戸田式アクティブ騒音制御システム「TANC」(タンク)
音で音を消す騒音対策
概要
建設現場で発生する騒音を低減し、近隣の方々に配慮することを目的として、建設機械のエンジンから発生する低音域の騒音を低減する装置です。
従来の建設工事騒音対策としては、遮音壁(パネル)の設置が挙げられますが、高音域には大きな効果がみられるものの、低音域には明らかな効果はみられないのが実情でした。また、近隣の建物室内でもその外壁・窓ガラスでは高音域の音は遮断させますが、低音域の音はなかなか遮断することが出来ず、課題とされていました。この低音域の低減方法として、アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)を用いた騒音制御技術が戸田式アクティブ騒音制御システム「TANC」です。
今までの建設工事騒音対策や近隣の住宅の外壁、・窓ガラスによる高周波帯域の低減対策に、この低周波帯域対策のTANCを合わせることにより、広帯域の騒音低減を実現することができます。
メリット
- 周辺環境に優しく、近隣の方々に対しての騒音対策を行うことが可能です。
- 騒音源に対して設置をするため、大がかりな設備は必要としません。
- 余分な騒音対策費や騒音による工期延長を低減することができます。
特徴
アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)とは
TANCでは騒音制御技術としてアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)を利用しています。ANCとは対象とする音源に対し、デジタル的にその音源の逆位相の音を作り出し、2つをぶつけることにより、音を消す技術です。
TANCで用いたシステム
ANCの方式の1つであるフィードバックシステム方式を採用しています。フィードバックシステム方式とは騒音をエラーマイクで計測し、その音に対し逆位相の音を2次音源(スピーカー)から出し、ぶつけることで騒音を低減する方式です。この方式では、突発的・単発的な騒音には対応できませんが、エンジン騒音等の定常音の騒音に対しては効果のある方式です。小さな装置で、周辺360度どの位置からでもその低減効果があります。
TANCの効果
下図は、ある重機に置けるTANCによる騒音低減効果を示すデータです。青丸はTANCがOFFの状態、赤丸はTANCを入れたONの状態です。エラーマイク地点では63Hzの低周波帯域において、27dBの低減効果があります。どの位置でも、TANCをONにすると63Hz帯域の低域音が低減されていることが分かります。
TANCの設置例
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掘削重機への設置状況
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スピーカー2台の場合
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スピーカー1台の場合
TANCの発電機への適用
- 発電機も掘削重機と同様にエンジン排気口から低周波数の騒音が発生しています。
- 発電機に加工を加えずに、スピーカや装置を取付けた架台をかぶせるように設置することで、この騒音低減に効果を発揮します。
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発電機TANC全景
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エンジン排気口付近
この技術を利用できる施設・課題
TANCの特性を有効に活用するには、以下の特徴を有する騒音に適用すると効力を発揮します。
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1低周波の定常波を発するもの
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2音源が小さな点、ダクト状のものから発するもの
掘削重機のようなエンジンから発する低周波の定常波の騒音で、かつ、マフラー排気口からその騒音が出ているような機械に向いています。
- 掘削機械
- 発電機
関連リリース
論文
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日本建築学会大会
- ANCを用いた建設機械騒音の低減に関する実験的検討(2008)
- ANCを用いた建設機械騒音の低減に関する実験的検討:その2 発電機騒音への適用(2009)
- ANCを用いた建設機械騒音の低減に関する実験的検討:その3 2次音源スピーカに設置したレジューサの効果(2010)
- ANCを用いた建設機械騒音の低減に関する実験的検討:その4 建設現場での実用化(2010)
- ANCを用いた建設機械騒音の低減に関する実験的検討:その5 発電機への適用(2012)
- ANCを用いた建設機械騒音の低減(2010年度)
- 日本音響学会研究発表会
-
日本騒音制御工学会研究発表会
- ANCを用いた建設機械騒音の低減(2012秋季)
受賞・技術登録
- (一財)国土技術研究センター:国土技術開発賞優秀賞(2014年度)
- 日本音響学会:技術開発賞(2012年度 )
- 日本騒音制御工学会:環境デザイン賞(2011年度)
- 土木学会:環境賞(2010年度)
特許・認定・認証
- 特許第5607422号「レジューサを用いた騒音低減装置」
- 特許第5981223号「騒音低減装置」
その他
- NHK Eテレ「GoodJob!会社の星」放映(2014.2.19)