品質 技術紹介

お客さまに安心・安全を提供する新しい技術の開発を行っています。

カーボンマイナスを目指す実証オフィスの運用を開始「グリーンオフィス棟」
Toggle button

当社は、筑波技術研究所(茨城県つくば市)で行っていた環境技術実証棟(2017年6月竣工)のリニューアル工事を完了し、省エネルギーに加えてCO2排出量の削減等によりカーボンマイナスを目指す「グリーンオフィス棟」として2021年8月より本格的な運用を開始しました。本施設では、様々な技術を導入し『ZEB』※1を実現するとともに、ライフサイクルでのカーボンマイナスを実現することを目標に建設されたことが高く評価され、「2022年度グッドデザイン賞」※2及び「第1回SDGs建築賞における国土交通大臣賞」※3を受賞しています。

  • ※1BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)に基づく第三者認証により『ZEB』を取得
  • ※21957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである 「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
  • ※3建築物として優れた作品であるとともに建築主、設計者、施工者および利用者の協力により、建築物の計画、生産、運用、廃棄にいたる全ての段階におけるSDGs達成に向けた顕著な取組で、その普及効果が期待されるSDGs建築物を顕彰。
写真1 グリーンオフィス棟外観
写真2 グリーンオフィス棟内観
タワークレーン3次元自動誘導システムの精度と作業効率を大幅にアップ!
-タワークレーンのコアコントロールシステム・ユニットを開発-
Toggle button

当社は、タワークレーン3次元自動誘導システム※1の精度及び作業効率を向上させる、新たなシステム・ユニットを開発しました。タワークレーン3次元自動誘導システムは、従来、クレーンのオペレーターが手動で行っていたタワークレーンの操作を、モニターの操作画面をタッチするだけで、自動で行うことができるシステムです。タワークレーンで吊り上げた吊荷の状態を把握・制御し、状況に応じた安全かつ効率的な方法で、吊荷を指定の位置に自動的に誘導します。
コアコントロールユニットは、以下項目の把握と制御を可能とします。

  • 吊荷の位置
  • 吊荷の姿勢
  • 吊荷の振れ(揺れ)
  • 玉掛け、玉外し

またコアコントロールシステムは、コアコントロールユニットが取得した情報を収集し、モニター等の各種端末にて表示・制御します。
コアコントロールユニットとコアコントロールシステムの連携により、従来は作業の安全性確保に多くの手間と時間を必要とした夜間や悪天候時でも、安全かつ正確なタワークレーンの自動運転が可能となります。

  • ※1当社リリース「タワークレーンの3次元自動誘導システムを開発-タワークレーン2次元自動誘導システムをバージョンアップ-」
図1 システム概要図
図2 コアコントロールユニット操作画面例(旋回制御画面)
物流施設での床結露を事前にお知らせ!
-コストを抑えた結露対策-
Toggle button

当社は、物流施設向けの床結露警報システムを開発しました。
本システムは、施設内に設置した各種センサーで計測したデータをもとに、床結露発生の危険を事前に施設管理者へ知らせるものです。本システムを施設に導入する事で、施設管理者は対策を講じることができ、低コストで床結露による被害が抑制され、品物や荷物などの安全な保管に貢献します。

図1 床結露警報システムの概要
写真1 アラーム表示器
図2 中央監視盤グラフィック画面例(平面図)
「マスカットH工法®」を放射線遮蔽施設の解体へ適用
Toggle button

当社は、コンクリート構造物のガス切断工法である「マスカットH工法®」※1を解体工事へ順次適用し、実績を積み重ねてきましたが、さらにこの度、放射線遮蔽施設の解体工事へ適用しました。
病院に併設されるリニアック室※2は放射線治療施設であり、その放射線を遮蔽する極厚の複層鋼板やコンクリートで堅牢な躯体が構築されているため、解体工事は困難で手間がかかりました。
そこで、水素で極厚の複層鋼板を切断することが可能な「マスカットH工法®」を適用することで、解体工事の生産性が向上し、安全と周辺環境にも配慮した工法を実現しました。

  • ※1当社ニュースリリース「建物解体時の環境負荷を低減」2021年12月8日
  • ※2リニアック室は、X線や電子線を用いてがんなどを治療する施設。
写真1 リニアック室の遮蔽鋼板の解体状況
地中埋設探査システムの開発
-AIを用いて探査精度の向上/解析業務の効率化を図る-
Toggle button

当社は、富士通(株)、(株)きんそくの協力のもと、地中埋設管の破損事故を未然に防ぐための埋設探査において、AIモデルを用いて埋設管を効率的に検出する埋設探査システムを開発しました。
地中埋設探査業務にAIを活用することで、従来の専門技術者による目視確認では見落とす可能性のある埋設物の反応を自動で検出し、探査業務の精度向上及び解析業務の効率化を図ります。また、従来の解析方法と比較して作業時間を80%以上削減することが可能です。

図1 埋設探査システムによる解析フローの概略
図2 システム管理画面
SEGES「そだてる緑」Excellent Stage2の認定を取得
Toggle button

筑波技術研究所(茨城県つくば市)は、 (公財)都市緑化機構※1が運営するSEGES※2(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)に認定されました。SEGESは、社会・環境に対して貢献度の高い優れた緑を評価・認定する制度です。事業者が所有する緑地(300m2以上)の優良な保全、創出活動を対象とする「そだてる緑」部門の「Excellent Stage2」を取得しました。

写真1 筑波研究所の俯瞰写真
写真2 つくば再生の里とグリーンオフィス棟
(グリーンオフィス棟は室内から研究所内の
様々な「緑が見える」オフィスとなっている)

<緑地の概要>

  • 認定ラベル:SEGES「そだてる緑」部門Excellent Stage2
  • 認定日  :2022年8月17 日

    2023年度も認定を継続して取得しています。

  • 認定理由 :
    地域性在来植物ビオトープ・草地ビオトープ、グリーンオフィス棟の壁面や屋上緑化のほか、野鳥の森・昆虫の林ゾーンなど、様々なテーマをもった緑化への取り組みに対して、研修・見学などの外部コミュニケーションに緑地を活用している点などが評価されました。

今後も地域の生物多様性の保全を図るとともに、CO2の吸収や固定によるカーボンニュートラルへの取り組みとしても推進し、緑化活動を続けていきます。

地盤改良効果の見える化に向けて前進!
-電気検層を用いた新たな評価手法「ジオレジスタ法」-
Toggle button

当社は、岐阜大学の八嶋 厚工学部特任教授、NPO法人地盤防災ネットワーク、太洋基礎工業(株)とともに、薬液注入工法の地盤改良効果について、小型動的コーン貫入試験と電気検層※1を併用した新たな評価手法を開発しました。
本手法は、1度の削孔で2つの試験を効率よく行うことができ、またそれぞれの試験結果が補完し合うことで、従来手法では評価が難しい地盤条件であっても地盤改良効果の適正な評価を行うことができます。従来行っていた試料採取による一軸圧縮試験と比べて、地盤条件による影響が少なく、試料採取を伴わず原位置での地盤の強度評価が可能となります。

  • ※1ボーリング孔内に電極プローブを下げ、周りの地盤の電気比抵抗を測定する技術
写真1 ジオレジスタ法による測定状況
図1 測定結果の例
多様な地震の揺れを抑制し、建物の安全性を向上!
-「セミアクティブオイルダンパー」で高性能の免震建物を実現-
Toggle button

当社は、(株)川金コアテック、光陽精機(株)とともに、地震の揺れに応じて減衰性能を変化させることで従来よりも高性能な免震建物を実現する「セミアクティブオイルダンパー※1」を開発し、自社の筑波技術研究所内の建物に実装しました。
本技術は、オイルタンクのバルブを電気的に開閉することでオイルの流量を調整し、瞬時に低減衰、高減衰の2種類の減衰性能に切替えることが可能な高性能オイルダンパーです。従来の免震建物と比較して地震時に建物に作用する層せん断力を約20%低減して、建物の安全性を高めることが可能です。

  • ※12021年4月1日に大臣認定を取得しています。
写真1 セミアクティブオイルダンパー
図1 建物の応答比較の一例
シールド工事の大気圧下ローラーカッター交換技術「Hi-RORRA(ハイローラ) System」を開発
3.0MPaの超高水圧下においても安全・確実な交換が可能!
Toggle button

当社は、JIMテクノロジー(株)、日本シビックコンサルタント(株)と共同で、硬質地盤を対象としたシールド工事において、地盤の掘削に用いられるローラーカッターの新たな交換技術「Hi-RORRA System」を開発しました。
長距離施工により摩耗したローラーカッターを、作業員がシールド機の外に出ることなく、大気圧下の機内において安全かつ効率的で確実な交換を可能とする技術です。独自の3つの機構(回転・止水・排土)により、大深度における高水圧下であってもカッタースポーク内の安全な作業環境を確保します。
カッタースポーク内を模擬した空間に設置した実物大の実験装置を用いてローラーカッターの交換実験を実施し、高水圧下における止水機構の信頼性と、制約のある作業空間での円滑な交換作業性を確認しました(写真1)。

図1 ローラーカッター交換技術の概要図
写真1 ローラーカッター交換作業状況
支圧接合による「ボルト式鋼管矢板継手」を用いて杭の接続作業時間を70%短縮
-鋼管矢板井筒基礎において「現場溶接の削減」を実証-
Toggle button

当社、構法開発(株)および(株)進富は、鋼管矢板の現場継手方法について従来の溶接継手に代わり、合芯ボルトを使用した機械式継手『ボルト式鋼管矢板継手』を開発し、作業時間の短縮を実現しました。
溶接継手は、雨天・強風時の作業が困難で、熟練技能者の減少も顕在化しています。近年嵌合式の機械式継手が開発されていますが、施工中に鋼管が真円から楕円に変形すると調整に時間を費やすことがあります。
本継手は、あらかじめ工場で鋼管に枠材を溶接しておき、現場では連結プレートに合芯ボルトを通して締付けを行います。合芯ボルトは先端が細くなっているため、鋼管が楕円になってボルト孔に多少のずれが生じても、ネジを締め込む力で孔位置を矯正しながら連結できます。
現場で計測したところ、ボルト締付完了までの所要時間は約14分(作業員1名)で、従来の溶接接合(作業時間:約50分、作業員2名)に比べ約70%の作業時間の短縮となりました。
今後は現場適用を推進するとともに、転用利用について検討を進めていきます。

「ボルト式鋼管矢板継手」の概要図
覆工コンクリートの帯状接触検知センサ「セッテンミエルカ
Toggle button

当社とムネカタインダストリアルマシナリー(株)は、山岳トンネルの覆工コンクリート端部に生じるひび割れや角欠けを防止するための帯状センサ「セッテンミエルカ」を開発しました。本センサは、覆工コンクリート全周にわたってセントル(移動式鋼製型枠)と既に打設した覆工コンクリートとの接触を監視することが可能です。従来の4箇所程度のセンサで監視する方法で生じていた、センサ未設置箇所の接触を検知できない問題を解決しました。これにより、セントルの押し付けに起因するひび割れや角欠けを防止できます。

セッテンミエルカ設置状況
システム管理画面
覆工セントル用自動レール移動システム「Rail Walker SystemⅡ」を開発
―覆工セントルのレール移動作業を完全自動化―
Toggle button

当社と岐阜工業(株)は、覆工セントルのレール移動を自動化する「Rail Walker SystemⅡ」を開発しました。このシステムは、従来バックホウなどの建設機械と複数の作業員との混在作業で行っていた覆工セントルのレール移動作業を、僅か一人の作業員のボタン操作だけで自動化するものです。本システムの開発により防水工、鉄筋工、覆工コンクリート工の一連のレール移動作業がすべて自動で行えるため、生産性、安全性が向上します。

図-1 Rail Walker SystemⅡ システム全体イメージ図
図-2 システム概要図
図-3 レール前送り装置詳細図
(ラックアンドピニオン方式)
図-4 レール移動方法概要図
脱炭素社会の実現に向けた「スラグリート®」をNETISに登録
Toggle button

当社と西松建設(株)は、共同で開発した低炭素型のコンクリート「スラグリート®」を国土交通省が運用している「新技術情報提供システム(NETIS登録番号:QS-210008-A )」に登録しました。
「スラグリート®」は、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメントの代替材料として積極的に活用し、環境に配慮した低炭素型のコンクリートです。本技術は、第三者機関の建設材料技術性能証明を取得しており、「2050年のカーボンニュートラル」脱炭素社会の実現に向けて貢献できる技術です。

「アーリークリート®」を用いた施工時CO2排出量の縮減
Toggle button

従来、山岳トンネルやシールドトンネルの覆工コンクリートなど、短時間で型枠を脱型する構造物の場合、寒冷地などの施工条件によっては所要の時間で必要強度が得られないことも少なくありませんでした。このため現場では、使用セメント量を上げる、ジェットヒーター等を多数配置して養生温度を上げるなどの対策が取られてきました。本開発では、現場条件に応じた混和材料を添加することでジェットヒーター等による温室効果ガス排出量を上げることなく、必要な初期強度を確保する工法(「アーリークリート®」)を開発しました。本開発により、施工時におけるセメントや養生設備に起因する過剰な温室効果ガス排出量の縮減が可能となりました。

引抜力と靭性に優れた繊維補強モルタルを開発
Toggle button

当社は、ポリプロピレン繊維と円形状の鋼繊維(リングファイバー)を混合した独自の繊維補強材 (ハイブリッドファイバー)を無収縮モルタルに添加することで、従来よりも引抜力と靭性能を向上させることが可能な繊維補強モルタルを開発しました。
当社は道路橋の大規模更新工事の品質向上および工期短縮の実現に取り組んでおり、その一環として開発した技術です。本技術を道路橋の鋼桁と道路床版の接合部(スタッドジベル部、図1参照)等に適用することで、従来よりも一体性を高め、道路橋の耐久性向上に繋がることが期待されます。

図1 ハイブリッドファイバーを添加した繊維補強モルタルの適用イメージ
(道路橋の鋼桁と道路床版の接合部)
図2 引抜試験の結果の例
  • ※1ハイブリッドファイバーの繊維添加量
    • リングファイバー:0.5vol%
    • ポリプロピレン繊維:0.5vol%
  • ※2ポリプロピレン繊維の添加量
    • ポリプロピレン繊維:1.0vol%
トンネル工事におけるセントル操作の省力化を実現
-福島県博士トンネルにおいて「セントル操作集中制御システム」を実証-
Toggle button

当社は、トンネル工事の覆工コンクリート施工において、セントル型枠※1(以下セントル)のセット作業の際に行うセントルの操作をタブレット端末で一括管理する集中制御システムを開発しました。
本システムは、セントルを走行させる際に駆動する走行モーター、上下移動のための昇降ジャッキ、左右移動のための横送りジャッキの操作をセントル中央にある制御盤を通して、タブレット端末による電子制御、遠隔操作を可能とするものです。これにより、タブレット上で、動かしたいジャッキまたはモーターを自由に選択し、同時に操作することができ、作業の省力化・効率化が図れます。今後、当社が開発したセントルの自動測量システム「セントルEye※2」と連携を可能にし、自動測量しながら、セントルの操作を可能にするアップデートを計画しており、将来的には覆工作業の全自動化を目指しています。

  • ※1覆工コンクリート用のアーチ状の型枠
  • ※2当社リリース「トンネル工事の煩瑣な測量業務を統合管理し生産性を向上-セントルの自動測量システム『セントル Eye』を実証- https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20200122_3.pdf
セントル操作集中制御システムイメージ
AIによる発破良否判定システム「Blast AI」で高評価獲得
-国土交通省:建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト-
Toggle button

当社、(株)Ristおよび(株)演算工房の3社コンソーシアムは、官民研究開発投資拡大プログラム予算(PRISM)を活用して国土交通省が実施する「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト※1」に応募し、採択されました。応募技術は、山岳トンネルの発破掘削工法において、発破後の飛石形状の3次元点群データから発破の良否をAI(人工知能)により判定する発破良否判定システム「Blast AI」です。
 本システムを当社施工の設楽ダム設楽根羽線1号トンネル工事にて試行した結果、「データ活用による建設現場の生産性向上ワーキンググループ」から生産性・安全性の向上につながる社会的意義が大きいと評価され、社会実装に向けた今後の技術開発が期待される「総合評価B※2」を獲得しました。

  • ※1国土交通省ホームページ:https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000062.html
  • ※2総合評価
    A:試行は十分な成果があり、技術の導入効果や社会実装の実現性について高く評価できる
    B:試行は一定の成果があり、技術の社会実装に向け今後の技術開発が期待される
    C:試行は一定の成果があるが、技術の社会実装には更なる技術開発や課題解決が必要
    D:試行に成果があったとは言い難い
鋼製支保工建込みの切羽無人化施工システム「Optiss」
Toggle button

当社は、トンネル工事の鋼製支保工建込み作業において、肌落ち災害の多い切羽直下に作業員が立ち入らない、切羽無人化施工システムを開発し、実工事での適用性を確認しました。
本システムは、トンネル工事で用いるエレクタ一体型吹付機に改良を加え、切羽直下に作業員が立ち入ることなく、オペレータ1名による遠隔操作で鋼製支保工の建込み、継手接合、位置決めを可能とすることにより切羽無人化施工を実現します。本システムの適用により、トンネル工事の安全性向上と、省人化による生産性向上を推進していきます。

写真1 実工事における鋼製支保工の建込み状況
図1 システム概要
  • SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • RE100
  • ECO FIRST
  • BOSS IKUBOSS AWARD 2016