推力可視化システム

推進工事の品質向上とトラブル防止

概要

近年、土地利用の制限などの要因により、推進工事の長距離施工や曲線施工の事例が増加しています。このような条件では推進管の周面摩擦力が増加しやすいため、推進に必要な推力が高くなります。しかし、局所的な要因で周面摩擦力が増加した場合、これまではその場所の特定が困難であったため、周面摩擦力低減対策を満遍なく行う必要がありました。そこで、当社は推進管内の複数地点でその場の推力を把握し、元押しジャッキから推進機までの推力の伝達状況を可視化するシステムを開発することにより、前述の対策を効率的に行うことを可能としました。

伝達状況を可視化するシステム図

メリット

  • 局所的な周面摩擦力増大箇所を絞り込むことができるため、効率的な周面摩擦力低減対策が可能となり、施工手間や滑剤使用量の低減といった低コスト化を図れます。
  • 実際に推進管に作用している推力を推定できるため、推進管の許容耐力と照らし合わせることで推進管の破損を予防することが可能で、品質が向上します。
  • システムの構成としては、管内に固定する変位計や坑口部に設置する各計測器の計測データを集約・処理して表示するのみであるため、設置の手間を少なくできます。

特徴

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    推進が始まり元押しジャッキからの推力が推進管を伝達していくと、推進管と推進管の間の緩衝材が推力により圧縮されます。その圧縮量を変位計により複数地点で計測し、推力に換算することで周面摩擦力による推力の減衰具合を把握することができます。これにより、周面摩擦力が大きな区間を絞り込み、周面摩擦力低減対策を効率的に実施できます。
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    本システムでは各計測値を数秒間隔で計測しており、推進開始後、発進坑口に近い緩衝材から順に圧縮されていくことが、これまでの実証施工でわかっています。この事象を利用すると、元押しジャッキからの推力が推進機まで伝達されるために必要な時間を推定することができます。これにより推進開始時に、推進機に推力が伝達したベストなタイミングでカッターを回転させることができ、地山への影響を抑えた推進も可能になります。

関連リリース

論文

  • 推進工法における変位計を用いた推力の伝達把握システムの開発、土木学会第78回年次学術講演会(2023年)
  • 変位計を用いた推力伝達計測システムの開発(その2:システム概要)、土木学会第79回年次学術講演会(2024年)
  • 変位計を用いた推力伝達計測システムの開発(その3:現場実証実験)、土木学会第79回年次学術講演会(2024年)
  • 推進力伝達材の圧縮量を計測し施工管理に反映、月刊推進技術、2025年5月号、pp.16-19

特許

特許名称 カッタ制御システム及びカッタ制御方法
公開番号 特開2025-119396

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