。このように全プロセスが高度に連携し、次世代の山岳トンネル施工を牽引します。
メリット
- 切羽無人化・遠隔化による「安全性の大幅な向上」
- 先進ロボット技術による「徹底した省人化と生産性向上」
- AIとICTデータ連携による「確実な施工品質の確保」
特徴
(1)全主要工種を包括する「一気通貫の自動化・遠隔化パッケージ」
山岳トンネル施工(NATM)の主要工種である「削孔・装薬・発破」「ずり出し」「支保工」「防水工」「覆工」のすべての工程に対し、それぞれ最適化された自動化・遠隔化技術をラインナップしています。各工種のスタンドアロンな技術ではなく、トンネル施工全体のプロセスを連携・パッケージ化して最適化を図るトータルシステムです。
(2)3次元点群データとAIモデルによる「施工設計のデジタルツイン化」
コンピュータジャンボから得られる1孔ごとの穿孔データや装薬量データ、および発破後の地山形状の3次元点群データをシームレスに連携させます。これら蓄積された施工データを教師データとしてAIモデル(余掘量推定AIモデル作成プログラム)が学習し、次回の最適な穿孔位置や薬量をデジタル上で自動算出するフィードバック機構を有しています。
(3)高度なメカトロニクスを駆使した「マルチロボット・遠隔マニピューレータ」
装薬孔へ爆薬装填ホースを高精度に自動挿入する「AIロボットアーム」を搭載した爆薬装填ロボット(To-RIGGER)を実装しています。支保工工程においては、エレクタ一体型吹付け機に改良を加えたシステム(Optiss)により、鋼製支保工の連結から位置決めまでをオペレータ1名の遠隔操作だけでコントロールできる機構を備えています。
(4)現場装填時に初めて機能する「インライン混合・孔内爆薬化システム」
「バルクエマルション爆薬」は、それ自体では爆発性のない流体状の「基材(非爆薬)」と「発泡剤」という2つの異なる物質で構成されています。専用の装填ノズル内部でこれらを撹拌混合し、装薬孔内に充填された後に発泡して初めて爆薬化するという、独自のインサイト(現場内)製造プロセスを採用しています。
(5)LiDARや多種センサーによる「自律走行および施工自動制御(フィードバック)」
ずり出し用のホイールローダ(L-CROSS)にはLiDARと各種センサが搭載されており、自己位置推定と姿勢制御をリアルタイムに行いながら、ずりのすくい上げからクラッシャーへの投入までを自律的に行うアルゴリズムを実装しています。セントルフューチャーズは、スライド型配管切替装置(スイッチャーズ)と各種バイブレーターを目的別のセンサ群で自動制御し、コンクリートの打込みから締固めまでの物理動作を完全に自動ロボット化しています。